短編︰東方禁恋録

乙音

番外編︰魔理沙編

今回は魔理沙視点の番外編です。
魔理沙と藍夢があった日のことを書いてみました。
これからも番外編とかちょくちょく出してくつもりですd('∀'*)



私は、霧雨魔理沙。
普通の魔法使いだ。

前々から霊夢が仲良くしている奴がいるのだが、
ちょくちょく会う程度でなかなか話したことは無かった。

霊夢に会う時、たまに会うくらいで、
接点がほとんど無かったのだ。

ま、一応親友の友達な訳だし、
挨拶くらいしていくかな。

◆◆◆

「霊夢〜!」

「うん?どうしたの?」

声をかけると、縁側からひょこっと
藍夢が現れた。

改めて見ると、綺麗なツインテールの美少女で、
陽が当たって輝く様は思わず見蕩れるほどだった。

「あ、霊夢はいないのか?」

「うん。
今は紅魔館に行ってる。
霊夢に何か用事だった?」

「いや、今日は藍夢に用があってな」

「私に?」

「ああ。
霊夢と仲良くしてもらってるみたいだし、挨拶くらい行かないとなって」

「そうなんだ、わざわざありがとう。
じゃあ私、お茶入れてくるね」

そう言って、藍夢はパタパタと走っていく。
うーん、それにしても、藍夢の強さはどれくらいなんだろうか。

生憎私は料理や裁縫なんかの女の子らしいもの
には興味が無い。

だって、そんなものつまらないし、
そもそもワクワクしない。

でも、戦闘はとてもドキドキして楽しめるし、
何より研究してどんどん魔法を使えるようになっていくのが面白い。

だから、どうしても藍夢の力がきになった。
まあ所詮人間だし、そんな強くはないんだろうけど。

いやまあ、霊夢は人間であって人間でない
ようなものだからな。

「魔理沙、お茶入れてきたよー」

藍夢がお茶を持って戻ってくる。

「ありがとな」

そう言ってお茶を受け取り、
ずずーっと一気に啜る。

「なぁ藍夢、弾幕勝負しようぜ!」

「え、私弾幕勝負するの初めてだよ?
強くないし」

「大丈夫だって!
じゃ、行くぞ!」

◆◆◆

弾幕勝負の結果は、
勿論私の圧勝だった。

なんたって、藍夢は人間
なんだからしょうがない。

幻想郷にいる人間は怪物みたいに
強いのが多いから感覚が来るって来てたな。

……にしても、藍夢は私達が持つ【能力】
を使用していない。

恐らく持っていないのだと思うが……それで、
私との勝負でここまで持つなんて、やはり藍夢も強いのか?

攻撃が来た時のあの瞬発能力と食らった時の
持久力、とても人間とは思えない。

普通私の攻撃を生身の体で受け止めれば、
立ち上がれなくなるのが普通だと思うんだが……。

あの異常とも言える耐久力は一体何なのだろうか。
まあとにかく、戦い甲斐があるな。

この日から、私は藍夢に興味を持つようになり、
よく弾幕勝負をするようにもなった。

その度に藍夢は強くなっていき、
藍夢との中も縮まっていった。

今ではすっかり仲良しだ。
今でも遊んだりはよくしている。

それにしても、藍夢と言う奴は色々謎が多く、ただでさえ
記憶喪失で不思議な存在だというのに、不思議な知識も持っていた。

本当に変わったやつだ。
ますます気になってくる。

それに、気のせいかもしれないが
藍夢は何かを隠しているようにも見えた。

まあ私の勘違いかもしれないが。
藍夢と出会ってから、霊夢はなんだか変わった気がする。

なんだか楽しそうに見える、というか。
明るくなったというか。

少なからず、藍夢は霊夢にとって
大切な人であるだろう。

お母さんが死んでしまった時も、いつもの霊夢なら
きっと耐えきれなかっただろうに、藍夢が居たからか立ち直りも早かった。

何より、霊夢が誰かのためにあれだけ尽くしてやる
なんて珍しい。

どれだけ藍夢は変わった人物なのだろうか。
興味が湧いてくる。

ここ数年藍夢と過ごしてきて思ったことは、
まず藍夢がすごく良い奴だということだ。

ほぼ毎日私が遊びに来ても嫌がらず
お茶を出してくれるし、落ち込んでいれば慰めてくれる。

こりゃあ霊夢が藍夢のことを好きになるのも
仕方ないな。

そんなことを思いながら、
今日も藍夢が入れてくれたお茶を啜る。

この数年で、苦味が強かったお茶も、
今ではすっかり美味しいお茶に変わっている。

本当に藍夢は上達が早いな。
そう思いながら、ふと藍夢を見る。

すると、ニコニコと微笑みながら
私のそばに座っていた。

「魔理沙は美味しそうに飲んでくれるから、
作り甲斐があるよ。」

……ああ、本当藍夢は良い奴だな。
友情か、はたまた愛情かはわからないが、少なからず私は藍夢に好意を抱いている。

これからもずっと、私の良き親友であってほしい。
そんなことを思いながら、私は

「藍夢が作るお茶は美味しいからな」

そう言って微笑むのだった。

「短編︰東方禁恋録」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く