異世界転移は分解で作成チート
第151話 ゼロの主人公補正。
一一人々が寝静まる真夜中。
ゼロがベッドの上で身動ぎをし、目を覚ました。
「……ん。・・・あれ、今何時だ?」
ゼロは窓の外をみると、まだあたりは暗く、日が昇る前のようだった。ゼロはちらりと時計を確認する。
「二時半少し過ぎくらいか。……たしか、丑四つ時って言うんだっけか。」
「にゃうん。」
ゼロの言葉に反応するようにティアが鳴く。
「っと、起こしちゃったか。ごめんな。」
「んんぅ……。」「……うぅん。」
ゼロは左右から聞こえる声にハッとして口を抑える。
「……あっちに行こうか。」
ゼロは呟くように小声でティアにそういった。
「にゃうん。」
ゼロを真似してティアもハク達を起こさないよう、小さく返事をした。
二人(一人と一匹)は物音を立てぬよう、そろり…そろり…と、部屋を抜け出す。
◇◆◇◆◇
カチャン。
音を立てないように優しく扉を閉めて二人はほっと息を撫で下ろす。
「おはようございます、旦那様。」
小声ではあったが、急に話しかけられたことで少しビクッとしたゼロ。しかし、ゼロは瞬時に声の主を理解してすぐさま落ち着きを取り戻す。
「・・・こんな時間でも起きてるのか。セバス。」
「はい。旦那様が起床時間が私にとっての業務時間でございますから。」
セバスはやや自慢するかのように嬉しそうにそう言った。
・・・なぜ嬉しそうに言ったし。
「……まぁいい。なんか目ェ覚めちゃったし、適当にプラプラと散歩してくるわ。」
「畏まりました。夜も遅いので、夜道にはくれぐれもお気をつけください。」
「ん。」
「にゃぁー。」
お、ティアも来るのか。ふむ、たまにはそういうのもいいかもな!
・・・いや、そもそも夜中に外に出ること自体が大してないからたまにも何も無いけど。
まぁこういうのは気分だろ。細かいこたァどうでもいいさ。
「にゃん。」
ティアもこう言ってることだし、別にいいだろう。・・・いや、ただ鳴いただけなんだけどな。
◇◆◇◆◇
〜夜の散歩道〜
生き物は皆寝静まるような真夜中。
こんな時間帯にはもう誰も外を出歩かないだろうな。と、思ってはいたんだが……こんな真夜中でも起きている人は意外と沢山いた。
一一宴会のような騒ぎの食堂。呼び込みをする居酒屋の店員。顔が赤くなり千鳥足になっている酔っぱらい。巡回中の衛兵。
「ああ、そうか。この時間でも……いや、この時間だからこそ開いてるお店とかもあるわけか。」
「にゃうん。」
ティアも肯定するように頭を上下に揺らす。
・・・ちなみに今ティアは俺の肩に乗っている。・・・いつも通りだね!
「あ、そこのおにぃーさーん! 良かったら一杯どうですかぁ?」
おっと、どうやら俺も呼び込みをされたようだ。・・・ふむ。そうだな、折角だし行ってみるか。
「よし、折角だし一杯飲んでいくか。店は……その後ろのか?」
「はぁーい。ご明察ー。
店長ー! 一名様ご案内でーす!」
呼び込みの人は流れるように店内へと案内し、カウンターにいる大柄な男にそう告げた。
店長と呼ばれたその大柄な男は顔をニカッとさせ『おうっ!』と、元気よく言った。
店内には酒の匂いが充満し、匂いだけでも酔いそうになるほどで、そこらじゅうの人が酒を呑み明かしていた。
そのまま店内全体に視線を回すと、ガタイのいいデカい男から背の小さめの、それも中学生くらいの女の子まで沢山の人がおり、皆共通として何かを飲んだり、食べたりしていた。
俺は店員にカウンター席に案内され、目の前で大柄な人、店主と呼ばれていた人が料理を作っていた。
カウンター席に置かれているメニューを見てとりあえず食うものを決める。
少したって決まり、どうやって頼もうかと悩んだところ、店員がこちらに向かってきた。
「ご注文は。」
なぜ注文が決まったことをわかったか少し気になるが、とりあえず決まった注文をする。
「リゴンのジュースとビグラビの唐揚げを。注文は以上「にゃぁ。」・・・ミルクを追加で」
ちなみに、リゴンはリンゴのことでビグラビはビッグラビット、つまりウサギの事だ。
「畏まりました!」
店員はそう言うと厨房の方へかけて行った。
「どんな味なんだろうねー。楽しみだねーティ「んだとゴルァァ!?」」
……俺がティアの肉球を触って遊ぼうとしたら突然ガタンッという物が倒れたような音と大きな怒鳴り声がした。
・雑談
最近学園系以外を書いてなかったから久しぶりに書きたくなったんで書きました!
え? ゼロの主人公補正は何か? そんなの巻き込まれ体質に決まってるじゃないですかー(´º∀º`) どうもテトです。
ワオ!よく見つけたね!君だけの秘密の場所に辿り着けたご褒美に、いいことを教えちゃおう!
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コメント
ヒカッチ
激しく同意(笑)
新!おバカな死神
続きが気になります!更新楽しみにしてます!