霞メンタルな僕は異世界へ

低血圧魔王

凪途 霞、高校で

皆さんどうもこんにちわ。
僕、凪途ナギト カスミと申します。
現在、僕はとても困っています。
それはもう他のことが比べ物にならない程に。

というのも今日、僕のお兄ちゃんで双子の、高校生の凪途 霧夜キリヤと凪途 靄音アイネがお昼ご飯のお弁当を忘れて行ったんです。
それで、家事担当(引きこもり)で唯一家に残ってた僕がお兄ちゃん達の高校にお弁当を届けに行くことになったんです。
でも、でもね、お兄ちゃん達ってクラスの中心人物でイケメンなんですよ。そんなお兄ちゃん達の周りには当然、沢山の人(主に女子)が居る訳で。
うん、豆腐メンタル以下のメンタルの弱さで知りあいに"霞メンタル"なんて造語を作られるような僕が年上の人の人混みになんて入っていける訳ないんですよ。

だから、近くの人にお兄ちゃん達へお弁当を渡して貰えるか聞いたら「嫌だよ、リア充へのプレゼントの仲介役なんて」って言われちゃってさ……
もうどうすればいいんだよ!!(泣)
うぅ…そもそも家にお弁当を忘れていくお兄ちゃん達が悪いんだ!

「君、こんな所でどうしたの?」

泣きそうになっていると声をかけられた。

「へ…?」

見た感じ優しそうな人だ。
この人なら落ち着いて話せそうだな……
よしっ!話してみよう!!

「あ、あの……」

「何かな?」

「あの、その」

「うん」

あぁーーー!!
こんなふうにしか喋れない自分を呪いたい!!

「あの、これっ!」

「これがどうしたの?」

そうだよね!いきなり渡されても困るよね!

「こ、これをお兄ちゃん達に「あっれー?なになに、ハルっちってばプレゼント渡されてるのー?」……」

う、うわー!!僕の苦手な
"テンションが高くてノリがいい"
タイプの人だー!(泣)


「え、違うよ?ただこの子の話を聞いてただけで、」

「いやー、君も大胆だね!朝からお弁当プレゼントするとか!(笑)」

「い、いや…ちが……(泣)」

うわーーん!!!違うのにー!

「止めなよ大地ダイチ、怖がってるじゃん。」

「え? あぁごめんねー!」

「だ、大丈夫、です。」

建前で強がりだけどな!
心は全然大丈夫じゃないけどな!

「それで?結局その包みは何なの?」

僕の苦手な人(多分ダイチさん)が聞いてくる。

「あの、これを、お兄ちゃん達に、届けて欲しくて」

「「お兄ちゃん達?」」

凪途ナギト 霧夜キリヤ、凪途 靄音アイネって名前なんです、けど…」

お兄ちゃん達、クラスの中心人物だしきっと知ってるよね……

「あぁ!! キリっちとアイっちのことねー!」

「へ…? キリっち、アイっち……?」

え?え?何?この人、お兄ちゃん達の友達?

「え、えっと、もしかして、貴方は、お兄ちゃん達の、お友達ですか?」

「そうそう!俺、友達なのー!」

「そ、そうなんですか……」

「それより君、もうすぐHR始まるけど、お弁当渡さなくていいの?」

えっ!マジで!?
早く渡してもらわなきゃ!!

「じゃ、じゃあ、お願いしま「キャーーー!!」……!?」

何これ!?
床に魔法陣っぽいナニカ………じゃないな!!
完璧に魔法陣だコレ!?
え、何、なんなの?ならコレはラノベでいう、異世界召喚的な何かなの!?

「ぅわっ!!」
「わぁっ!?」

さすがハルッチ(仮)さん、ダイチ(仮)さん。
イケメンは驚き顔もイケメンだな。
ていうか、眩し………っ!!





目覚めたら、真っ白な空間でした。

……………………。

マジで異世界召喚かよォォーー!!!




              ──to be continued

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