異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します
アイデア、そして魔核
キリとの模擬試合の後、少し汗をかいたので俺とキリはお風呂へ行くことになった。
言っておくが混浴なんかではない。というか混浴なんてうちにはない。
お風呂の水は水儒核からなのでタダ。さらに男湯も女湯も俺がウォーミルで暖かくしているのでこちらもタダと、財布に優しいお風呂である。
効能とかあればみんなも喜んでくれるだろうけどさすがにそこまでは出来ない。
いっそのこと温泉の源泉でも探してゲートでそれ全部をこっちに持って来ようかな?場所はキリに頼めば分かるだろうしさ。
....いや、やめておこう。
一瞬いいアイディアだと思ったけど、よく考えたら持ってきたその源泉を置く所があるはずもない。
宝物庫という選択肢もあるが宝物庫の容量は俺の魔力量に比例しているそうだが、それでもどれくらいの容量があるのかは分からない。
そんな状況で源泉を入れるのは止めておく方が良いだろうし。
そんなことを考えながら髪や身体を洗って、再び湯船に浸かる。
・・・この湯船の水を凍らせたらスケートとか出来ないかな?いやそれよりもそういう広場を作れれば。
氷が溶けないようにする方法が見つかれば年中遊べる。こういう娯楽系はこの世界にはないようだし、老若男女に楽しんでもらえるように工夫すれば・・・・
この考えを今度デオルさんと話してみよう。
前回のボスの件で世話になったお礼として。そうこれはお礼であって、決して俺がこれで金儲けをしたいという訳ではない!
そう誰に言うでもなく心の中で叫ぶ。
「さて、そろそろ上がるか」
湯船から立つと、湯が波立つ。
お風呂から上がって風尚核とナルミトルの血を使って作った自作の道具。
形などはドライヤーなのでそれをイメージしてくれれば良いかと。
これには電気はいらず、魔力を流すだけで風が吹く。強弱は流す魔力で調整出来るので自分の好きな風力でいける。
そのため普通のドライヤーより性能はいいかもしれない。強めに魔力を流してすぐに髪と身体を乾かす。
強めにしたおかげですぐに乾かすことが出来たので、着替えてからゲートを開きデオルさんの所へ飛ぶ。
デオルさんはすでに会議を終えて自分の店へ戻って来ているそうなので今回はそっちへ向かう。
店へ入りデオルさんを呼んでもらう。今回の店員はミシェルさんか。
相変わらずの落ち着きようというか、なんというか。うちのメイドのスピカさんといい勝負なのではないだろうか?
何の勝負かは俺も知らないけど。
そして準備が出来たそうなのでいつも通り奥の客室へ行きさっき俺が思いついたことを細かく話した。
「成る程....素晴らしい考えな事と、楽しんで頂きこれが利益なる事も理解出来ました。良い考えだと思いますよ。ただその氷をどう保つかを考えなくては話しになりません」
「やっぱり...実を言えばそこが難問なんだよ」
「でしょうね.....魔物の中で有益なのは氷竜でしょうが、そんな簡単な魔物ではありませんしね」
「?その氷竜がいると何で解決するんだ?」
「えーとですね、氷竜は自分の住処が自分の住み易いようにしていて、名の通り氷で覆われているんですよ。その氷竜の体内にある魔核さえあればなんとかなると思えるのですが....」
「魔核?竜に核があるの?」
「ええ。スライムや竜、龍、ドライアド、上位に上がったオーガなど他にもいますが、主に魔力量の多い魔物には魔核が現れるようでその核を砕けば消滅したり、魔力が一気になくなり弱体化するそうです」
なるほど。俺がダンジョンで出会ったスライムやステンチスライムに核があったのはそのためか。
て言うか、やっぱりこの世界ではスライムは強い存在なのか....
そして....
「ドラゴン?竜とドラゴンがいるのか?」
「 ︎そこまで....ええ、両方は別の存在です。簡単に言えば竜は龍の劣化版みたいな存在です。龍は竜と比べると魔力量や力、寿命までもが比にならないほど別格なのですが、竜は何らかの方法で龍に進化する事があるそうです。それはまだ判明していないのですが、その進化は滅多に起こらないため龍の数は竜よりも少ないのは分かっています...理解して頂けたでしょうか?」
「....まあ、だいたいは」
「それは良かった。まあ、簡単に言いましたが竜を倒すなんてそれこそ王国騎士数千から数万以上でも勝てるか不明ですがね、はっはっはっはっ」
....やるか?
デオルさんが冗談にも冗談らしいことに呆れ笑っている中、東はとんでもないことを考えようとしていた。
だがこれはあくまで最終手段として、もう少し違う方法を考えることにした。
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