苦役甦す莇
Re:Episode6 Evil he-law
戻っていく鏡の中の時間、その状況下でカナデとキ世はお互いの事を睨みつけあっていた。
カナデは平和の象徴である『ピースベル』を、キ世は破壊の象徴である『不可逆の力』を放ち、両者のそれは両者の目と鼻の先で拮抗していた。
「俺がアザムキソウセキの代わりに人類を導いてやる! その為の『第六天』の名だ!」
「人は......間違えながら、躓きながら、時には回り道しながら進んでいる。それでも人は前に進んで行く。間違える事で学びながら進んで行く。貴方に道案内してもらう必要は無い!
人は対話する事を覚えたのよ! それが我が主が......アザムキソウセキが命を懸けて創った世界!」
徐々にキ世は押され始めていた。そしてその顔には疲労の色が伺える。
「神を名乗っても所詮欠片。私達が駆けつけるまでに溜めていた力もその内尽きる。そうしたら本当に貴方の負け。
そうなれば貴方の膨れ上がる自尊心はズタズタに引き裂かれる事でしょう。そうなる前に降伏する事を推奨します。」
「降伏? 何言ってるんだ? 俺は今の今まで自分の事しか考えてこなかったような奴だぞ! そして! 未来永劫俺は自分を溺愛し続けるだろう!
俺は自分を愛してるからこそ虚像である事が許せなく、実像の自分の中途半端さには虫酸が走っていた!
だが今は最高に気分が良いんだ! だから1ミリも負ける気がしない!」
瞬間、今まで消えそうなほど萎んでいた『不可逆の力』による力場は、居直り強盗の気持ちの如く、いきなり大きくなり始めた。
「結局勝負ってのはノリが良い奴が勝つんだ! 今俺は逆境に立っているが、諦めなけりゃ良いんだよ!」
「へぇ......じゃあ私達の勝ちね。」
「は? 何言ってるんだ? 俺の聞いてたのかよ? 俺が諦めなけりゃ......負けを認めなきゃお前の勝ちは永遠に来ない!」
「認めさせれば良いんでしょ?」
カナデの右腕に炎が発生した。そしてその炎は刀へと形を変えた。
「これは『刻刀・不知火』今は失われた技術であるヒヒイロカネで作られた一振りの刀。
主が私に与えてくださった『命の行く末を決める刀』よ。」
カナデはその刀をキ世に突き刺した。そしてこう続けた。
「本来なら意思疎通の出来ない害悪に対して使うものだけれど、今回は殺す為に使うんじゃない。貴方の中にいる『記憶を失った方の創』の生命力を加速させる。」
「ぐっ......うぐっ......ぐがっ......」
「今の貴方は『鏡の中で産まれた方の創』が人格を乗っ取っている。それでは不公平だわ。貴方の中でよく話し合う事ね。」
キ世の中では2人の創が対面し、話し合いをしていた。
「なぁ俺。もう止めよう。俺は楓さんと奏さんと一緒にいたい。そして別に世界を支配したくない。」
「何故だ!? 支配出来るだけの力を持っているんだぞ? 俺らの力はどの世界のどんな力も及ばない! 全て破壊出来る! 全て蹂躙出来る!」
「そんなの......『他人への思いやり』を放棄してるだけだろ。
俺は2人に会ってそれを学んだ。俺が楓さんのお父さんを殺してしまったという事実を知っても、彼女たちは俺を守ってくれた。その行いは俺の中に潜む力よりも『強く気高く美しい』力だ。
許す力......受け入れる力。それこそどの世界のどんな力にも優る最強の存在だ!」
「チッ......分かったよ......好きにしろや......」
「楓さん......奏さん......俺です......創です......」
そこには、今まで下卑た笑みを浮かべていたキ世は居なく、晴れやかな笑顔を浮かべる1人の少年が立っていた。
「良かった......では、この姿も御役御免だな。」
カナデはその姿を2つに分離させ、楓と奏の姿に戻った。
「創君......ホントに良かった......」
「ほらね楓。ボク達なら出来ない事は無いんだよ。幼い頃からずっとそうだったようにね。」
「2人とも......ありがとうございます。」
創が2人に感謝の言葉を述べた途端、3人の前に『マリの銀鏡』が現れ、3人の前でフワフワと浮遊した。
「なんか......鏡に文字? みたいなのが浮かび上がってるよ? 楓と創君なんて書いてあるか読める?」
「え〜なになに? 『最初の試練は果たされた』とか書いてあるよ?」
「えっと『我が息子の欠片を集め終えた暁には息子とともに私も復活し、君たち3人に褒賞を与えると約束しよう。神の母 マリ・アギル』っても書いてありますね。」
3人は『マリの銀鏡』に近づき、そして触れてみた。すると、頭の中に音声が流れ込んできた。
「よくぞ『最初の試練』を乗り越えた。運命の子達よ。
君達が最初の試練を乗り越えている間に、世界では大きな変革が起きつつある。この世界に巨大な悪意の萌芽が芽吹きつつあり、それは大きな災禍を齎す。
その悪意の種は、きっと欠片達の力を利用して、世界を恐怖で縛り付けるだろう。
君達は一刻も早く事態の収束に務め、欠片の収集、及びアザムキソウセキ復活計画を進めるのだ。
褒賞は十分に期待して良い。君達に真の自由を与えると約束しよう。」
脳内に直接話しかけてくる声は、どこか聞き覚えのあるような声であったが、3人はどこで聞いたのか思い出せなかった。
「褒賞......? 真の自由? 別にそんなもの要らないよ。」
そう口にしたのは楓であった。奏と創は驚いた顔で、楓の方へ顔を向けた。
「え? カエデ、要らないの?」
「うん。だってさ、私は友達の為に頑張るって決めたんだよ。そこに変な褒賞とかが絡んできたら、その内私はなんの為に頑張ってるのか分からなくなっちゃう。だから、あくまで創君の為に頑張る自分でありたい。」
「そっか。そうだよね。その通りだ。なら、ボクもカエデと同じで褒賞なんて要らないよ。ボクもあくまで創君の為に頑張る自分でありたい。」
「二人とも......ありがとうございます......俺も、二人の努力を裏切らないように、頑張ります!」
3人はその場で握手を交わし、本当に心の底から、創及び創のようなアザムキのカケラのために頑張ることを誓った。
すると『マリの銀鏡』は突然光りだし、3人は眩しさのあまり目を細め、強い光から目を守る為に、腕を顔の前で交差させた。
「うわっ!」
「眩しっ!」
眩い光が消え去ると、3人はゆっくりとそれぞれの瞼を上げ始めた。
「......あれ? 学科職員室だ。」
「破壊痕が消えてる......どういう事?」
「ここの破壊痕は鏡の中の俺ではなく、鏡の中の俺が呼び出した『植物型魔獣』によるものだからじゃないですかね?」
「なるほど......あっ、じゃあ駅の破壊痕はどうなるんだろ? 私達犯人にされたりとかしないかな?」
「それはないと思うよ。多分あの時カメラとかも一緒に破壊されてるだろうから。惜しむらくは、あの時人がいたということだ。
犠牲者は......出てしまっただろう。ボクが人払いのルーンでも使っておけば良かったんだけど......」
「奏、気に病む必要は無いよ。だってあの時襲われたのはめちゃくちゃ急だったし、仕方ないことだと思う。
寧ろ、鏡の中に追いやって被害を最低限にしたと前向きに考えよう。」
3人が最初の試練を乗り越えた一方、別の場所では悪の萌芽がいよいよ芽吹きつつあった。
「レイよ......いよいよだな......」
「はい師匠。この腐りきった穏健派の現状を打開し......我々が取って代わる......」
「お前には私が教えられる全てを授けたつもりだ。とても優秀な弟子だと、誇りに思うよ。」
「ありがとうございます。」
そこには師匠と呼ばれた女と、弟子と呼ばれたレイという男が街を見下ろしていた。
「ところでレイ。ひとつ尋ねたいことがある。」
「なんでしょう?」
「お前には確か......兄がいたな。名は確か......ジョウジとかいう......」
「マスター。私はもう既に肉親への情なぞは断ち切ってます。私に迷いはありません。」
「いや、そうでは無いのだ。その覚悟はこれからの計画を遂行する上で頼もしい限りなのだが、どうにもお前の兄は不思議でな。」
「と言いますと?」
「多分......私の計画の邪魔になるかも知れない。だから、私の野望の途上に両腕を広げて差し迫って来るやもしれぬ。」
「その時は私が叩き斬ります。」
「それは良いのだが......なんと言うか......そいつが何か物凄い輩を子飼いにして来る予感が......予感と言うより寧ろ予知に近いかもしれん。兎に角トンデモ無い輩を連れて来てまで私の邪魔をするかも知れないのだ。
その時、お前は覚悟云々を抜きにして、勝ち目が無い程の絶望的状況を味わうかも知れない。
私は恐れてるのだ......もう一度手塩にかけて育ててきた大切な存在を失う事を......」
「大丈夫です......私は絶対に貴女の前から消えたりしません......マスター殊春......それに、隠し玉なら既に......用意してありますゆえ......」
最初の試練から数日後の、とある日の昼休み。楓と奏と創は一緒にお昼ご飯を食べていた。
「楓さん、それなんですか?」
「これ? これは『忍者飯』と『固形化飲料』だよ。」
「楓は他人と一風変わった弁当を持ってきてるんだ。『忍者飯』はダイエットの為に、『固形化飲料』は持ち運びがラクだからって理由でね。」
「あっ! 奏! そういうこと言わないでよ! ダイエット頑張ってるみたいで恥ずかしいじゃん!」
楓は顔を赤らめて、創に全て話してしまった奏に向かってちょっと怒った。
「あ......楓さん大丈夫ですよ! 俺全然そんなの気にしないですし......」
「私が気にするの!」
「そう言えばカエデさん。」
「ん? どしたの創君?」
「今日の放課後でしたっけ?」
「そうそう。今日の放課後に、灰吸さんに会いにいく予定。3人の予定が合うのが今日しか無かったからね。」
カナデは平和の象徴である『ピースベル』を、キ世は破壊の象徴である『不可逆の力』を放ち、両者のそれは両者の目と鼻の先で拮抗していた。
「俺がアザムキソウセキの代わりに人類を導いてやる! その為の『第六天』の名だ!」
「人は......間違えながら、躓きながら、時には回り道しながら進んでいる。それでも人は前に進んで行く。間違える事で学びながら進んで行く。貴方に道案内してもらう必要は無い!
人は対話する事を覚えたのよ! それが我が主が......アザムキソウセキが命を懸けて創った世界!」
徐々にキ世は押され始めていた。そしてその顔には疲労の色が伺える。
「神を名乗っても所詮欠片。私達が駆けつけるまでに溜めていた力もその内尽きる。そうしたら本当に貴方の負け。
そうなれば貴方の膨れ上がる自尊心はズタズタに引き裂かれる事でしょう。そうなる前に降伏する事を推奨します。」
「降伏? 何言ってるんだ? 俺は今の今まで自分の事しか考えてこなかったような奴だぞ! そして! 未来永劫俺は自分を溺愛し続けるだろう!
俺は自分を愛してるからこそ虚像である事が許せなく、実像の自分の中途半端さには虫酸が走っていた!
だが今は最高に気分が良いんだ! だから1ミリも負ける気がしない!」
瞬間、今まで消えそうなほど萎んでいた『不可逆の力』による力場は、居直り強盗の気持ちの如く、いきなり大きくなり始めた。
「結局勝負ってのはノリが良い奴が勝つんだ! 今俺は逆境に立っているが、諦めなけりゃ良いんだよ!」
「へぇ......じゃあ私達の勝ちね。」
「は? 何言ってるんだ? 俺の聞いてたのかよ? 俺が諦めなけりゃ......負けを認めなきゃお前の勝ちは永遠に来ない!」
「認めさせれば良いんでしょ?」
カナデの右腕に炎が発生した。そしてその炎は刀へと形を変えた。
「これは『刻刀・不知火』今は失われた技術であるヒヒイロカネで作られた一振りの刀。
主が私に与えてくださった『命の行く末を決める刀』よ。」
カナデはその刀をキ世に突き刺した。そしてこう続けた。
「本来なら意思疎通の出来ない害悪に対して使うものだけれど、今回は殺す為に使うんじゃない。貴方の中にいる『記憶を失った方の創』の生命力を加速させる。」
「ぐっ......うぐっ......ぐがっ......」
「今の貴方は『鏡の中で産まれた方の創』が人格を乗っ取っている。それでは不公平だわ。貴方の中でよく話し合う事ね。」
キ世の中では2人の創が対面し、話し合いをしていた。
「なぁ俺。もう止めよう。俺は楓さんと奏さんと一緒にいたい。そして別に世界を支配したくない。」
「何故だ!? 支配出来るだけの力を持っているんだぞ? 俺らの力はどの世界のどんな力も及ばない! 全て破壊出来る! 全て蹂躙出来る!」
「そんなの......『他人への思いやり』を放棄してるだけだろ。
俺は2人に会ってそれを学んだ。俺が楓さんのお父さんを殺してしまったという事実を知っても、彼女たちは俺を守ってくれた。その行いは俺の中に潜む力よりも『強く気高く美しい』力だ。
許す力......受け入れる力。それこそどの世界のどんな力にも優る最強の存在だ!」
「チッ......分かったよ......好きにしろや......」
「楓さん......奏さん......俺です......創です......」
そこには、今まで下卑た笑みを浮かべていたキ世は居なく、晴れやかな笑顔を浮かべる1人の少年が立っていた。
「良かった......では、この姿も御役御免だな。」
カナデはその姿を2つに分離させ、楓と奏の姿に戻った。
「創君......ホントに良かった......」
「ほらね楓。ボク達なら出来ない事は無いんだよ。幼い頃からずっとそうだったようにね。」
「2人とも......ありがとうございます。」
創が2人に感謝の言葉を述べた途端、3人の前に『マリの銀鏡』が現れ、3人の前でフワフワと浮遊した。
「なんか......鏡に文字? みたいなのが浮かび上がってるよ? 楓と創君なんて書いてあるか読める?」
「え〜なになに? 『最初の試練は果たされた』とか書いてあるよ?」
「えっと『我が息子の欠片を集め終えた暁には息子とともに私も復活し、君たち3人に褒賞を与えると約束しよう。神の母 マリ・アギル』っても書いてありますね。」
3人は『マリの銀鏡』に近づき、そして触れてみた。すると、頭の中に音声が流れ込んできた。
「よくぞ『最初の試練』を乗り越えた。運命の子達よ。
君達が最初の試練を乗り越えている間に、世界では大きな変革が起きつつある。この世界に巨大な悪意の萌芽が芽吹きつつあり、それは大きな災禍を齎す。
その悪意の種は、きっと欠片達の力を利用して、世界を恐怖で縛り付けるだろう。
君達は一刻も早く事態の収束に務め、欠片の収集、及びアザムキソウセキ復活計画を進めるのだ。
褒賞は十分に期待して良い。君達に真の自由を与えると約束しよう。」
脳内に直接話しかけてくる声は、どこか聞き覚えのあるような声であったが、3人はどこで聞いたのか思い出せなかった。
「褒賞......? 真の自由? 別にそんなもの要らないよ。」
そう口にしたのは楓であった。奏と創は驚いた顔で、楓の方へ顔を向けた。
「え? カエデ、要らないの?」
「うん。だってさ、私は友達の為に頑張るって決めたんだよ。そこに変な褒賞とかが絡んできたら、その内私はなんの為に頑張ってるのか分からなくなっちゃう。だから、あくまで創君の為に頑張る自分でありたい。」
「そっか。そうだよね。その通りだ。なら、ボクもカエデと同じで褒賞なんて要らないよ。ボクもあくまで創君の為に頑張る自分でありたい。」
「二人とも......ありがとうございます......俺も、二人の努力を裏切らないように、頑張ります!」
3人はその場で握手を交わし、本当に心の底から、創及び創のようなアザムキのカケラのために頑張ることを誓った。
すると『マリの銀鏡』は突然光りだし、3人は眩しさのあまり目を細め、強い光から目を守る為に、腕を顔の前で交差させた。
「うわっ!」
「眩しっ!」
眩い光が消え去ると、3人はゆっくりとそれぞれの瞼を上げ始めた。
「......あれ? 学科職員室だ。」
「破壊痕が消えてる......どういう事?」
「ここの破壊痕は鏡の中の俺ではなく、鏡の中の俺が呼び出した『植物型魔獣』によるものだからじゃないですかね?」
「なるほど......あっ、じゃあ駅の破壊痕はどうなるんだろ? 私達犯人にされたりとかしないかな?」
「それはないと思うよ。多分あの時カメラとかも一緒に破壊されてるだろうから。惜しむらくは、あの時人がいたということだ。
犠牲者は......出てしまっただろう。ボクが人払いのルーンでも使っておけば良かったんだけど......」
「奏、気に病む必要は無いよ。だってあの時襲われたのはめちゃくちゃ急だったし、仕方ないことだと思う。
寧ろ、鏡の中に追いやって被害を最低限にしたと前向きに考えよう。」
3人が最初の試練を乗り越えた一方、別の場所では悪の萌芽がいよいよ芽吹きつつあった。
「レイよ......いよいよだな......」
「はい師匠。この腐りきった穏健派の現状を打開し......我々が取って代わる......」
「お前には私が教えられる全てを授けたつもりだ。とても優秀な弟子だと、誇りに思うよ。」
「ありがとうございます。」
そこには師匠と呼ばれた女と、弟子と呼ばれたレイという男が街を見下ろしていた。
「ところでレイ。ひとつ尋ねたいことがある。」
「なんでしょう?」
「お前には確か......兄がいたな。名は確か......ジョウジとかいう......」
「マスター。私はもう既に肉親への情なぞは断ち切ってます。私に迷いはありません。」
「いや、そうでは無いのだ。その覚悟はこれからの計画を遂行する上で頼もしい限りなのだが、どうにもお前の兄は不思議でな。」
「と言いますと?」
「多分......私の計画の邪魔になるかも知れない。だから、私の野望の途上に両腕を広げて差し迫って来るやもしれぬ。」
「その時は私が叩き斬ります。」
「それは良いのだが......なんと言うか......そいつが何か物凄い輩を子飼いにして来る予感が......予感と言うより寧ろ予知に近いかもしれん。兎に角トンデモ無い輩を連れて来てまで私の邪魔をするかも知れないのだ。
その時、お前は覚悟云々を抜きにして、勝ち目が無い程の絶望的状況を味わうかも知れない。
私は恐れてるのだ......もう一度手塩にかけて育ててきた大切な存在を失う事を......」
「大丈夫です......私は絶対に貴女の前から消えたりしません......マスター殊春......それに、隠し玉なら既に......用意してありますゆえ......」
最初の試練から数日後の、とある日の昼休み。楓と奏と創は一緒にお昼ご飯を食べていた。
「楓さん、それなんですか?」
「これ? これは『忍者飯』と『固形化飲料』だよ。」
「楓は他人と一風変わった弁当を持ってきてるんだ。『忍者飯』はダイエットの為に、『固形化飲料』は持ち運びがラクだからって理由でね。」
「あっ! 奏! そういうこと言わないでよ! ダイエット頑張ってるみたいで恥ずかしいじゃん!」
楓は顔を赤らめて、創に全て話してしまった奏に向かってちょっと怒った。
「あ......楓さん大丈夫ですよ! 俺全然そんなの気にしないですし......」
「私が気にするの!」
「そう言えばカエデさん。」
「ん? どしたの創君?」
「今日の放課後でしたっけ?」
「そうそう。今日の放課後に、灰吸さんに会いにいく予定。3人の予定が合うのが今日しか無かったからね。」
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