異世界転移は分解で作成チート

神無木雷兎

第189話 地獄フロア。

第189話 地獄フロア。


 ボス亀を倒し終えた俺たち四人は、さらに下層へと続く階段を降り、新たな階層へと到着した。
 新たな階層は、今までのとは完全に違う、異様な光景が広がった。

 一言で表すなら地獄。だが、恐ろしさや気持ち悪いというものではなく、ある種の美しさがあるような地獄の光景だった。

「……なんか少し変な感じですね。地獄というのは何となくわかります。それについて納得もできるんですが、何故か全く怖く感じないと言いますか……。」
「うむ……この溢れるようなこの美しさも逆に不気味なのじゃ……。」

 ハク達も俺と同じ感想みたいだ。
 あ、ユウは『わぁ! 面白いところ!!』とのことだ。・・・うん、なんというか無邪気だな。

「この階層のテーマは見てわかる通り〝地獄〟だな。ってことは出る魔物も地獄に関連するやつなのか?」

 俺がそんなことを言っていると、早速お出迎えが来た。

「グルルルゥッ!!」

 現れたのは黒い体毛に赤い模様が入った、人と同じサイズの狼型の魔物だった。名前はヘルハウンドと言うらしい。
 ある程度調べたところでヘルハウンドが俺に噛み付こうとこちらに襲ってきた。

「グアァァッ!!」

 とりあえず俺は避けると同時にすれ違いざま、剣で斬りつける。

「ギャンッ!!」

 斬られたヘルハウンドはやや弱々しく立ち上がり、血を垂れ流しながらもこちらを睨みつけてきた。

「っと、完全には倒せなかったか。……ふむ、切りつけた感じ、かなり頑丈みてぇだな。・・・少し力を解放した方がいいかもな。」

 ヘルハウンドは未だにこちらを睨みつけたまま、息を吸い込み、一際大きな声で咆哮をした。

「ウオォォォォンンッ!!」

 そして、咆哮を上げた直後。ハクがやや焦った声で付近の魔物がよってきたと伝えてきた。

「ってこたァ今の咆哮は仲間呼びか? ……さらに呼ばれちゃたまったもんじゃねぇし、早めに倒しとくか。そうりゃっ!! っと。」
「グ、グリュゥゥゥ……。」

 そして俺のトドメにより、ヘルハウンドは完全に倒れた。・・・うん、とりあえず力の制限はこれくらいで良さそうだな。よし。

「「「「グルルァァッ!!」」」」

 っと、さっきの咆哮で新しく魔物がよってきたみたいだ。・・・どうやら一匹二匹とかじゃなくて結構大勢の魔物みてぇだな。
 まぁ狼ってだいたい群れで行動するみたいだしな。・・・多分この階層では主に団体戦になるな。

「ユウ、今回は沢山暴れてくれて構わん。」
「えっ!? 本当っ!!? あ、なら今回の武器は双剣で手数型にしようかなっ!!」

 ユウはそう言うと、二つの剣を取り出した。

「じゃあ俺は二刀流で行こうかねぇ。」

 俺は太刀と小刀を鞘に入れた状態で出して腰にかけた。
 ・・・そういや抜刀剣ってあまり戦闘でやったこと無かったな。……面白そうだし、少しやってみようか。

「それじゃあ相手方さんも準備は出来てるみたいだしな。・・・やるぞ。」

 俺は軽く合図を出すと共に、真っ先に敵陣に潜り、抜刀と同時に周囲を切り刻む。・・・結構一掃できたわ。
 よし、この調子で進んでいくか。

◇◆◇◆◇

 〜数分後〜

「グゥゥゥ……。」
「ふぅ、これで最後だな。あ、みんなお疲れさん。」

 俺が倒し終わると同時に、ハク達が寄ってきた。・・・みんなの顔つきを見た感じ、みんなもかなりすっきりしたみたいだ。

「ゼロもお疲れ様っ!! あ〜あ、でも惜しかったな〜。あともうちょっと狩れたらゼロに勝てたのにな〜。」
「いや、別に競ってたわけじゃないし……。ってか俺の場合は抜刀する時にややフライング気味になってたし、しゃーないだろ。」

 ってか逆にフライングした俺についてきてたユウの方が異常だろ。倒した魔物量的にはユウと3匹しか変わらなかったし。・・・いや、まじで異常じゃない?

「ま、競う場合はまた後でやろう。そん時は本気出してやるから。」
「う〜ん。……そうだねっ!! 絶対後でやろうねっ!!」

 さて、そんな風に雑談しながらも進んでいく(戦闘中も若干進みながら戦っていた)俺ら御一行は、次なる階層目指してさらに深層へと向かうのであった。



・雑談
 少し前にボカロの新曲を投稿しました。・・・名前は教えませんので頑張って探してみてください。どうもテトです。

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