お祈りしたら美少女になった話
第11話 美少女って大変
朝いきなり男子に絡まれたせいで急に怖くなってきちゃったよ。
元々男子だったんだが。
男に絡まれる女子ってこんな気持ちだったのか、、。
まあ、俺はチキンなので絡めるわけもないんだが。
授業が始まる前には少し時間があるので流歌の所に行こうとしたのだが、今度は大勢の女子に取り囲まれてしまった。
「篠生可愛いね!」
「お昼一緒に食べようよ!」
「放課後プリ撮りに行こうよ!」
「瑠夏ちゃん結婚しよ」
色々なことを言われたが最後が気になって仕方なくつっこんでしまった。
「女子なのに求婚してるのだれだよ!」
何故かみんなポカーンとしている。
頑張って口を開いたのに誰も反応してくれないのか!
と思った瞬間
「「「かわいい〜〜!!!」」」
みんな予想外の反応をしてきた。
どこに可愛い要素あったんだ?
「求婚してたのはあたし」
名乗り出たのは大の美少女好きとして有名な黒崎眞冬だった。
俺みたいな幼児体型とは違い身長が高くすらっとしてる。
顔は整っていて綺麗系の子だ。
いつも可愛い子にまとわりつくので大変そうだと思っていたのだが、まさか目をつけられてしまった。
「部屋入った時から急に何か言い出すから、誰かと思ったよ。」
「だって瑠夏ちゃん可愛いんだもん!」
瑠夏くんってのも変だったが、俺にとって瑠夏ちゃんは違和感しかない。
「そ、そんなことないよ!」
容姿は可愛くなったかも知れないが、中身はただのクソ陰キャだぞ。
「いや、あなたは可愛い。
あたしの目は誤魔化せない。
顔だけ見て可愛いって言ってるんじゃないわよ。行動言動性格全てを見抜けるのだから。」
この子もかなり可愛いのにこんな性格なのだ。なんでも、男子に告白されても、けちょんけちょんに貶して振るらしい。
黒崎さんの女好きと言ったらそこらのおっさんの比じゃないからな(みんなそうとは言ってませんごめんなさい。)
「あ、あの、中身は残念なので、本当に期待しない方がいいよ。」
「じゃあ今日1日ずっとあたしと一緒に居なさい。それで判断してあげる。」
「そしたら、流歌も一緒なら...。」
「じゃあ、若林の流歌ちゃんも一緒ね。
今日は美少女に囲まれる日だわ!」
黒崎さんは何か言いながらごふっと鼻血を出しトイレに駆けつけてしまった。
流歌を巻き込んでしまったことを謝らなければ。
「流歌、ごめん。
黒崎さんとの話巻き込んじゃった。」
「気にしないで!
見てて面白かったし、そう言ってくれて嬉しかったから。」
「ありがとう。」
そう言うと俺は席に戻る。
授業中も気がつけば誰かと目が合うくらいに注目されていた。
何故か先生にも当てられることが前よりも多く、回答する度に拍手が起こった。
そんな大層なことじゃないのに。
そして休み時間も気は休まらず、他クラス他学年には転校生と情報が入っているらしく、更に誰かが10000年に一度の逸材と噂を広めたらしい。
そのため休み時間のうちのクラスには大勢の生徒が集まっていた。
特に男子だが。
見た目は元々自分の持ってたものじゃないから可愛いのは分かるが、そこまでして見に来るものか?
誰かに呼ばれる訳でもなく、俺と目が合うとみんなすぐに目を逸らし帰っていく。
写真なんかも撮られた気がするが、なるべく撮られないよう流歌や黒崎さんと一緒に居るようにした。
だが、男子的にはそれは好都合だったらしく、すぐにLIMEで写真が回ったらしい。
仕事早すぎでしょ。
お昼休みになると、黒崎さんと流歌とご飯を食べることになった。
流歌がお弁当を作ってくれたのだが、全く同じだと色々と誤魔化しも効かなくなるから、少し配置を変えたり中身を変えたりとなかなか手が込まれている。
急に黒崎さんが口を開く。
「まって、瑠夏ちゃんそれで足りるの?」
「目が食べたくてもこれ以上食べられなくて。」
「へぇぇ、だからそのアホみたいに細いのに不健康そうじゃない身体を維持できるのね...。」
「わたしもあんまり食べない方かと思ってたけど、瑠夏はちょっと食べなすぎると思うよ!」
流歌にまで言われてしまった。
俺だって食べたいのは山々なんだが...。
午後から4限が始まる。
俺は数学がおかしいくらいに苦手で、しかもお昼の後ときた。
つまり、お昼寝タイムだ。
頑張って起きようとしてもうとうとしてきてしまう。
努力はしたものの、結局寝てしまったらしく、授業終わりに目が覚めた。
すると突然隣の席の男子が話しかけてきた。
「し、篠生。
お前寝てたからこれ、見ていいよ...。」
俺にノートを差し出してきた。
「え、あ、ありがとう。」
さすがは陰キャ。
全然声が出ましぇん。
だがそいつは顔を赤らめ、おう、とだけ言った。
その後そいつはほかの男子から腹パンされたりしたらしい。
怒涛の1日だったので感覚的にはほぼ一瞬で放課後だ。
移動教室や休み時間は流歌と黒崎さんとずっと一緒にいたので、あまり男子に怯えることも無かった。
「ええい、篠生瑠夏!!
貴女は稀に見る美少女よ。
あたしの目に狂いはなかったわ!!」
「は、はい?」
「もう評価できたってことよ!
あなたは何もかもが天使のように可愛いの。だから友達になってくださいお願いしますいっぱい貢ぐからほんとお願いします。」
「そ、そんなに言われなくっても、わ、私もなりたかったし。」
「本当!?!?!?
ありがとう!!
るかコンビ!これからよろしくね!!!」
「「よろしく!」」
流歌しか話せる友達のいなかった俺は黒崎さんと友達になることが出来た。
そもそも男だったら1人だって友達はいなかったのに。
女になったらすぐにこんなに生活が変わった。
でもただ、美少女って大変。
少し忙しくて更新が出来ていませんでした。
またペースを落としながらでも更新していきたいです。
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