王子様か恋したのはお姫様ではありませんでした。

雪村 ましろ

壁ドン2

「壁ドンして下さい。」

唐突に、好きな子から言われた言葉。
僕は一体どうしたら…?

「で、でも…神崎さんが犠牲になる事じゃないでしょ?」

っく!犠牲だなんて、そんなこと言わないでください。
そりゃ、壁ドンされて鼻血出して貧血になり、ふらっと倒れ、打ちどころが悪くてしんだとしても…私は幸せなのよっ!

花音の愛は異常さを増していた。


「せ、先輩?大丈夫ですか…?」
「ぅ、うん…何とか。」

今、いわゆるリア充共がするはずの壁ドンという体制でいるわけだか…
「えっと…これでいいんだよね?」
めっさ気まずいですっ…!

花音はどうしてこんなに不幸なんだと思ってしまう。
だって…
「か…なの…?」

「か、奏ぇ!?」
見られた…は、恥ずかしいぃーっ!
気まずいどころではなくなってしまったから。

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