短編︰東方禁恋録
第21話 お別れの時
「それでな、―が……」
魔理沙が酒を飲みながら
楽しそうに話している。
「へえ〜」
博麗神社は、沢山の妖怪や人で
溢れかえっていて、賑やかだった。
「それにしても、皆が私の誕生日を祝ってくれるなんてね」
「へへ、流石の私でも親友の誕生日を
忘れたりなんてしないぜ?」
「ふふ、魔理沙のことだから、忘れてるかと思ってたわ」
「失礼なやつだな!」
霊夢と魔理沙が笑う。
「本当に二人は仲いいね〜」
はは、と2人に笑いかける。
「ま、小さい頃からの腐れ縁だからね〜」
「異変解決とかもやってたしな」
「そういや、神隠しの件はどう?」
なんとか自然な流れできいてみる。
「あーそれがね、全然進んでなくて」
「まーそうだよなー。
全然わからないし……」
「そうなのよね、調べても調べてもわからなくて。」
「な、なんか水を差したようでごめんね」
「いや、別にいいんだけど……」
何となく気まずい気分になりながら、
お酒を飲む。
うーん、いつ言えばいいのかな……。
「あのさ、神隠しの件何だけど……」
「何?」
「もし、謎が解けたって言ったらどうする?」
「藍夢、分かったのか?!」
「…………まあね」
「え?!
本当なの?!」
「うん」
なんか変なタイミングで話しちゃったけど……。
まあいいかな。
どちらにしろ言わないといけなかったし。
もうすぐ夢から覚めちゃうんだから。
……夢から覚める、か。
皆と別れるとなると、やっぱり胸が痛くなる。
でも、もう決まったことだ。
流石にもう決意しないと。
◆◆◆
「「「「「神隠しの原因がわかった〜!!??」」」」」
全員の声が揃った。
「うん」
「でも、藍夢と図書館に行ったりしてみても、
何もわからなかったじゃない。 
どうやって分かったの?」
「………うーん……どう言えばいいかな」
少し黙る。
どうやって分かったと言っても、自分のことだからなんとも言えない。
「……取り敢えず、1つ言えることは、記憶が戻った」
「へ……?!」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔で魔理沙がそうこぼす。
「まず、私には能力がある。
魔理沙にも霊夢にも、空を飛ぶ能力とか魔法を使える能力とかあるでしょ?」
「「ああ(えぇ)」」
「そして、私の能力が
『幻想を創る程度の能力』だったんだ」
「幻想を……?」
「うん。
幻想を創る、まあ夢を見るようなものだよ」
「でも、それが神隠しとどう関係しているのよ?」
「ねえ、この神隠しの異変について。
1つ勘違いしていることがあるって、この前言ったよね?」
そう尋ねると、霊夢が少しばかり首を捻って、
暫くしてから閃いたように手をポンと打った。
「ああ、神隠しの被害にあった者は隠されたわけでも、
消えた訳でもない可能性があるってこと?」
「うん。
そもそも、この異変が神隠しだと言われたのもただの仮説に過ぎない。
つまり、始めからこの異変への意識が間違っていたんだよ」
「神隠しではない……?
ならどうやって人が消えたって言うんだ?」
「だから、消えた訳では無い。
例えば、人は消えた訳ではなく、何処かへ移動しただけだとしたら?」
「移動……?
でも誰がそんなこと出来るんだ……?
……!紫?」
魔理沙が紫に目を移し、紫が何も知らないと
言うように手をぶらんと下げ、首を捻った。
「紫じゃないなら誰が……!」
「だから、これもただの憶測。
何処かへ行った。これも正しいし、感じ方によっては消えたとも言える。」
「どういう事だよ?」
「だから……簡単に言えば、初めから存在しなかったってことだよ」
「藍夢!どういう事?」
フランがそう声を上げた。
その傍には、元気の無い咲夜の姿もあった。
「言葉の通り。
初めから私達-いや、フラン達は存在しなかったとしたらという仮説。」
「でも、たしかに私たちは存在して―」
「夢っていうのはリアルで、鮮明で、
夢を見ている間はそれがまるで現実のように感じたりしない?」
「え?」
突然の言葉に、フランが驚く。
「でも、夢から覚めた途端、それが夢ではないとすぐわかる。
何でだろうね?
それに、あれだけ鮮明に残る夢の記憶も……。
暫くすれば、誰かに抜き取られたみたいに忘れちゃったりしない?」
「私達は、今、夢の中にいるんだよ」
「夢の中……」
「魔理沙も霊夢もフランも咲夜も……皆、夢の中にいる。
そして私は、それを創った人間。
全てを壊した者。」
「どういうことだよ、藍夢!」
「そりゃあ、異変の黒幕が分からないわけだよね。
だって神隠しの黒幕は……私なんだから。」
魔理沙が酒を飲みながら
楽しそうに話している。
「へえ〜」
博麗神社は、沢山の妖怪や人で
溢れかえっていて、賑やかだった。
「それにしても、皆が私の誕生日を祝ってくれるなんてね」
「へへ、流石の私でも親友の誕生日を
忘れたりなんてしないぜ?」
「ふふ、魔理沙のことだから、忘れてるかと思ってたわ」
「失礼なやつだな!」
霊夢と魔理沙が笑う。
「本当に二人は仲いいね〜」
はは、と2人に笑いかける。
「ま、小さい頃からの腐れ縁だからね〜」
「異変解決とかもやってたしな」
「そういや、神隠しの件はどう?」
なんとか自然な流れできいてみる。
「あーそれがね、全然進んでなくて」
「まーそうだよなー。
全然わからないし……」
「そうなのよね、調べても調べてもわからなくて。」
「な、なんか水を差したようでごめんね」
「いや、別にいいんだけど……」
何となく気まずい気分になりながら、
お酒を飲む。
うーん、いつ言えばいいのかな……。
「あのさ、神隠しの件何だけど……」
「何?」
「もし、謎が解けたって言ったらどうする?」
「藍夢、分かったのか?!」
「…………まあね」
「え?!
本当なの?!」
「うん」
なんか変なタイミングで話しちゃったけど……。
まあいいかな。
どちらにしろ言わないといけなかったし。
もうすぐ夢から覚めちゃうんだから。
……夢から覚める、か。
皆と別れるとなると、やっぱり胸が痛くなる。
でも、もう決まったことだ。
流石にもう決意しないと。
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「「「「「神隠しの原因がわかった〜!!??」」」」」
全員の声が揃った。
「うん」
「でも、藍夢と図書館に行ったりしてみても、
何もわからなかったじゃない。 
どうやって分かったの?」
「………うーん……どう言えばいいかな」
少し黙る。
どうやって分かったと言っても、自分のことだからなんとも言えない。
「……取り敢えず、1つ言えることは、記憶が戻った」
「へ……?!」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔で魔理沙がそうこぼす。
「まず、私には能力がある。
魔理沙にも霊夢にも、空を飛ぶ能力とか魔法を使える能力とかあるでしょ?」
「「ああ(えぇ)」」
「そして、私の能力が
『幻想を創る程度の能力』だったんだ」
「幻想を……?」
「うん。
幻想を創る、まあ夢を見るようなものだよ」
「でも、それが神隠しとどう関係しているのよ?」
「ねえ、この神隠しの異変について。
1つ勘違いしていることがあるって、この前言ったよね?」
そう尋ねると、霊夢が少しばかり首を捻って、
暫くしてから閃いたように手をポンと打った。
「ああ、神隠しの被害にあった者は隠されたわけでも、
消えた訳でもない可能性があるってこと?」
「うん。
そもそも、この異変が神隠しだと言われたのもただの仮説に過ぎない。
つまり、始めからこの異変への意識が間違っていたんだよ」
「神隠しではない……?
ならどうやって人が消えたって言うんだ?」
「だから、消えた訳では無い。
例えば、人は消えた訳ではなく、何処かへ移動しただけだとしたら?」
「移動……?
でも誰がそんなこと出来るんだ……?
……!紫?」
魔理沙が紫に目を移し、紫が何も知らないと
言うように手をぶらんと下げ、首を捻った。
「紫じゃないなら誰が……!」
「だから、これもただの憶測。
何処かへ行った。これも正しいし、感じ方によっては消えたとも言える。」
「どういう事だよ?」
「だから……簡単に言えば、初めから存在しなかったってことだよ」
「藍夢!どういう事?」
フランがそう声を上げた。
その傍には、元気の無い咲夜の姿もあった。
「言葉の通り。
初めから私達-いや、フラン達は存在しなかったとしたらという仮説。」
「でも、たしかに私たちは存在して―」
「夢っていうのはリアルで、鮮明で、
夢を見ている間はそれがまるで現実のように感じたりしない?」
「え?」
突然の言葉に、フランが驚く。
「でも、夢から覚めた途端、それが夢ではないとすぐわかる。
何でだろうね?
それに、あれだけ鮮明に残る夢の記憶も……。
暫くすれば、誰かに抜き取られたみたいに忘れちゃったりしない?」
「私達は、今、夢の中にいるんだよ」
「夢の中……」
「魔理沙も霊夢もフランも咲夜も……皆、夢の中にいる。
そして私は、それを創った人間。
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