トカゲな俺の異世界迷宮生活
No.02 トカゲに転生
目を覚ましてすぐに気づいた。
俺、なんか硬いやつの中に居る。
その中で何度か動いてみると、結構簡単に割れた。
その隙間から外に這い出すと、辺り一面に巨大な卵がゴロゴロ転がっている。
うへぇ!?
驚きのあまり思わず叫んだが、声が出ない。代わりに口からシューッという蛇のような音が出た。
どうなってんだ、これ?
ここで思い出した。そういえば俺、トカゲに転生したんだっけ。ということは、ここにある卵全部俺の家族?
その考えに寒気を覚えて、辺りを見回す。真っ暗で見にくいが、その数は3桁はあるだろう。うわぁ、一斉に孵化したらと思うとなぁ。
まあ幸いにも動く気配はしないので、まずは自分のステータスを確認することにしたのだが―――
ここで早くも問題が発生した。
よく考えたら俺、ステータスの見方とか分かんないじゃん。というかまともに動けるかすら知らない。
ということで、軽く身体動かしてみるか。
そう思って俺が記念すべき1歩目を踏み出した瞬間。パキリ、という小さな音が聞こえた。
俺がそーっと後ろを振り返ると―――
無数に散らばる卵から、一匹、また一匹と俺の兄弟達(もしくは姉妹?)が這い出してくるところだった。その兄弟達は出てきてすぐに、お互いを黄色い目で見ると、共食いを始めた。
はあ!?ちょっ、嘘だろ!?
突然の出来事に俺が呆然と立ち尽くしていると、後ろからそーっと近寄ってきた兄弟が、ガブリ!と俺の背中に噛みついた。
痛ってぇ!?
背中に焼けるような痛みを感じて、俺は思わず身をよじる。するとその勢いで牙が外れたのか、噛みついてきた兄弟が吹っ飛ばされていった。
そして兄弟による共食い選手権というカオス極まる状況で、俺は1つの結論を出した。
もうこんなところ嫌だ!家出させてもらいますからね!さらばだ!
そう、家出である。
そんなわけで、兄弟から喰われて異世界から即退場という悲しい現実を回避するため、俺は4本足で駆け出すのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぜぇはぁ、疲れたぜ。
暗闇の中、あちこちから聞こえるバキボキベキという不気味な音に耐えながら走り続けた俺は、見事家出に成功していた。でもあの音トラウマになりそう。
しかしそこで新たな問題発生。
そう、食料である。
というかやっぱりトカゲも腹減るんだなぁ、とどこか他人事な感想を抱きながら、現実逃避する俺。だってせっかく命からがら家出して、すぐに餓死なんて笑えない。いや冗談じゃなくマジで。
そんなわけで頭を悩ませる俺の元に、唐突に女神様が降臨した。いや比喩的表現じゃなくガチで。
『どうやらお困りのようですね、海翔さん!』
そう、リリナさんである。
何故こんなところに?とか、どうやってここに?とかの疑問は捨て置き、俺にはまず最初に訊かなければならないことがある。
リリナさん、どこに居るんですか?と。
『あっ、やっぱり見えないんですね』
そう、灯りがないのである。
だってこの身体じゃ火とか起こせないし。いや、元の姿でも起こせたかは微妙だが。
まあそれはさておき、どうやったら灯りを確保出来るのだろう。見えないと不便極まりないし、火があれば食料問題も解決、まさに一石二鳥である。
というか今ナチュラルに会話してたけど、俺の声って聞こえてるのかな?どうやって? 
『ふっふっふっ、それはですね!テレパシー的なアレです!』
なるほど、全然分かんない。
『要するに、今私と海翔さんの間には回線が繋がってるんです。そこを通して思考で会話してるんですよ』
つまり、1種の魔法らしい。
どうもこの世界には『スキル』が存在していて、このテレパシー的なアレもその1つなのだそうだ。
と、ここで俺ひらめいた。我ながら天才である。
そのスキルの中に、『暗視』みたいなやつがあれば!
『暗視ですか?あるにはありますけど………』
あるのか!ならそれを修得すれば暗闇でも動けるだろ………って、スキルどう修得すんの?
『ええっと、この世界では主に『継承』ですね。モンスターを倒すと、相手の能力の一部をランダムに受け継げるんです。後はレベルアップですね』
それを聞いて愕然とする俺。
だって俺トカゲだよ?武器とか何も無いよ?
つまり裸でナイフ持ったヤツと1対1するぐらい危険なんじゃ………。
『だ、大丈夫です!転生者特典で、最初の3つから選べるサービスつきですから!』
結構しっかりしたアフターサービスである。というか最初の3つからってポ○モンかよと思ってしまった。でもここで1つ問題があった。
やっぱり俺、ステータスとか分かんない問題だ。
『あっ、そうですよね!それじゃあ私が読み上げますね。《鑑定》と《調合》と《逃走》です』
聞いて思った。これ、選ぶなら《鑑定》1択だと。
というわけで修得。
【《鑑定Lv1》を修得しました】
さてと、最初のスキルもゲットしたし、これからどう生き抜いていこうかな。このトカゲの身体で、異世界を―――
俺、なんか硬いやつの中に居る。
その中で何度か動いてみると、結構簡単に割れた。
その隙間から外に這い出すと、辺り一面に巨大な卵がゴロゴロ転がっている。
うへぇ!?
驚きのあまり思わず叫んだが、声が出ない。代わりに口からシューッという蛇のような音が出た。
どうなってんだ、これ?
ここで思い出した。そういえば俺、トカゲに転生したんだっけ。ということは、ここにある卵全部俺の家族?
その考えに寒気を覚えて、辺りを見回す。真っ暗で見にくいが、その数は3桁はあるだろう。うわぁ、一斉に孵化したらと思うとなぁ。
まあ幸いにも動く気配はしないので、まずは自分のステータスを確認することにしたのだが―――
ここで早くも問題が発生した。
よく考えたら俺、ステータスの見方とか分かんないじゃん。というかまともに動けるかすら知らない。
ということで、軽く身体動かしてみるか。
そう思って俺が記念すべき1歩目を踏み出した瞬間。パキリ、という小さな音が聞こえた。
俺がそーっと後ろを振り返ると―――
無数に散らばる卵から、一匹、また一匹と俺の兄弟達(もしくは姉妹?)が這い出してくるところだった。その兄弟達は出てきてすぐに、お互いを黄色い目で見ると、共食いを始めた。
はあ!?ちょっ、嘘だろ!?
突然の出来事に俺が呆然と立ち尽くしていると、後ろからそーっと近寄ってきた兄弟が、ガブリ!と俺の背中に噛みついた。
痛ってぇ!?
背中に焼けるような痛みを感じて、俺は思わず身をよじる。するとその勢いで牙が外れたのか、噛みついてきた兄弟が吹っ飛ばされていった。
そして兄弟による共食い選手権というカオス極まる状況で、俺は1つの結論を出した。
もうこんなところ嫌だ!家出させてもらいますからね!さらばだ!
そう、家出である。
そんなわけで、兄弟から喰われて異世界から即退場という悲しい現実を回避するため、俺は4本足で駆け出すのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぜぇはぁ、疲れたぜ。
暗闇の中、あちこちから聞こえるバキボキベキという不気味な音に耐えながら走り続けた俺は、見事家出に成功していた。でもあの音トラウマになりそう。
しかしそこで新たな問題発生。
そう、食料である。
というかやっぱりトカゲも腹減るんだなぁ、とどこか他人事な感想を抱きながら、現実逃避する俺。だってせっかく命からがら家出して、すぐに餓死なんて笑えない。いや冗談じゃなくマジで。
そんなわけで頭を悩ませる俺の元に、唐突に女神様が降臨した。いや比喩的表現じゃなくガチで。
『どうやらお困りのようですね、海翔さん!』
そう、リリナさんである。
何故こんなところに?とか、どうやってここに?とかの疑問は捨て置き、俺にはまず最初に訊かなければならないことがある。
リリナさん、どこに居るんですか?と。
『あっ、やっぱり見えないんですね』
そう、灯りがないのである。
だってこの身体じゃ火とか起こせないし。いや、元の姿でも起こせたかは微妙だが。
まあそれはさておき、どうやったら灯りを確保出来るのだろう。見えないと不便極まりないし、火があれば食料問題も解決、まさに一石二鳥である。
というか今ナチュラルに会話してたけど、俺の声って聞こえてるのかな?どうやって? 
『ふっふっふっ、それはですね!テレパシー的なアレです!』
なるほど、全然分かんない。
『要するに、今私と海翔さんの間には回線が繋がってるんです。そこを通して思考で会話してるんですよ』
つまり、1種の魔法らしい。
どうもこの世界には『スキル』が存在していて、このテレパシー的なアレもその1つなのだそうだ。
と、ここで俺ひらめいた。我ながら天才である。
そのスキルの中に、『暗視』みたいなやつがあれば!
『暗視ですか?あるにはありますけど………』
あるのか!ならそれを修得すれば暗闇でも動けるだろ………って、スキルどう修得すんの?
『ええっと、この世界では主に『継承』ですね。モンスターを倒すと、相手の能力の一部をランダムに受け継げるんです。後はレベルアップですね』
それを聞いて愕然とする俺。
だって俺トカゲだよ?武器とか何も無いよ?
つまり裸でナイフ持ったヤツと1対1するぐらい危険なんじゃ………。
『だ、大丈夫です!転生者特典で、最初の3つから選べるサービスつきですから!』
結構しっかりしたアフターサービスである。というか最初の3つからってポ○モンかよと思ってしまった。でもここで1つ問題があった。
やっぱり俺、ステータスとか分かんない問題だ。
『あっ、そうですよね!それじゃあ私が読み上げますね。《鑑定》と《調合》と《逃走》です』
聞いて思った。これ、選ぶなら《鑑定》1択だと。
というわけで修得。
【《鑑定Lv1》を修得しました】
さてと、最初のスキルもゲットしたし、これからどう生き抜いていこうかな。このトカゲの身体で、異世界を―――
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