主徒リングの契約

雪村 ましろ

和兎?

「か…ずと?」
一葉の口からこぼれた名前は和兎。
3年前、一葉を庇って命を失くした…はず。

一葉の目は大きく開いている。

そんなわけ…和兎なわけがないのに…
しかし、目に映る人影は確かに和兎だった。

私、幻覚でも見てるのかな…?
でなきゃ説明がつかない。

「説明はつくよ。」
人影はまるで一葉の心をよんだかのように言葉を放つ。

声も…和兎だ…

「ぁ…あなたは誰…?」
思い切って聞いてみた。

こたえはやはり…
「あれ…もしかして忘れちゃった?それとも僕が分からない?」
「和兎だよ。」

嘘…
そんなわけが…
「嘘じゃないよー?」

ぇ…心をよまれてる…?
「よんでるというより、以心伝心だねー」

どういうこと?
和兎じゃないの?
そんなこと出来るわけないじゃん…?

「んもー、何で実の弟を信じられないの?」
不貞腐れたように頬を膨らませる和兎。
しかし、次の瞬間には、にこっと笑って話を続ける。

「このリングを付けるとわかるよ。」

リング…?
というか、指輪みたいなの…何あれ?

「指輪だよー?」
「もぉ、心読まないでよ!」
とっさに怒ってしまった。

だって和兎ばっかり事情とか、指輪のこととか、心読めるとか、色々知っててずるいじゃん。

「ごめんごめん…分かろうとしなくても、分かるから仕方ないんだよ…」
何それ…?

「とにかく、コレつけて!」
私は、意味の分からないまま謎のリングを指に通した。

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コメント

  • ゆき

    楽しみにしてます!

    1
  • 雪村  ましろ

    沢山のコメント、ありがとうございます!
    そう言って下さると私もやる気が出ます!
    これからもっと個性の強いメンバー達が出てくるので
    楽しみにしていて下さいね(❁´ω`❁)

    2
  • ゆき

    おーーー気になります!私、気になります!

    1
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