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鮫島くんのおっぱい 外伝 山石歩美の業務日記

とびらの

7月20日 

この間の、変な格好のひとがやってきた。どうやらおまんじゅうを気に入ったらしい。五個入りの箱を手にとってから、一度置いて、また遠くの連れを呼ぶ。 
 「団長、団長も食べますか?」
って。
 私からは見えなかったけど、頷いたらしい。五個入りのパックにプラスひとつ小買いをして帰っていった。 
それにしても暑くないのかなぁ。 
 連れのほうは、白い長袖カッターシャツに黒いズボン?もしかしてあれは学生服かな? 
まだお昼間で、夏休みには入ってない、平日のはずだから違うか。

 7月25日

 世間はそろそろ夏休みに入り、いつもは閑静な商店街もなんとなく活気づいている。来週から三日間行われる夏祭りの準備に駆り出された。アーケードをちょうちんで飾るんだって。こういう仕事はもっと背の高い人がやるべきだと思う。つらい。

 7月27日

 売り場の化粧品店に、不思議なコンビがやってきた。まだ少年みたいな男子と、もう少し年上くらいの男性二人、どちらも髪の色がすごい。若いほうが金魚みたいな明るい赤、お兄さんのほうが夏の空みたいに真っ青。バンドかなにかやってるのかなあ。髪色だけじゃなく化粧品屋に男二人で目立ってた。
 「すみません、日差しで肌が痛くなるのを防ぐ塗り薬のようなものってありますか?」
 青い髪の、すごい美形のお兄さんが聞いてきた。なんか不思議な質問だなと思いながら、日焼け止めクリームを案内する。ついでに焼けあとを鎮静化するローションを紹介すると、すごく嬉しそうにしていた。するとなぜか、赤い髪の少年が私の頭をいきなりナデナデしてきた。「おまえ、いいやつだな」といわれた。それを見た青い髪のお兄さんが「やめなさい、みっともない!」と激怒していた。よくわからない……。

 8月1日

 靴屋でレジ打ちをしていると、緑色の髪の男が来た。物腰やわらかく、すごく普通にデザインを選びサイズを出してフィッティングして、ありがとうまた来るよって言って帰った。
なんか最近、派手な色の髪の人をよく見る気がする。この商店街だけじゃなく、駅周りでも赤や青の髪色を見たような。

 8月3日

 今日、すごくびっくりすることがあった。
 明後日から始まる夏祭りの飾りつけで、文房具屋の店頭で作業していた時、脚立が壊れてしまった。私が重かったからとかではなく。誰か長身の男性スタッフに頼めないかなとキョロキョロしていると、そのすぐ背後にまさに長身の男性が立っていた。ほんとに、たまたま通りがかったのだろう、なにをするでもなく立ってた。ここでまず1びっくり。すっっっごい美形!!あんな綺麗な男の人見たことが無い!
 私と同じ年くらいか?真っ黒の長そで長ズボン、腰帯を巻いた、チャイナドレスっぽいシルエットの変な服を着ていた。
ただハンサムっていうだけじゃない、呼吸を忘れる存在感にまさに呼吸できなくなってる私と壊れた脚立、手に持った提灯を見て、状況は把握したらしい。
 「それ、上のほうにつけたいのか」
ああ、声も素敵。手伝ってくれるの?カッコイイだけじゃなくとっても親切で2びっくり。コクコク頷くと、突然、ダッコされた。脇の下を両手でつかまれて、赤ちゃんみたいにひょいと、高い位置まで持ち上げられる。
……ええっ?3びっくり。混乱しながらも、とりあえず私は提灯を付けた。彼は私を下してから、固まってお礼も言えないのを見て一応、察してくれたらしい。
 「なんだ、俺につけてもらいたかったのならそう言え。そのほうが軽かった」
 4びっくり。
……かっこいいけど、素敵だけど、親切だけど…………変な人……。

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