神も愛した無敵の悪役令嬢

赤い羊

リリアの秘密


リオは、リリアの前をスタスタと歩いて、もう門をくぐって集落の中へと入ってしまっていた。

リリアも覚悟を決め、門をくぐり抜けようと歩き出す。

しかし、リリアが門をくぐり抜けようとした瞬間、バチバチっ という凄まじい音とともに、リリアの体に電気のような痛みがはしる。

「……っあ… ︎」

あまりの激痛に、リリアは意識を手放しそうになる。

その直前に見えた、リオの顔は驚きに満ちていた。
リオが何か言っていた気がしたが、リリアにはもう聞こえなかった。

リリアは暗闇の中へと、自らの意識を手放した。




リリアは深い、暗闇の世界にいた。

「……ア、……リ…ア!」

遠くからはリリアを呼ぶ声がする。

行かなければ、そう思う。しかし、ここから出る方法がわからない。

どうしたものか…とリリアは頭を抱えた。

とりあえず歩き回っていると、一部分だけ光が射している場所があった。


そこに駆け足気味でたどり着くと、まるでリリアを包むかのように、光が広がる。

リリアは突然の眩さに目を閉じた。

そして、そっと目を開けた時には、先程とはまるで違う世界が広がっていた。

文字通り、違う世界があった。

周りは白の柱に囲まれ、リリアが立っている場所には、レッドカーペットが敷かれている。

その先にある王座には、ひとりの男が座っている。

その男を見ると、リリアは溜息をついて、レッドカーペットの上を進んで行く。

近づくにつれて、まず目にとまるのはその髪の毛だ。
一点の曇りもない、まるで太陽の光のような金髪、そして青空のように澄み渡る、その碧眼。

その容姿もだが、纏う空気すら、リリアには人外に感じられた。

いやいやながらも、リリアは口を開いた。

「……さっきぶりですね、神様…?」

「……ああ、そうだね。私もここまで早く君が死ぬとは思わなかった。」

その言葉にリリアは少しむっとする。

「だって、言ってなかったじゃない。あの執事がここまで仕掛けてるって」

神様は苦笑しながら答えた。

「ごめんて、まさか君があの子、リオだっけ?と仲良くなるなんて思ってなかったんだ」

その言葉にリリアは驚く。

「……神様だから未来が分かると思ってた。」

「まさか、可能性が見えるだけだよ。そうだな、例えば、未来予知ってあるでしょう?」

「……ええ?正確な未来予知は、出来ないってやつかしら。」

「その通り。理解が早くて助かるよ。」

「未来予知をしたあとは、可能性の順位が変化する。つまり、未来予知を"1つの出来事"として考えるわけだね。そんな些細なことで、未来は変わってしまうのだよ。」

「確かに。それだと、未来を見るのは難しいかもしれないわね…。」

むむむっと悩み顔のリリアに、神様は微笑む。

「理解してもらえて良かったよ。」

・・・・・・なんか子供扱いされている気がするわ。

「ははっ、まさか。1人の可愛い女性として扱っているよ。」

そう言って、リリア以外の女性なら蕩けてしまいそうな甘い笑みを浮かべた。

そう、リリア以外は。

「貴方って、たらしよね。天然かどうかは別として。」

そうバッサリと言い捨てる。
今日もリリアは通常運行である。

そんなリリアを気にした様子もなく、神様はニコニコ笑っている。

(って言うか、何気に心読まれたわ…)

まぁ神様だしな、リリアがそう思い直すと神様は突然、とんでもない提案をしてきた。

「そうだ、君に特別な力、チートだっけ?あげようかなって考えてたんだけど、どう?」

「…は?」

「だって今までみたいに、死ぬの回避する準備とか、死体のダミー用意するのとか、めんどくさくない?」

それはありがたいが……、そんなこと出来るなら、最初から  や・れ・や!

1人で百面相しているリリアを面白そうに見てから、

「そうだなーどういうのがいい?」

と悪びれもせず言った。

彼のなかで、チートを授けるのは決定らしい。

(前もこのノリで、前世の記憶授けられたのよね……。)

その時のことを思い出し、リリアはげんなりとする。

この男、神様なのに軽すぎないか? とリリアは少し心配になった。

「うーん、そうだなぁ……。私はほとんど物語とか読んでないしなー。」

神様は1人でブツブツ呟きながら、割と真剣に考えているようだった。

しばらく考えていたようだったが、突然、いいこと思いついた!とばかりに、王座から立ち上がった。

「そうだよ、私が知らないのなら君に作ってもらえばいいんだ!ってことで7個、自由にスキル作れるようにしとくね!」

神様がそう言うと、リリアの下に大きな扉が現れた。

「……え?」

「それじゃ、グットラック♡」
 
その言葉と同時に、下にある扉が開き、リリアは真っ逆さまに落ちてしまう。

「わぁぁぁっ!?」

親指を突き出し、舌を出して媚びたような顔がとてもムカつくな、そう思いながら、リリアはまた深い暗闇へと落ちていった。





読んで下さり、ありがとうございます!m(_ _)m

展開が早くてすみません!!


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