異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します
新商品、そして進入禁止
この案は互いに解決策を考えるということで保留になった。さすがに保留ではお礼にならないので違う商品を教えた。
今回は数人で出来るゲーム、『犯人は踊る』を教えた。
このゲームは結構有名だったし、これは大人も楽しまれていたので人気になるだろう。
ルールは簡単で、まずこのゲームは心理戦。『犯人』と書かれたカードを最後まで持っていればそのプレイヤーの勝ち。
他のプレイヤーはそれぞれ自分の持つカードの能力を使って誰が『犯人』を持っているのかを推理して、『探偵』のカードを使って名指しする。
シンプルだが、これが結構癖になる。
一見すれば『犯人』を持つプレイヤーが少し不利に思えるが、そうではない。
『アリバイ』と呼ばれるカードは「自分は犯人じゃない」と言うことが出来、一回だけ逃れることが出来る。
また『アリバイ』のカードが手札になくても、他人と手札入れ替えのカードもあるのでそれで逃げや決めの一手を作ることも出来る。
ということをデオルさんに伝える。それと各カードの能力も。
それを興味深そうに訊くデオルさん。そして聞き終わるなり早速紙を用意して能力を使用して『犯人は踊る』を創造した。
一枚、一枚の能力を確認するのが俺の仕事なのだ。
絵は別にデオルさんに任せてもよかったのだけれど、お願いされた。
あまり絵は得意じゃないからどうしようか迷った。以前(かなり初期の頃)はキリたちに絵を描いてもらったから今回はどう切り抜けよう....
そんな俺の心情を察してくれたのかデオルさんは「無理にとは申しません」と言ってにっこりと微笑んでくれた。
それを聞いて俺はその頼みを丁寧に断った。
その後もこれまで教えた商品の売れ行きなどを聞いた。結構売れており友好国との交易にも近々取り入れるとのこと。
待って、すごいことになってない ︎
驚きを隠せていなかったようだが続いてデオルさんが、
「いやはや国王様に駄目元で頼んでみたのですが、まだか受諾して頂けるとは思いませんでした」
と笑うデオルさん。
あの野郎のせいかい!そう心で叫ぶ。
とまあそんな驚きのことを聞かされてからその後は特に何もないようなのでデオルさんに別れを告げてから店を出る。
路地裏でゲートを開いて家へ帰る。
この交易によって“ベガ”の経済利益は向上するがそれはまた別のお話。
デオルさんにお礼をしてから数日が経過したある朝。
いつものように朝食を食べに食堂へ行くと、すでにキリ、サナ、リリーが朝食を食べていた。
そして俺が席に着いた所で、眠そうな目を擦りながらユキナが入ってきた。
「おは、よう・・・」
全員ユキナに挨拶を返す。
そしていつものように朝食を摂る。そういつものように・・・・
「?とこでニーナは?」
いつも通りだと思っていたが来た時から気になっていたことを訊いてみる。
ニーナはしっかりした性格なのでいつもちゃんと朝食は食べているしなんなら俺よりも早く起きている。
そんなニーナがいないのでつい気になってしまった。
俺の疑問に答えてくれたのはサナだった。ただ・・・
「え、えっとねー・・・ちょっと部屋から出られないのよ・・・・」
サナは少し言い辛そうにそう言った。
「?つまり風邪なのか?それともせ・・・」
そこで全員から鋭い目つきで睨まれた。
「ご、ごめん」
別に「生理」は悪い言葉ではないのだがこれを気にするかは人によるか・・・
「と、とりあえずニーナは今忙しいからみんな入っちゃダメよ。特にアズマは!」
「な、なんで」
「なんででも!」
「は・・はい・・・・」
サナの剣幕に気圧されてしまった。
「それと食事は私が持って行くから、ポールさんたちも入らないでください」
「かしこまりました」
「それとアズマ」
「ん?」
「ニーナは部屋から出られないからお風呂にも行けないの。だからお湯を用意してくれない?」
「それは別にいいけど・・・なんで浴場のお湯を使わないんだ?」
「あの子の部屋、二階の書斎の隣だから浴場からだと遠いのよ」
「それならゲートで行き来出来るようにするから用意が出来たら呼んでくれ」
「そう、ね。そっちの方が楽ね。でもアズマは来ちゃダメよ!」
「分かったよ」
ここまで止められるとかなり気になる。一体ニーナは何をやっているんだ?
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犯人は踊るを知らない人は多分人狼を思い浮かべれば分かるかと。
そして私は犯人は踊るをプレーしていないのでルールが間違っていましたら、訂正して頂けると幸いです。
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