悪役令嬢は魔王の小鳥

せれぶ

6話

か   わ   い   い

目を閉じて私の手に擦り寄ってくるマリアンヌが可愛い。死にそうなくらい可愛い。

手袋をしておいてよかった。この柔らかい肌に私の爪で傷なんてつけたら私が死んでしまう。…爪を切った方がいいか…?
だが多分この状態でも死ぬ。多分死ぬ。心臓がどくどくと大きく脈打つのが聞こえている。心臓の音がマリアンヌに聞こえないかハラハラしつつもマリアンヌを見つめているとマリアンヌが擦り寄るのをやめた。


「…ごめんなさい、擦り寄ってしまって」


と私の手から離れようと身を引こうするが私がマリアンヌの腰を抱いているため身動きが取れず、ぁ…と声を漏らす。


「…離れるな」

「……はい…」


無性に愛おしくなり頬を撫でていた手を体の方に伸ばしそのままマリアンヌを持ち上げ、自分の膝に乗せた。


「…?」


私の方に上半身を捻り私をきょとんと見つめるマリアンヌに我慢しきれず、包み込むように抱きしめる、が力いっぱい抱きしめるのではなくこの繊細な体が壊れないように力を制御する。あぁ、もどかしいがこれでさえも愛おしく感じる。


「…ご主人様」

「どうした?」

「…いえ、その…こういう行為は奥様とした方が…」


……その立場にお前を立たせたいのだがな。その言葉をぐっと飲み込み気にするなとだけ答え、その言葉の代わりにマリアンヌの小さな桜色の唇に自分の唇を重ねた。





「……、」


ご主人様がわたくしをじっと見つめたかと思うと、キスをされた。
優しく甘い、一瞬のキス。ご主人様の燃える赤の瞳がすぐそばにあって、吐息の音も聞こえた。

なんだか頭が働かなくなってぼぉっとしてるとご主人様が目をそらして言った。


「…お前がいるから、妻なんぞいらん」


そう言って私の額にまたキスを落とすと、愛おしそうにわたくしの髪を梳き撫でる。
その行為それにとんっと心臓の音が早くなってじわっと顔が熱を持ち始めた。


「…ごしゅじ、んさま…」

「……どうした?」


ご主人様がわたくしの髪をひと房つかんでキスを落とす。それにまた心臓が跳ね、顔もじわじわと熱くなっていく。

ご主人様を見ていられなくなって目を逸らしてしまったけどそれはとても失礼な事だと思い、勇気を出してご主人様を見ればにやにやと楽しそうに口角を上げて笑って頭を撫で始めた。
…なんだかイメージ通りというか、魔王様らしいお顔ですわね。頭を撫でられているというのは魔王様らしく(?)ないけど

それよりもなんで心臓が早くなったのかしら…まぁ大丈夫でしょう。なんとなく楽しいというか、嬉しいし…

頭を撫でられているからか少し眠たくなってきたわ。
…仕返し(?)という意味を込めてこのまま寝てしまいましょう。これで殺されても文句は言えないわね…
まぁ寝ましょうか、おやすみなさい






なんでマリアンヌちゃんが寝始めたのかはわからないけど、とりあえずオチが思いつかなかったんだと思うんだ(他人事)

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