龍の生涯
はじめての人街へ
「きゃぁぁあああ!!」
ん?……あ……
そう言えば、着替えていなかった。
ぼくはアイテムボックスからエステスにもらった服を急いで取り出した。
服は白を基調としており、耐久性は問題なさそうなできのものだった。しかし、違和感というか動き辛い感じがする。
「おい、これで話す事ができるだろ?」
騎士達は少しざわついた後、ぼくに向けて武器を構える。
まぁ、人化したとはいえ龍だから構えるのは普通かな?
そんなことを考えていると、壊れた馬車、もとい騎士達が守っていた馬車から若い女の子が出てきた。
「まっ、まって!!」
彼女がそう言うと他とは少し装飾が違う鎧を着た騎士が彼女に向かってある無いから寄らないでくださいと丁寧に言っていた。
「守って頂いてなんて言い草ですか!先程のお姿でも話しかけていたのに答えなかったのは貴方達でしょ!そして人化したあとも話を聞かず武器を構えるとは何事ですか!!」
「しかし、お嬢様、相手はドラゴンですよ!?」
「ドラゴンなら尚更敵対したら私達がやられるのは明白でしょ!敵対を煽る行動は慎みなさい!苦戦を強いられた相手をいとも簡単に倒せるのに貴方達が勝てるわけがないでしょう!!」
彼女が騎士にそこまでいって黙らせてた。
それにしてもお嬢様って言われてたけど、ぼくは種族が違うから関係ないよね。それに、お嬢様って言われているくらいだから聖女の事も何か知ってるかもしれないしね。少し聞いてみるか…
「おい、そこの人間の子よ」
「はっはい!」
「お前に少し聞きたい、聖女って知ってるか?」
「はい、聖女様がどうか…」
ん、すこし震えてる??
「あぁ、そんなに固くならなくても大丈夫だ、実は女神エステスからの託けで聖女を探せと言われたから探しているのだ。」
「聖女様をですか、それなら私達の国ミルフェルマの第三王女様です。」
話を聞くに、彼女は聖女の友達みたいで、学園でも同じクラスだそうだ。そして、今長期休暇で学園から実家のミレーユというところらしい。
「あ、申し遅れました。私はミレーユ伯爵の息女クロエ・ド・ミレーユと申します。」
「ぼくは、聖夜だ。」
「では、聖夜様とおよびしても…」
「呼び方はなんでもいい」
彼女は聖夜様聖夜様と連呼しながら少し頬を染めていた。
「そういや、クロエは馬車壊れてるけどどうすんだ?」
「はっはい!えーっと…歩いてつぎの街まで行き馬車を買うか借りるかする事になると思います。」
聖女に会うのは一年越さなければいいって感じのニアンスだったし、クロエの長期休暇が終わる頃に一緒について行けば会えそうだから、そうしようかな…
「クロエ、付いて行っていいか?聖女に会うのを急いでいるわけでもないしな、人々を見て回るのも面白そうだ」
「はい、大丈夫だと思いますが…聖夜様も歩かねばならないことになりますよ?」
「クロエを乗せて飛んで行くのもありだと思うが、それだと騎士達が危ないかもしれないな…ぼくはそこまで疲れないと思うし大丈夫だけど、クロエは大丈夫なのか?なんだったら背に乗せて歩くが?」
クロエは大丈夫だと言い張り歩くことになった。
いざという時は背負って歩こう、2.3人なら背負えるとは思うが、騎士達には頑張ってもらい乗せるとしてもクロエとメイドの1人かな。
そんなことを考えていたら準備が整ったのか騎士達でぼくとクロエ、メイドを囲み歩き始めた。
ーーー1時間後ーーー
「つかれ…ました…はぁはぁ…少し休憩しても…いい…ですか…」
クロエは息が上がり足を抑えフラフラしながら歩き始めてから少しして座り込んでしまった。
そんな彼女を無視はできずに皆止まって休憩を始める。
メイドも額に汗はかいているが疲れを感じさせないように凛とクロエのそばに立ちバッグのなかから水筒を出して水を注ぎクロエへと渡していた。
それから30分休憩してまた歩き始めた。
ーーー2時間後ーーー
「もぅ…ダメです……ゴホッ…ゴホッ…」
歩いただけだというのに髪は汗で濡れ、服は身体に張り付くようになっている…人間ってこんなにか弱いのか…
それとも女性だからか?
でもメイドの人はまだ額の汗だけだしな…クロエがか弱いだけかな…
「クロエよ、この調子で行くと時間がかかりすぎるから背に乗せるぞ」
「いえ……大丈夫…れす……」
大丈夫に聞こえないから……
「そうですよ。クロエ様、大人しく乗せてもらってください。予定では夕刻には着く予定でしたが、今のままでは明日となり野営しなくてはならなくなります。」
「メイドよ、お前も乗れ、ずっと額に汗をかいているだろう。疲れているのは見え見えだ。」
メイドは最初否定していたが、説得するうちに諦めたのか納得して乗る事になった。
騎士のうち何人かが羨ましそうにしていたが頑張って歩いてもらおう。
"人化解除"
龍の姿に戻り座って2人を乗せて歩き始めた。
騎士達の歩くペースに合わせたが、さっきまでとは違い速いペースで歩いている。
2人が乗っている背中は一応風が当たらないように聖魔法の結界の合成魔法で張り癒しの効果もつけておいた。
これで酔うことも無いと思うし、上空から敵が来ても安全だと思う。
夕刻には遅れた分街にはついていないが街の見える範囲には来たため日が落ちきるときには着きそうだ。
もうすぐ街だという頃武装した集団が街の方からこっちに来た。
「そこの者達止まれ!お前達は何者だ!」
「私達はミレーユ伯爵の第5騎士団、ミレーユ伯爵令嬢を護送中、襲撃にあい馬車が壊れたため歩いてここに参った!」
「嘘をつくな!ドラゴンを従えているのに襲撃に会うわけがないだろう!」
雰囲気やばいから人化しとくか…
『クロエとメイドよ。人化するから降りてくれ…』
2人は大人しく降りてくれた。
"人化"
「そのドラゴンはなんだ!!……あれ?ドラゴンはどこ行った…」
「これがミレーユ伯爵騎士の印、これで信じてもらえるか?身分証も見せよう。」
「あ、あぁ、たしかに印と身分証だな。しかし、そこの銀髪の男は身分証などがないため信じられん。」
「彼は私達を助けてくれたお方です。安全は伯爵家が保証しましょう。クロエ・ド・ミレーユの名において誓いましょう。」
武装集団は納得していないような顔をしていたが伯爵家の名前と、クロエが名前をかけて誓ったためなんとかなったようだ。
街に入るには身分証が無かったが、銀貨2枚を払うことで入れるらしく、クロエが払ってくれた。
また、宿代も払ってもらえたので今日はなんとかなったようだ。
街に入るための身分証は国かギルドと呼ばれる商業組織と冒険者が集まる組織の二つのどれかで発行可能で、国からの身分証は住民票と言われてその街に住み続けているものにしか発行されないらしい。
なので、ぼくは明日の冒険者ギルドに登録する事に決めた。登録時に発生するお金は…クロエに頼み込んだらOKをもらえたので大丈夫そう…クロエ様々ですわ…
ん?……あ……
そう言えば、着替えていなかった。
ぼくはアイテムボックスからエステスにもらった服を急いで取り出した。
服は白を基調としており、耐久性は問題なさそうなできのものだった。しかし、違和感というか動き辛い感じがする。
「おい、これで話す事ができるだろ?」
騎士達は少しざわついた後、ぼくに向けて武器を構える。
まぁ、人化したとはいえ龍だから構えるのは普通かな?
そんなことを考えていると、壊れた馬車、もとい騎士達が守っていた馬車から若い女の子が出てきた。
「まっ、まって!!」
彼女がそう言うと他とは少し装飾が違う鎧を着た騎士が彼女に向かってある無いから寄らないでくださいと丁寧に言っていた。
「守って頂いてなんて言い草ですか!先程のお姿でも話しかけていたのに答えなかったのは貴方達でしょ!そして人化したあとも話を聞かず武器を構えるとは何事ですか!!」
「しかし、お嬢様、相手はドラゴンですよ!?」
「ドラゴンなら尚更敵対したら私達がやられるのは明白でしょ!敵対を煽る行動は慎みなさい!苦戦を強いられた相手をいとも簡単に倒せるのに貴方達が勝てるわけがないでしょう!!」
彼女が騎士にそこまでいって黙らせてた。
それにしてもお嬢様って言われてたけど、ぼくは種族が違うから関係ないよね。それに、お嬢様って言われているくらいだから聖女の事も何か知ってるかもしれないしね。少し聞いてみるか…
「おい、そこの人間の子よ」
「はっはい!」
「お前に少し聞きたい、聖女って知ってるか?」
「はい、聖女様がどうか…」
ん、すこし震えてる??
「あぁ、そんなに固くならなくても大丈夫だ、実は女神エステスからの託けで聖女を探せと言われたから探しているのだ。」
「聖女様をですか、それなら私達の国ミルフェルマの第三王女様です。」
話を聞くに、彼女は聖女の友達みたいで、学園でも同じクラスだそうだ。そして、今長期休暇で学園から実家のミレーユというところらしい。
「あ、申し遅れました。私はミレーユ伯爵の息女クロエ・ド・ミレーユと申します。」
「ぼくは、聖夜だ。」
「では、聖夜様とおよびしても…」
「呼び方はなんでもいい」
彼女は聖夜様聖夜様と連呼しながら少し頬を染めていた。
「そういや、クロエは馬車壊れてるけどどうすんだ?」
「はっはい!えーっと…歩いてつぎの街まで行き馬車を買うか借りるかする事になると思います。」
聖女に会うのは一年越さなければいいって感じのニアンスだったし、クロエの長期休暇が終わる頃に一緒について行けば会えそうだから、そうしようかな…
「クロエ、付いて行っていいか?聖女に会うのを急いでいるわけでもないしな、人々を見て回るのも面白そうだ」
「はい、大丈夫だと思いますが…聖夜様も歩かねばならないことになりますよ?」
「クロエを乗せて飛んで行くのもありだと思うが、それだと騎士達が危ないかもしれないな…ぼくはそこまで疲れないと思うし大丈夫だけど、クロエは大丈夫なのか?なんだったら背に乗せて歩くが?」
クロエは大丈夫だと言い張り歩くことになった。
いざという時は背負って歩こう、2.3人なら背負えるとは思うが、騎士達には頑張ってもらい乗せるとしてもクロエとメイドの1人かな。
そんなことを考えていたら準備が整ったのか騎士達でぼくとクロエ、メイドを囲み歩き始めた。
ーーー1時間後ーーー
「つかれ…ました…はぁはぁ…少し休憩しても…いい…ですか…」
クロエは息が上がり足を抑えフラフラしながら歩き始めてから少しして座り込んでしまった。
そんな彼女を無視はできずに皆止まって休憩を始める。
メイドも額に汗はかいているが疲れを感じさせないように凛とクロエのそばに立ちバッグのなかから水筒を出して水を注ぎクロエへと渡していた。
それから30分休憩してまた歩き始めた。
ーーー2時間後ーーー
「もぅ…ダメです……ゴホッ…ゴホッ…」
歩いただけだというのに髪は汗で濡れ、服は身体に張り付くようになっている…人間ってこんなにか弱いのか…
それとも女性だからか?
でもメイドの人はまだ額の汗だけだしな…クロエがか弱いだけかな…
「クロエよ、この調子で行くと時間がかかりすぎるから背に乗せるぞ」
「いえ……大丈夫…れす……」
大丈夫に聞こえないから……
「そうですよ。クロエ様、大人しく乗せてもらってください。予定では夕刻には着く予定でしたが、今のままでは明日となり野営しなくてはならなくなります。」
「メイドよ、お前も乗れ、ずっと額に汗をかいているだろう。疲れているのは見え見えだ。」
メイドは最初否定していたが、説得するうちに諦めたのか納得して乗る事になった。
騎士のうち何人かが羨ましそうにしていたが頑張って歩いてもらおう。
"人化解除"
龍の姿に戻り座って2人を乗せて歩き始めた。
騎士達の歩くペースに合わせたが、さっきまでとは違い速いペースで歩いている。
2人が乗っている背中は一応風が当たらないように聖魔法の結界の合成魔法で張り癒しの効果もつけておいた。
これで酔うことも無いと思うし、上空から敵が来ても安全だと思う。
夕刻には遅れた分街にはついていないが街の見える範囲には来たため日が落ちきるときには着きそうだ。
もうすぐ街だという頃武装した集団が街の方からこっちに来た。
「そこの者達止まれ!お前達は何者だ!」
「私達はミレーユ伯爵の第5騎士団、ミレーユ伯爵令嬢を護送中、襲撃にあい馬車が壊れたため歩いてここに参った!」
「嘘をつくな!ドラゴンを従えているのに襲撃に会うわけがないだろう!」
雰囲気やばいから人化しとくか…
『クロエとメイドよ。人化するから降りてくれ…』
2人は大人しく降りてくれた。
"人化"
「そのドラゴンはなんだ!!……あれ?ドラゴンはどこ行った…」
「これがミレーユ伯爵騎士の印、これで信じてもらえるか?身分証も見せよう。」
「あ、あぁ、たしかに印と身分証だな。しかし、そこの銀髪の男は身分証などがないため信じられん。」
「彼は私達を助けてくれたお方です。安全は伯爵家が保証しましょう。クロエ・ド・ミレーユの名において誓いましょう。」
武装集団は納得していないような顔をしていたが伯爵家の名前と、クロエが名前をかけて誓ったためなんとかなったようだ。
街に入るには身分証が無かったが、銀貨2枚を払うことで入れるらしく、クロエが払ってくれた。
また、宿代も払ってもらえたので今日はなんとかなったようだ。
街に入るための身分証は国かギルドと呼ばれる商業組織と冒険者が集まる組織の二つのどれかで発行可能で、国からの身分証は住民票と言われてその街に住み続けているものにしか発行されないらしい。
なので、ぼくは明日の冒険者ギルドに登録する事に決めた。登録時に発生するお金は…クロエに頼み込んだらOKをもらえたので大丈夫そう…クロエ様々ですわ…
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