世界最強の傭兵は異世界でも最強のようです

YKD

第十七話

ニヤニヤと悪意ある目でこちらを見ているデブことゲレールは、屋敷にある地下に俺を連れてきた。

「さて、今回の件どう責任を取ってもらおうか」
「......」

ゲレールは俺にどう復讐しようか考えていた。そして、何かを思い付いたように手を打ち合わせた。

「そうだ、鞭千回叩いた後に熱した棒で体を焼いてやろう」

ゲレールは思い付いたことを近くにいた執事に命じ、準備させた。
俺はその間に鎖で吊るされ身動きの取れないようにされていた。ま、その気になれば簡単に壊せるが。
執事が鞭と鉄の棒を持ってきた。そして、鉄の棒を熱し始めた。

「さぁ、お前が僕に行った罪を悔いるがいい」

そして、ゲレールの復讐が始まった。



ユイ、カレン、シロサイド

シロは宿に戻って2人にユウスケの現状を伝えた。すると、

「よし、殴り込みじゃ」
「ん」
「落ち着いてください、2人ともこれはご主人様からの命令ですよ」
「しかしじゃな」
「言い訳は無しです。それに、もし今殴り込みに行ったら確実にご主人様に怒られますよ」
「ぐ、それもそうじゃな」
「ん、大人しく待つ」
「そうしてください」



ユウスケサイド

「ぐ、がはっ」
「このっこのっ」

俺は現在ゲレールに鞭で叩かれている、対して痛くは無いが痛がるふりをしている。それに気づいていないゲレールは俺が痛がっていると思い叩き続けた。

どれ位時間が経ったかは分からないがどうやら千回叩き終えたのか、次は熱した鉄の棒を俺の体に当てようとした。その時に執事がゲレールを呼んだ。

「ゲレール様」
「なんだ?」
「旦那様がお呼びです」
「父上がか?」
「はい」
「...分かった、すぐ戻る」

ゲレールはそう言うと熱した鉄の棒を元の場所に戻し地下室から出ていった。

俺は特に無しもせず寝ることにした。


ゲレールサイド

僕の名前はゲレール・フィップ・リゼンブルクだ。リゼンブルクの領主、グリル・フィップ・リゼンブルク公爵の息子だ。
公爵の息子だけあって欲しい物は何でも手に入った。金も女も何でもだ。しかし、そんな僕に歯向かった者がいた。黒髪黒目の男だ、そいつは僕を助けてくれた美しい女性達の主人だと言う。そのせいで美しい女性は僕の誘いを断った。あろうことかその男は僕の手首をへし折ったのだ!これは許されざるべきことではない!そして、リゼンブルクに戻り直ぐにあの男について調べた。
そして、分かった。名前はユウスケ、冒険者であることに。僕は奴を捕らえ復讐することにした。1つは美しい女性を僕から奪ったこと、もう1つは僕の手首をへし折ったことだ。くくく、たっぷり後悔させてやる。

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