俺と妹の異世界人生
異世界
「話をしよう。」
「あぁ。」
「あれは、君達がまだ産まれる前の話だ。彼は異世界と日本とを行き来出来る人間だった。異世界では数少ない闇魔法の使い手だった。」
「お、おい待て俺達の父さんが異世界と日本を行き来していた?なんだよそれ!」
「まぁまぁ待て待て。話を聞け。
彼は異世界に召喚された人間の一人、特別な力を持っていた。その力は魔王に匹敵するほどの闇の力だった。そして、その力で民を救い王国を救った。彼の名は黒い英雄として残された。新崎 真司(あらさき しんじ)は日本で一人の女性との間に君達を産んだ。その話を私達に話していたよ、それは嬉しそうに。だが彼は、死んでしまった。不幸な事にな。」
「死んだ?何言ってんだ、父さんは行方不明になったんだ!」
「君も今の話で察したのではないか?彼は行方不明などてはなく、異世界で死んでしまったのだと。」
(そんな、そんな、いつか絶対に戻って来ると、あの笑顔で戻ってくると…)
「そんなわけない!!!」
いつもは絶対に出さないような大声で叫んだのは誌乃だった。
「お父さんは、お父さんは、絶対に死んでなんかない!!生きてるんだ!!きっと異世界で理由があって今は日本に戻れないだけなんだ!!!お父さんは…お父さんは…」
泣く誌乃…それを横目に見ていた隼斗は今、どんな感情を秘めているのだろう。
父親は死んでいると告げられ、きっと戻ってくると思っていた存在は、二度と戻って来ないと知った。その感情は哀しみなのか。それとも…
「異世界に連れていってくれ…俺と誌乃を…異世界に連れて行ってくれ!」
「お兄、ちゃん…」
声にならないような声で誌乃が隼斗を見る。
隼斗は諦めていなかった。隼斗が秘めていた感情は希望だった。
「いいのか?自分で言っておいてなんだが、異世界では死んでしまうこともある。そう、彼のようにな。」
「何言ってんだよじいさん。俺達の父さんは死んでねぇよ。父さんは異世界では英雄だったんだろ?そう簡単に死ぬわけがない。なぁ誌乃?」
「う、うん、そうだね!」
隼斗の言葉を聞いた誌乃は涙で濡れている顔を笑顔にさせ答える。
「決意は固まったようだな…」
「「あぁ(はい)!」」
「では行ってくるがよい。」
すると、さっきまではなかった黒いゲートのようなものが開く。
「行こうか、誌乃。」
「そうだね、お兄ちゃん。」
その中へと入っていこ…うとした時に。
「なぁじいさん、これ、どうすればいい?」
隼斗はバイクを指さす。
(うーんこれどうしたらいいんだ?)
「うーん…そうだな…小さくできるようにするか?」
「できるなら、頼む…」
「分かった。」
すると、じいさんは右手をバイクにかざした。そしてバイクが小さくなり隼斗の指に指輪が付いた。
「これ、バイクか?」
「あぁ。もちろん。」
(はぁぁ、さっき滅茶苦茶いい感じで行けそうだったのになー。まぁ俺のせいなんだけど。)
「じゃあ、行くぞ、誌乃。」
「う、うん。」
二人はゲートに入っていく。
その背中を見送る者がいた。
「真司よ。お前は子供達に愛されていたようだな。きっと、あの子達ならお前のことを救ってくれるはずだ。」 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ここが、異世界?」
「そうだと思う。」
(やっと異世界に、ここで父さんが生きていることを確認するんだ。)
(絶対に生きてる、父さんは死んでなんかいない!)
「あぁ。」
「あれは、君達がまだ産まれる前の話だ。彼は異世界と日本とを行き来出来る人間だった。異世界では数少ない闇魔法の使い手だった。」
「お、おい待て俺達の父さんが異世界と日本を行き来していた?なんだよそれ!」
「まぁまぁ待て待て。話を聞け。
彼は異世界に召喚された人間の一人、特別な力を持っていた。その力は魔王に匹敵するほどの闇の力だった。そして、その力で民を救い王国を救った。彼の名は黒い英雄として残された。新崎 真司(あらさき しんじ)は日本で一人の女性との間に君達を産んだ。その話を私達に話していたよ、それは嬉しそうに。だが彼は、死んでしまった。不幸な事にな。」
「死んだ?何言ってんだ、父さんは行方不明になったんだ!」
「君も今の話で察したのではないか?彼は行方不明などてはなく、異世界で死んでしまったのだと。」
(そんな、そんな、いつか絶対に戻って来ると、あの笑顔で戻ってくると…)
「そんなわけない!!!」
いつもは絶対に出さないような大声で叫んだのは誌乃だった。
「お父さんは、お父さんは、絶対に死んでなんかない!!生きてるんだ!!きっと異世界で理由があって今は日本に戻れないだけなんだ!!!お父さんは…お父さんは…」
泣く誌乃…それを横目に見ていた隼斗は今、どんな感情を秘めているのだろう。
父親は死んでいると告げられ、きっと戻ってくると思っていた存在は、二度と戻って来ないと知った。その感情は哀しみなのか。それとも…
「異世界に連れていってくれ…俺と誌乃を…異世界に連れて行ってくれ!」
「お兄、ちゃん…」
声にならないような声で誌乃が隼斗を見る。
隼斗は諦めていなかった。隼斗が秘めていた感情は希望だった。
「いいのか?自分で言っておいてなんだが、異世界では死んでしまうこともある。そう、彼のようにな。」
「何言ってんだよじいさん。俺達の父さんは死んでねぇよ。父さんは異世界では英雄だったんだろ?そう簡単に死ぬわけがない。なぁ誌乃?」
「う、うん、そうだね!」
隼斗の言葉を聞いた誌乃は涙で濡れている顔を笑顔にさせ答える。
「決意は固まったようだな…」
「「あぁ(はい)!」」
「では行ってくるがよい。」
すると、さっきまではなかった黒いゲートのようなものが開く。
「行こうか、誌乃。」
「そうだね、お兄ちゃん。」
その中へと入っていこ…うとした時に。
「なぁじいさん、これ、どうすればいい?」
隼斗はバイクを指さす。
(うーんこれどうしたらいいんだ?)
「うーん…そうだな…小さくできるようにするか?」
「できるなら、頼む…」
「分かった。」
すると、じいさんは右手をバイクにかざした。そしてバイクが小さくなり隼斗の指に指輪が付いた。
「これ、バイクか?」
「あぁ。もちろん。」
(はぁぁ、さっき滅茶苦茶いい感じで行けそうだったのになー。まぁ俺のせいなんだけど。)
「じゃあ、行くぞ、誌乃。」
「う、うん。」
二人はゲートに入っていく。
その背中を見送る者がいた。
「真司よ。お前は子供達に愛されていたようだな。きっと、あの子達ならお前のことを救ってくれるはずだ。」 
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「ここが、異世界?」
「そうだと思う。」
(やっと異世界に、ここで父さんが生きていることを確認するんだ。)
(絶対に生きてる、父さんは死んでなんかいない!)
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