イタダキマス〜とりあえず魔王の手下になって世界作り直します!あれ?なんかループしてない?〜

駅構内の狂っぽー

またもやロリババア 見た目には騙されない

白いモフモフに叩かれた。中々ない経験である。いや、実際の所2人目のロリババアだった訳だが…俺はビンタを食らった。その後が問題だったのだ。
「ふん、ワタシのことを重いとか言うからなのサ」
「えっと…どなたですか?」
「ああ、えっとこの子は私の契約者コントラクターの…名前が出てこない、なんだったかな?」
モフモフから顔と片手だけを出すという独特なファッションの幼女はご立腹のようだ。
「ワタシは誇り高き《獣》の1匹、ペリュトンなのサ」
「《獣》?いやいや教会仕事しなさすぎですか?」
初老の彼は、やはりですか?とこちらを見る。
「私もそう思ったんですが、どうやら《獣》は魔石だけでも復活できるようですね。えっと、名前をお聞きしてませんでしたね。」
「金澤です。」
目の前の男はかなり体格もよくいかついと言えば、それもかなりのいかつさなのだが、こうも目を潤ませてこちらを見られていると悪い事をしたようで心が痛む。
(何かをやらかした後の報復が怖いのとは全く別の物。ただただ目の前の悲しむ人を見て罪悪感を刺激されているだけである。)
何かやらかしたか。金澤という苗字が何か死んでしまった親友の苗字だったとか、そういう何かだろうか。
「すいません、ちょっと取り乱してしまって。本当に日本の人に会うのが悲願というか、ある種のライフワークだったもので。」
彼の言葉の一つ一つが、その場凌ぎやまやかしの部類でないことはその表情から見て取れる。信用度はかなり上位で、魔王はあてにならないレベルだと考えれば丁度いい。日本人にいや、この場合は地球人か。地球人に会うのがライフワークって、相当なワーカーホリックじゃないか。
「私は赤城 涼、こちらに来てそろそろ200年経つだけの一介の老害ですよ。」
「いや、老害って自虐酷いですね、って200年?!」
おかしい、人間は最大でも150年しか生きられないんじゃないのか?いや、この世界は嫌にリアルだ。だが腹をぶち抜かれて死んでない、とかまぁ普通にある事だからな。
何はともあれ1人だけだが仲間の様な人を得られた。
「私は今から200年前にこちらに来たんです。」
改まって話す彼の長く、永く、とてもではないが常人を望んでいた彼の、逃避行とも現実逃避とも言えるようなただ彼の語る姿勢は長い間、現実に向き合って来たそのものだった。

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