加藤くんを探せ

極大級マイソン

第2話「事前準備」

 藤原の友人である加藤が、加藤の彼女達によって拐われてしまった。
 彼を助け出すために、藤原、そして伊藤が救出の準備を始める。
 まずは、移動手段の確保。そして武器の調達。
 そして藤原は、その両方を叶えるために、ある人物をここに呼び出していた。

「やあ大路島。わざわざ来てもらって悪いね」

 藤原のクラスメイト、《大路島》。彼は《大路島カンパニー》の社長の息子でとてもお金持ち。専属の運転手も雇っているくらいのボンボンである。因みに大路島カンパニーは《兵器》を扱っている会社である。

「藤原。このテスト期間の忙しい時期に僕を呼び出すなんて、よっぽど困っているようじゃないか」
「いや別に? 正直、加藤がどうなろうと俺らにとっては全く害はないさ」
「まあ確かに」
「……だけど、知り合いが知らないうちに死ぬのは寝覚めが悪いからさ。大路島、加藤を助けるために俺達に協力してくれないか?」
「オーケーだ。既に車は用意してある。問題は武器の方だが……」

 大路島は、鞄から武器を取り出し、藤原と伊藤に見せた。

「すまない。今、うちの武器庫は品薄状態で、残っているのは《ライトセイバー》くらいしかない」
「くっ、選ばれし騎士にしか扱えない《ライトセイバー》ッ! 俺達には無用の長物だ!」
「仕方ないぜ藤原。オレ達で武器を集めよう」
「よぉし、こういう時はAEON MALLの出番だ!」

 はいそんな訳でAEON MALLへ集まった3人。
 ここで、《加藤救出作戦》に必要な武器を調達していく。
 と、そこで伊藤が気付いた。

「しまった! オレ、今所持金1000円しか持ってないんだ!」
「僕なんて350円しかない」
「俺に至ってはさっきコンビニで買ったせいで132円だ。仕方ない。この資金だけで道具を揃えよう」

 そして40分が経過。
 藤原、伊藤、大路島は待ち合わせの場所へ集合した。

「伊藤。お前は何買ったよ?」
「オレは百均で《ノコギリ》を買った。後、《包帯》に《ホイッスル》、そして《双眼鏡》だ」
「大路島は?」
「僕は《絆創膏》と《ピンセット》。武器は《けん玉》を用意した」
「藤原は何を買ったんだ?」
「自販機で《コーヒー缶》買ったから所持金2円になった。あ、でもさっきそこで《ポケットティッシュ》貰ったよ」
「……よし、完璧だ!」

 用意した物を互いに見比べ、満足そうに頷く3人。彼らには、加藤を確実に救い出せる確信があるように見えた。
 さて、移動手段を手に入れ、道具は揃えた。
 いよいよ、決戦の舞台。目指すは富士の樹海だ!

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