夢の中でゲームが始まったって本当でしょうか? (仮名)

踊り狂った猫

1:初夢





-----意識が戻る、目の先が眩しい、ぼーっとする頭、薄めを開けると目に光が入り込む、その光の強さにもう一度目を閉じる。。。
 そのまましばらくすると頭が少しずつ覚醒してきたみたいだ、目はまだ開ける気にならない。
 (自分は寝てしまっていたのだろうか?)頭が働いてきたためにこの状況に疑問が生じる、しかしどう考えてもベットに寝ている感じではない、地面は硬いわけではない、しかしベットほど柔らかくはない、例えるなら畳に寝ている感覚だ、
 目を少しずつあけ、朝日の様な少し柔らかい光を目に慣れさせていく、ようやく目も慣れたみたいだ、しかしやはり自分は夢を見ているみたいだ、天井は真っ白なのである。透明な様な白の様な、しかし確かにそこには天井が存在する、、。

 「そろそろ起きてください」
そんな、機械の無機質な声が不意に聞こえてきた、それに驚き、勢いよく上半身を起こした、人は寝起きはゆっくり起きた方が良い、間違いない、突然の行為に身体は付いて行かず、そのまま倒れてしまう、

 「大丈夫でしょうか?突然の声かけ失礼しました、しかしそろそろ起きていただけないとあなたの身が危ないので」

 「すまない、しかし状況がわからない、これは夢なんだよな?あまりにもはっきりとし過ぎていて、現実味がありすぎる、更に身の危険だと、一体どうゆう意味、、ん?
何だあれは!?」

 夢に返答するのも馬鹿らしいがもしかしたら答えてくれるだろうと、再び身を起こしながら、話しかけていると、この白すぎる空間に不釣り合いの色の物体を捉えた、その姿はこの場所からは20mほど離れているためよく確認はできないが、恐らく中型犬程の大きさの犬の様な生命体だ、、

 「寝起きにかかわらず、思考がとても回る方ですね、質問に答えて行きましょう、
まず1つ目、Q.これは夢か? A.これは夢であり、夢ではありません、正確にはITDのチュートリアルです。
2つ目、Q.身の危険とは、あなたが今捉えたそれに、襲われる事を危惧したためです。」

それを聞いて、少し状況が理解できた、確かに自分は今日9時から配信されたITDのβ版をプレイしていた、しかし自分宅のドアを開けた途端に、突然意識を飛ばしてしまったみたいだ、だがこれがチュートリアルとは事前に聞いていなかったはずだが、、、
(そんな事より目の前の問題を片付けなければ、さっきこいつは襲われるかも知れないと言っていたが、どうすればいい。)
 幸いにも相手に動きが無いためこちらも考える時間が作れそうだ、

 「すまない、少し質問をして良いだろうか?」

 「敬語は必要ありません、私はこのチュートリアルを担当する案内役に過ぎませんので、A.もちろんです」

 「ん、了解した、それであの個体は一体何なんだ?犬の様にも見えるが、自分の知っている日本犬とは少し雰囲気が異なるが?」

 「A.皆さんにはまず最初に相手の情報を得ることができる能力がアップロードされています、その能力をお使いになって調べてください。
その際、"ジャッジ"とコールしていただければ、相手の情報が確認できます。」

 「おぉ、まさにゲームっぽいな、それでは試してみるか、"ジャッジ"」

個体名:日本狼
 討伐難易度:G 
 詳細: 脊椎動物亜門哺乳類網ネコ目イヌ科犬属
体長103cm、体重15kg
基本的に小規模の群れで活動し、基本的に臆病であまり戦闘は好まず、縄張りから出ることは少ない、
鹿を好んで狩る、<これ以上の情報は現在のレベルでは確認できません。>

 先にいるやつを見据えジャッジ・・・・を唱えると、透明な板の様なものにこの様な内容が記載された。
犬だと思っていた個体は実は日本狼だった、名前は聞いたことがあったが実際に見るのは初めてであった、

 「なるほど、それでアイツの事をわかったのはいいんだが、一体何をすればいいんだ?」

 「A.このチュートリアルでは、先にある戦闘を事前に行っていただきます、つまりここで戦って相手を戦闘不能にして貰います。」

 「はっ、いきなりか?いや普通に考えて無理だろ、相手は小柄だが狼だぞ、素手の高校生にそんな事が出来るわけがない!どうやって戦えばいいんだよ!!」

 柄にもなく大声を上げてしまった、すると先程までは全く動きのなかった狼がビクッとし、突然こちらへ向かってきたのだ、それも早歩きかと思った少しずつスピードを上げついには中々のスピードで走り出してきたのだ、

 「お、おい待て、待てよ、おい!」

 人は自分の身に本当の恐怖が降りかかると全く身体が動かなくなるみたいだ。
 相手は小さいとはいえ狼、走ってくるその様はまさに獣、ハッハッと聞こえる息遣い、その長い口から見える鋭利な歯物、地面を蹴るたびにガリッと聞こえてくる鋭い爪そらの全てが人とは違う相手を殺す為に備わっている武器である。
 声を上げることしかできない、逃げようと足を動かそうにも満員電車に乗った時の様に筋肉は動かせても全く動かす事が出来ない、そうしている間にも狼の息と地面を蹴る音は大きくなるばかり。。。

 「Q.どうやって戦えばいいのか?A.チュートリアル中にはプレイヤーが精密に想像できるものを物質化する事が可能です、それを用い戦っていただきます。」

さっきの言動も質問にされていたみたいだ、案内人さんはとても優秀なみたいだ、つまり自分が使ってたりするものは何でも出せるって事だよな、、、じゃあとりあえず、殴れるものと想像すると自分が想像した通りのただの木製の木刀らしきものが出現した、
それを手に持ち狼を迎え討とうする、、が

 「ワ"ァオーーーーーン」

 既に目の前には狼が飛び上がってきていた、どうする事も出来ず右腕を目の前に出した、

「ぅわーーーーー」

 そんな悲鳴に近い声を上げる事しか出来ない、易々と出した右手を狼に噛み付かれ、そのまま狼を押し倒す様に右側に倒れこむ、

 「キュゥーン」

 倒れこむ事しか出来なかったが、それが功を奏し、どうやら右肘が狼の胸部に入ったため、情けない声を上げながら狼はその獰猛な牙を離し自分から距離をとった、、

「っ、ハァ、ハァ、うっ、」

息が荒い、言葉が出ない、5cmはあるだろうその牙に噛み付かれた自分の腕は酷く熱く熱く、腕が燃えるとはこうゆう事なのだろう、そんな錯覚を帯びるほど痛く頭がおかしくなりそうだ、

(なんなんだよ、これは夢じゃないのか、ゲームだろ、夢なら覚めてくれ)





1話の内容を少し変えました!
今後につながる内容ですので、先も読んでいただけると幸いです!

こうなった過程を次の話以降書いていこうと思います!



 

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