Fire Blue(ファイヤー ブルー) 〜絶対に秘密の恋〜
2 突然の誘い
行き交う人々、綺麗な街並み、美味しい空気。
今日からこの地で、あたしの新しい生活が始まる。
この春から晴れて第一志望だった、合格したあたしは、生まれ育った故郷を離れ、憧れだった東京での生活が始まろうとしていた。
「ちょっと、絵理!そんな所でサボってないで早く片付けなって!」
「あー、ごめんごめん。」
幼馴染の藤咲 舞衣がマンションのベランダからの空を眺めていたあたしに言う。
舞衣とあたしは、大学は違うけど同じ通学路であるという理由から、家賃節約の為に、今日からルームシェアをすることになっている。
舞衣「うち、もう終わるよ」
絵理「ほんと? あんなにいっぱいあったのに?」
舞衣は、上京する時に荷物をほとんど処分してきたあたしと違って、実家にあった自分のものを全部持ってきたらしく、あたしよりも倍近いかなりの荷物の多さだった。
舞衣「だって〜あんなに荷物あったら、もたもたしてられないでしょ! あとどのくらい?終わったら手伝うよ!」
絵理「ありがと。ゴメンね!」
舞衣が手伝ってくれたおかげで、
気がついたらあっという間に終わってしまった。
絵理「ありがとう。助かったよ!」
マイペースすぎるとよく言われるあたしと違い、サバサバ系女子の舞衣は、
まるで自分のもののような扱いで段ボールから荷物を取り出していく。
いや、人のものなんだからもっと丁寧に扱いなよ!と見てて言いたくなるくらい大雑把だけど、何故だか舞衣は許せちゃう。
だって、舞衣から大雑把を取ったら何も取り柄が無くなってしまう気がするから。
舞衣は出会った時からサバサバしていたし、
優柔不断な人が大嫌いで、マイペースすぎるあたしとは気が合わない気がするのに、舞衣はいつもあたしの隣で笑っていてくれる。
そんなあたしに、文句ひとつ言ってこない舞衣のことがあたしは大好きだ。
舞衣「よし!じゃあ、引っ越し完了の打上げでもしよっか!買い出し行こ♪」
今から?終わったばっかだから休もうよ!なんて言っても、舞衣の辞書には休むなんて言葉はない。
は家でダラダラ過ごすのを嫌う舞衣は、休日の度に何処かに遊びに行く。
休むことを知らない舞衣に、凄いなとあたしはいつも思っている。
絵理「じゃあ、引っ越しの打ち上げでもやりますか!!」
舞衣「じゃあ、コンビニまで競争!負けた方が奢りね〜」
絵理「えっ、ちょっと待ってよ〜」
引っ越し先のマンションから歩いて5分もしない距離にコンビニがある。
バタバタで支度して家を出たあたしが負けたのに、結局は割り勘でお会計。
会計の時、さりげなく横から自分の分をサラッと支払う優しい舞衣。
多分、このさりげない優しさとサバサバしているのに実はアクティブという、沢山の取り柄がある舞衣がみんなから好かれている理由だと思う。
「「乾杯〜」」
リビングのテーブルが買って来た大量のお菓子やおつまみ、ジュースなどで埋め尽くされている。
今日は片付けだけで終わっちゃったから、明日からは本格的にこの新居での生活が始まる。
新しいことに期待を膨らませて、思わず顔がにやけてしまう。
舞衣「ねぇ絵理、合コン行かない?」
突然舞衣の口から出た予想外の言葉に、
思わず飲んでいたジュースを吹き出しそうになってしまった。
絵理「えっ、合コン?なんで急に?」
舞衣「ほら、入学前に少しでも友達ができた方が安心するでしょ!?ウチの友達が今年東京の大学生デビューの人達集めてコンパやるんだって! ウチも行くし!一緒にどう?」
絵理「友達って・・・あたしには舞衣が居るし・・・」
舞衣「そうだけど、大学は別々なんだから一緒なのは途中までだからね?」
あたしは中学生の頃から英語の先生になりたいという夢があり、英語教育が盛んな青咲大学だけど、
舞衣は大手企業への就職を考えいるためか、有名な帝京大学。
一緒に通学するのは、途中の乗換えに使う大きな駅までで、そこからは別行動。
ルームシェアするから、家に帰れば舞衣がいるし十分って考えていたけど、
舞衣の言う通り、大学は一緒じゃない。
人見知りをしてしまうあたしと違って、
舞衣は人懐こくて、自分の友達を紹介してくれたり、大勢で居る時は話に入れないあたしを気にして、振ってくれたりと舞衣は本当に必要な存在だった。
そんな舞衣と大学は別々。
よくよく考えたら、不安なのは事実だし、むしろ不安しかない!!
合コンでも、舞衣が隣に居てくれるなら安心するし、
入学前に同じ大学に入学する友達ができたら不安にならないかもしれない。
絵理「・・・わかった、いいよ。行こう、合コン」
舞衣「本当に?マジでいいの?」
絵理「うん。同じ大学に入学するって友達、作っておきたいし・・・」
舞衣「了解!!ありがとう!!」
絵理「でも、その代わり!」
舞衣「うん?」
絵理「さっき決めた家事の分担だけど、来週まであたしの分やって?」
舞衣「絶対条件出してくると思ってたよ!わかったよ。でも、途中で帰ったらやらないからね?」
絵理「はっはい、わかり・・ました・・・」
正直、合コンなんて初めてだからあんまり乗り気じゃないけど、舞衣があたしの近くにずっと居てくれるなら、安心出来そうな気がした。
あたしを裏切ることは絶対にしないから、舞衣がちゃんといつも通り、あたしにも話を振ってくれるはず。
信じよう、舞衣を。
舞衣「じゃあ、明後日の夕方5時からだから、予定空けといてね!」
既にOKの連絡をしてしまったらしく、届いたメールを見ながらあたしに言ってきた。
もう後戻りはできない。
大学生になる前に、早くも人生最大の試練が訪れた。
その日から、合コンのことで頭がいっぱいになり、全く眠ることができなくなってしまった。
今日からこの地で、あたしの新しい生活が始まる。
この春から晴れて第一志望だった、合格したあたしは、生まれ育った故郷を離れ、憧れだった東京での生活が始まろうとしていた。
「ちょっと、絵理!そんな所でサボってないで早く片付けなって!」
「あー、ごめんごめん。」
幼馴染の藤咲 舞衣がマンションのベランダからの空を眺めていたあたしに言う。
舞衣とあたしは、大学は違うけど同じ通学路であるという理由から、家賃節約の為に、今日からルームシェアをすることになっている。
舞衣「うち、もう終わるよ」
絵理「ほんと? あんなにいっぱいあったのに?」
舞衣は、上京する時に荷物をほとんど処分してきたあたしと違って、実家にあった自分のものを全部持ってきたらしく、あたしよりも倍近いかなりの荷物の多さだった。
舞衣「だって〜あんなに荷物あったら、もたもたしてられないでしょ! あとどのくらい?終わったら手伝うよ!」
絵理「ありがと。ゴメンね!」
舞衣が手伝ってくれたおかげで、
気がついたらあっという間に終わってしまった。
絵理「ありがとう。助かったよ!」
マイペースすぎるとよく言われるあたしと違い、サバサバ系女子の舞衣は、
まるで自分のもののような扱いで段ボールから荷物を取り出していく。
いや、人のものなんだからもっと丁寧に扱いなよ!と見てて言いたくなるくらい大雑把だけど、何故だか舞衣は許せちゃう。
だって、舞衣から大雑把を取ったら何も取り柄が無くなってしまう気がするから。
舞衣は出会った時からサバサバしていたし、
優柔不断な人が大嫌いで、マイペースすぎるあたしとは気が合わない気がするのに、舞衣はいつもあたしの隣で笑っていてくれる。
そんなあたしに、文句ひとつ言ってこない舞衣のことがあたしは大好きだ。
舞衣「よし!じゃあ、引っ越し完了の打上げでもしよっか!買い出し行こ♪」
今から?終わったばっかだから休もうよ!なんて言っても、舞衣の辞書には休むなんて言葉はない。
は家でダラダラ過ごすのを嫌う舞衣は、休日の度に何処かに遊びに行く。
休むことを知らない舞衣に、凄いなとあたしはいつも思っている。
絵理「じゃあ、引っ越しの打ち上げでもやりますか!!」
舞衣「じゃあ、コンビニまで競争!負けた方が奢りね〜」
絵理「えっ、ちょっと待ってよ〜」
引っ越し先のマンションから歩いて5分もしない距離にコンビニがある。
バタバタで支度して家を出たあたしが負けたのに、結局は割り勘でお会計。
会計の時、さりげなく横から自分の分をサラッと支払う優しい舞衣。
多分、このさりげない優しさとサバサバしているのに実はアクティブという、沢山の取り柄がある舞衣がみんなから好かれている理由だと思う。
「「乾杯〜」」
リビングのテーブルが買って来た大量のお菓子やおつまみ、ジュースなどで埋め尽くされている。
今日は片付けだけで終わっちゃったから、明日からは本格的にこの新居での生活が始まる。
新しいことに期待を膨らませて、思わず顔がにやけてしまう。
舞衣「ねぇ絵理、合コン行かない?」
突然舞衣の口から出た予想外の言葉に、
思わず飲んでいたジュースを吹き出しそうになってしまった。
絵理「えっ、合コン?なんで急に?」
舞衣「ほら、入学前に少しでも友達ができた方が安心するでしょ!?ウチの友達が今年東京の大学生デビューの人達集めてコンパやるんだって! ウチも行くし!一緒にどう?」
絵理「友達って・・・あたしには舞衣が居るし・・・」
舞衣「そうだけど、大学は別々なんだから一緒なのは途中までだからね?」
あたしは中学生の頃から英語の先生になりたいという夢があり、英語教育が盛んな青咲大学だけど、
舞衣は大手企業への就職を考えいるためか、有名な帝京大学。
一緒に通学するのは、途中の乗換えに使う大きな駅までで、そこからは別行動。
ルームシェアするから、家に帰れば舞衣がいるし十分って考えていたけど、
舞衣の言う通り、大学は一緒じゃない。
人見知りをしてしまうあたしと違って、
舞衣は人懐こくて、自分の友達を紹介してくれたり、大勢で居る時は話に入れないあたしを気にして、振ってくれたりと舞衣は本当に必要な存在だった。
そんな舞衣と大学は別々。
よくよく考えたら、不安なのは事実だし、むしろ不安しかない!!
合コンでも、舞衣が隣に居てくれるなら安心するし、
入学前に同じ大学に入学する友達ができたら不安にならないかもしれない。
絵理「・・・わかった、いいよ。行こう、合コン」
舞衣「本当に?マジでいいの?」
絵理「うん。同じ大学に入学するって友達、作っておきたいし・・・」
舞衣「了解!!ありがとう!!」
絵理「でも、その代わり!」
舞衣「うん?」
絵理「さっき決めた家事の分担だけど、来週まであたしの分やって?」
舞衣「絶対条件出してくると思ってたよ!わかったよ。でも、途中で帰ったらやらないからね?」
絵理「はっはい、わかり・・ました・・・」
正直、合コンなんて初めてだからあんまり乗り気じゃないけど、舞衣があたしの近くにずっと居てくれるなら、安心出来そうな気がした。
あたしを裏切ることは絶対にしないから、舞衣がちゃんといつも通り、あたしにも話を振ってくれるはず。
信じよう、舞衣を。
舞衣「じゃあ、明後日の夕方5時からだから、予定空けといてね!」
既にOKの連絡をしてしまったらしく、届いたメールを見ながらあたしに言ってきた。
もう後戻りはできない。
大学生になる前に、早くも人生最大の試練が訪れた。
その日から、合コンのことで頭がいっぱいになり、全く眠ることができなくなってしまった。
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