イタダキマス〜とりあえず魔王の手下になって世界作り直します!あれ?なんかループしてない?〜

駅構内の狂っぽー

Hunting!!!!

結局、昨日はあの後にご飯を食べて2階の部屋に案内されて寝た。風呂は入っていない。というのも風呂はこちらでは貴族の上位10%しか家にもっていないらしい。そして今は朝なのだが、朝起きた時には自分のお腹の上で飛ぶペリュトンと電子音がスキル〜痛覚耐性〜を習得したと告げていた。そしてしばらく事態が理解出来なかったので薄く目を開けてしばらくボケーっとしていたら、勢いよくドアが開いた。
「3.2.1.発射!!!」
秒読みと共に、ビュッっという音。定期的に与えられるお腹の上の衝撃が無くなって目を数回開けたり閉じたりする。辺りを見回すとガスマスクの人がドアの辺りにいる。そしてペリュトンが壁に矢で打ち付けられている。
ガスマスクの人はボウガンで武装している。
  この短い期間で数回の経験からでる結論。
「襲撃…なのか?」
ボウガンに矢を装填しながらガスマスクの人は人差し指を振り挑発してくる。
「やってやる、いいよ。挑発に乗ってやる」
ガスマスクの男は挑発に乗るのが至極当然の様に窓ガラスを開けて身を乗り出し手招きをする。
「外でやろうっていうのか?」
思わず呟く。ガスマスクは頷いて窓から飛び降りる。
「ここ2階なんだけど…」
窓に駆け寄るとガスマスクは頭から飛び降りたようで、前からつんのめって間抜けな格好になっている。
今が絶好のチャンスではあるが、飛び降りるのは怖い。痛覚耐性の事を思い出し、躊躇わずに飛び降りる。着地の際にかっこよくポーズを決め思わずドヤ顔になる。
目の前のガスマスクはボウガンをこちらに向けている。
スキル〜体感時間延長〜を使う。ホッと一息つくと相手のボウガンを折る。よく見ると装飾が綺麗だ。悪いことしたかな。だけど襲ってきたのがいけないんじゃないかな。しばらくガスマスクの服装を見る。リクルートスーツにガスマスク?よく見ると腕時計、じゃなかった。右腕の裾から金属棒が、隠し武器か。こういう物の事暗器って言うんだよな。金属棒をスッと引き抜きガスマスクの側面に当てる。時間の流れが緩やかだから空中でも動かないのに心底驚く。
「へぇ、面白い」
これ指とかで弾いたらどうなるんだろう。単純に気になる。ピンッと指で弾きスキルに解除する。するとマスクを側面から金属棒が剥がしていく。マスクの下の男はどこにでもいるようなモブ男だった。
「ばーか」
後ろから声と共に痛みが走る。スキルを使わないと、
「あれ?使えない?」
声は喉から血とともに流れる。
ヒュー ヒュー
穴?喉に手をやる。すると喉を貫通した金属の球体が視界に入る。血塗れになった金属球は、いいざまだ。と俺を笑っている。
後ろを恐る恐る振り返ると男が立っている。屋根の上に。
「勝てると思ってた?途中で遊んでたでしょ?狩ってるのは君じゃない、俺だ。続きをしよう。Let's Hunting!!!!」
めちゃくちゃ発音がいい。消えそうな命を感じながら俺はそう思った。

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