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トカゲな俺の異世界迷宮生活

本城ユイト

No.01 女神様

「―――ということで、思い出して頂けましたか?」

「ええそりゃあもう完璧に」

 半ばヤケクソ気味に答えた俺を、目の前の美少女が見つめ返してくる。それはもうこの世のものとは思えないほどの、美少女。

 そんな美少女と2人きりという、童貞にとっては難易度の高いシチュエーションで、俺は素直に思った。

―――何で俺、こんなことしてるんだ?
―――そもそも、ここどこ?
―――というか、この子誰?

 なんかもう色んな疑問が頭の中を飛び交って訳分かんなくなりそうだが、1つずつ解決していこう。
今いる場所は一面真っ白な謎空間、目の前の美少女は何故か背中に翼付き、そして俺死んでなかったっけ?
うーん、よく分かんないけど、確かなことが1つ。
これ、異世界転生的なやつだ。

「えーっと、あなたは先ほど不幸にもお亡くなりになられたのですが………どうしましょう、もう一度人生やり直します?」

「もちろんです」

 キリッとキメ顔で答えてから、俺は重要なことを思い出した。そう、この女神様(?)とのフラグ立てである。昨今の転生物において、女神との繋がりはもはや必須なのだ。(個人の意見です)

「あのー、お名前訊いてもよろしいでしょうか?」

「え、ああそうですね。自己紹介が遅れました、私は女神をしています、リリナという者です」

「これはどうも、村瀬海翔むらせかいとです」

 予想通り女神様だったらしい。まあそれならば、この美少女っぷりもうなずける。金髪のゆるふわショートヘア………ゴクリ。

「ど、どうかしましたか?」

「………い、いやいや、何も!」

 危ない危ない、じっくり見てるのがバレるところだった。相手は女神様、多分天罰下ると思う。シャレにならないレベルのやつが。

 そう思って目を逸らした俺を見て、怪訝な顔をする女神様改めリリナさん。

「さてと、それじゃあ早速本題に入りましょうか。これから海翔さんには、とあるルーレットをしてもらいます」

「………ルーレット、ですか?」

 今度は俺の方が怪訝な表情になるが、リリナさんは親切に解説をしてくれる。ほんと女神様だよ、見た目も中身もさ。

「ええと、あなたは異世界へと転生するのですが、その際何に生まれ変わるかというのを決定するんです」

「なるほど。つまり『職業選択』とかそういうやつですね?」

「正確には『種族選択』ですけどね」

 ん?『種族選択』?職業じゃなくて?と俺は少し疑問に思ったものの、まあ良いかと流すことにした。だってメンドくさいから。

 そんなことを考えている間に、リリナさんがどこからかバラエティーで使うようなルーレットを持ってきた。いやホント、どこから出したのそれ。四次元ポ○ット?

「さて、始めましょうか」

 そう言ってダーツの矢を渡してくるリリナさん。よく分からないが投げろということだろう。俺がルーレットの前に立つと、自動で回り始める。なんか結構ハイテクだ。

 あと、外野のリリナさんから『パージェーロ!』というあの掛け声が聞こえてくる。
いや、これ東京フ○ンドパーク関係無いですよ?

 そんなことを取り留めなく考えながら、俺は矢を放った。その矢はルーレットへと一直線に突き進み―――

 ルーレットの中で一番小さい項目、『トカゲ』のど真ん中に命中した。

「「………え?」」

 という間抜けな声が2つ。
いや、リリナさんはさておき俺の場合は仕方ないと思う。なぜなら『トカゲ』の隣の項目を見てしまったのだから。
それは―――『勇者』と『魔王』。

「ふざっけんなよぉぉぉぉぉ!!!」

 絶叫して膝から崩れ落ちる俺。
当然だ。あそこで後1センチずれてれば、勇者か魔王に転生してウハウハ異世界ライフ確定だったのに!

 そんな絶望にうちひしがれる俺の足元に、光る魔法陣が現れる。それは徐々に回転していき、それに比例して魔法陣から光が溢れだして―――

「えっちょっ、なにこれ!?」

「い、行ってらっしゃい、村瀬海翔さん!『トカゲ』は今まで出たことない弱いけどレアな種族なんです!元気だして下さい!」

「いや慰めになってないし!」

 そんなこんなで俺、トカゲに転生するらしいです。

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