主徒リングの契約

雪村 ましろ

一葉の気持ち2

今日は別々に帰るか。

私がいつまでもとろとろしてるから、和兎も目を離せないんだ。
私がちゃんとしてたら今頃和兎は、可愛い彼女と一緒にいるんだろうな、と考えてしまう。

一葉は重い鞄をよいしょっと持ちながら、軽いあしどりで教室をあとにした。

「一葉、遅れてごめんっ!」
和兎が、教室に走り込んだ頃には一葉はもういなかった。

まずい…!
まずいまずいまずいまずい!
一葉が危ない!

告白を目にした後、一葉は教室に向かったが、和兎はその後もしばらく話をしていた。

「和兎先輩…他に大事な人がいるって言いましたよね?」
「え、あ、うん、そうだけど?どうかした?」
女の子は何故か笑っていた。

「和兎先輩の大事な人って…一葉先輩ですよね?」
不気味な声で問う彼女。

「あっはは…バレたか、別に恋愛対象として見てるわけじゃないけど、一葉はドジだから…僕がいないとね」
「それに…僕は一葉が好きだから。」

「そぉ…」
「だから、ごめ…」
「じぁ!一葉先輩がいなくなれば、好きな人が私になりますよね?」
さらに深まる不安が押し寄せてくる

「何言って…」

「殺しましょ?一葉先輩を…」

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