夢の中でゲームが始まったって本当でしょうか? (仮名)
参夢:入学式までと
 「6:30になりました。起床時間です。」
 いつも通りの声と共に目が覚めた。
 「おはよう」
 
  この前から気になっている人もいるだろうがこの毎朝起こしてくれているのもsand manである。
因みに俺のはイヤフォン型だ。
 「今日の健康状態をチェック致します。」
 「今朝は、筋肉に多少の疲労が溜まっているようですが、基準値以内です。その他には目立った状態異常は見受けられません。」
 おそらく、筋肉の疲労とゆうのは受験が終わってから運動不足を見かねた妹の指摘により、最近sand manを利用し筋トレをしているからだろう、、。
 多少の筋肉痛を残しつつ、今日の入学式に備え、真新しい制服に着替える。シャツに腕を通そうとしていると、妹の声が聞こえてきた。
 「兄さん、少し聞きたい事が、」
 「ってなぜ上半身裸なんですの!?、えぇ?兄さんは変態ですか?
ついに頭がおかしくなってしまわれたのですね?兄さんが捕まってしまいますわ、」
 「おい、勝手に妄想を広げるなよ、ついでに部屋に入る時はノックしろっていつも言ってるだろ?」
 妹はよくこういったハプニングを起こす、見た目はキリリとしてその容姿を裏切られないしっかりものなのだが、たまに、いや意図的にも思えるぐらいの回数の暴走を起こしている。」
 「すみません、少し取り乱してしまいましたわ、そういえば兄さんに明日の兄さんの入学式に着ていくお召し物確認していただきたいのですが。」
 そう言って見せられたのは、中学の制服であるセーラー服ではなく、着物、しかも真っ黒のヤクザの姉御と呼ばれる人が着ていそうな、
 しかもそれが似合ってしまう妹がこわい(汗)
 「おい、お前は俺の母親か、、」
流石に着物はよしてくれと伝えそんなこんなで、やっとこ支度を終えた。
 「さて、行くか、今日から高校生か」
 真新しいローファーを履き扉を開ける。まだ少し冬の残り香を感じる朝。新しく迎える生活に心機一転したいところだが、実際は俺の通う高校は中高一貫であり、敷地も、距離変わらず、徒歩5分でついてしまう。
 「おーい、冬夜!」
 朝から無駄に大きくいつものアイツの声が聞こえてきた。
 「おはよう、夏菜、」
 「なんか、さっき失礼な事考えてなかった?」
 「イ、イヤ、ソンナワケ、、」
 「ホント失礼ね!!ところで今日から高校生ね!
しかし冬夜全く新しい制服似合わないわね笑」
 先程から失礼なことを述べているこの女性は俺の幼馴染の川口 夏菜、少し明るめの肩まで伸びた髪の毛に、
身長は165cmで女性にしてはかなり高いほう、そして何と言っても高校1年生にしては考えられない巨乳なのだ、因みに妹は貧、
 「兄さん、なにやら失礼な事を考えていらっしゃいませんか?」
 「い、いらい、ほっぺを抓らないで?」
 (どうやら、妹も夏菜同様、俺の心が読めるようだ、怖い、怖すぎる、妹の背後に般若のスタ◯ドが見える(汗))
 「ん?夏菜少し髪型変えたのか?」
 一昨日会った時はもう何ミリか髪が長かったはずだ、
 「え!?相変わらず小さな変化に良く気づくわね♪」
 先程とは打って変わって、ふふーんと嬉しそうな鼻歌を聞かせる彼女に女性の代わり様は相変わらずだなと思いながら歩を進めた。
 
そんな事をしている内に到着だ、しかし近い。
玄関に近づくと大勢の真新しい制服を着た生徒たちが何かを見ているようだ、おそらくクラス発表の紙なのだろう。
 すると、先に見に言った夏菜が帰ってきた、
 
「冬夜、喜びなさい、同じクラスよ!」
 「ついでに、俺もな!」
 そう言って後ろから姿を見せたこの男は、俺の中学からの友達で、坂上 涼太、スポーツ刈りで制服の上からでも分かるような筋肉の発達の良さは柔道によるもので、硬派な顔立ちだが溢れて出る爽やかさ。そう自分には無い爽やかさ、、。そんなイケメンさんだ。
 「涼太もか!それはありがたい、クラスに知り合いが居ないのは辛いからな」
 「ちょ、私にも触れなさいよ?」
 「それで、涼太、昨日の電話の続きなんだけどさ、」
 「サイテーだわ、あんた!」
 そんなやり取りをしながら、教室まで向かっていったのだった。
 さて、中高一貫で知り合いが居ないわけないと思ったそこの読者さん、しかしこの学校はマンモス学校でありとてもじゃないが、隣のクラスの人を憶えている余裕はない。
 クラスに入ると、やはり知らない人がほとんどであった、(いや、俺が異常に友達が少ないって訳じゃないよ?うん、おそらく?、、泣)
 席に着くと、涼太が話しかけてきた、
 「冬夜、そーえばあれ遂に来週配信だな!」
 「あれ?」
 「apricot社の新アプリ、ITDだよ!」
 「あー、そーえば、来週だったな、」
 「なんだよ、反応わりーな!
そんで、今日正式にアプリの情報が解禁されるんだよ!」
 「らしいな、ニュースでも話題になってたよ、」
 「知ってたのかよ、まぁーいいや、そんで今夜の6時に
シクシク動画で発表だってよ!
だから、今晩電話しながら一緒に確認しよーぜ!」
 「了解、まぁー結局いつも、ゲーム関連は涼太に付き合わされてやってるしな、今回もそーなるとおもってたよ、」
 「まぁー、そんな事言っていつも楽しそーじゃねーか!」
 そんな話をしていると、
 「入学式始まるから、早く並べー」と先生の声が聞こえてきた。
 そして、入学式が終わり、各々が教室に帰って行くと、教室内が何やら騒がしい、
 「おいおい、見たかあのうちの中学の制服着た美少女!あんな奴居たのかよ!」
 「お前さては、モグリだな?内の中学から上がってきたやつで、小林 紗江様を知らない奴は居ないはずだ!」
 「そうだぞ、彼女はこの学校を誇る美女四天王の内の1人、そのファンクラブの会員は5000を超える」
 「そ、そんな人がなぜこの入学式に?」
 「それは、ある噂があり、彼女のお兄さんが何でも今年高校1年生になり、それを見るために来たそうなんだが、、何でも、まだ確認されてないそうだ」
 「え、お兄さん?彼女のお兄さんなら相当な美形で目立つはずじゃ?」
 「そう思い、会員達も必死にイケメンのお兄さんを探しているんだが全く見つからないそうだ、、」
 (はいそのお兄さんです、何だか勝手にさん付けされて、イケメンと想像されているが、俺は良くも悪くも普通すぎる人なのだ、
中学の頃からその噂があったが、この持ち前の影の薄さと、妹の異常な美少女姿から、全く認知されていないのだ)
 (だから、妹には入学式に来て欲しくなかったのだ、しかし、自分で言っていて悲しくなる、、泣)
 「おう、またお前の妹が話題になってるぞ、しかし大変だなー、(ニヤニヤ)笑」
 「涼太、お前全く気持ちを感じられないぞ、おい」
 「すまん、すまん!さて、これで帰るだけだが、どっか寄ってくか?」
 「とりあえず、どっかで昼飯でも食べながら今夜ついて話そう、」
 「今夜についてって?」と夏菜がいきなり横から話しかけてきた。
 「あー、今夜ITDの情報が解禁されるから、今晩電話しながら見ようって話になって、」
 「へぇー、じゃあ私もお昼についていくわ、少し興味あったし」
 (ここで、断ると後でうるさいからなー、)
 「わかったよ、じゃあ行くか、」
 「今の失礼な態度のお詫びにしっかり、お昼奢りなさいよ?」
 (しまった、夏菜が心を読めることをすっかり忘れてた、、)
 そんなこんなで、夏菜にしっかりハンバーガーを奢らされ、今夜電話をすることまで約束された冬夜であった。
 そして、時刻は18:00、ついにITDの情報が解禁されるのであった。
電話の約束を取り付けた夏菜ちゃんはと言うと、
 「久しぶりに、冬夜と電話だ!」と顔を赤らめながら、
 そして、冬夜はと言うと、
 「なに、物々言ってるだよ?帰ろーか、」
と、全く気づかない残念な主人公でした。
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