苦役甦す莇
Episode54 Moon road
『第一の月』の月面。そこは本来の月とは違い、とある結界が張られ、普通の人間でも生きて住めるように改造されている。地球側から見えないように結界が張られているので、通称裏の月と呼ばれている。
地球から見えているのは荒涼とした白い砂の大地であり、実際に月面に降りてみれば鮮やかな緑色の大地が広がっている。
更に地球から大きなツタが伸びてきて、月に届き、まるで月が大きな植物の果実のようにも見える。
そんな月に、とある贈り物が届こうとしている。それはキセ火山という場所から、マグマという地球のエネルギーで発射された火山弾。
通常月まで届くなんてのはほぼ有り得ないのだが、マヤは火山の構造を調べ尽くし、能力を使ってマグマ溜りを普通では有り得ないパワーで刺激したのだ。
更に地球の外に出たあとは、結界を張った火山弾を宇宙船代わりにして、月まで最速で向かっている。
その宇宙船に搭乗しているのはアザムキとマヤ、そしてアザムキが身につけているカエデと、アザムキの中に憑依しているミラ。その4人(?)は第一の月に向かって一直線に進んでいる。
「まさか火山を使って月まで飛んでいくなんて......」
「こうでもしないと時間が無いもの......そして、これで戦争は私たちの勝ちね。」
「どうしてそう言いきれる?」
「私たちの誰か1人でも月に来れば良いもの。あとは貴方をネタにここにいる背徳者様達の仲間入りを果たすわ。神になりつつある貴方をね。」
「黄金の矢が無ければ俺が居たって無意味だろ?」
「そんなの時間の問題よ。今から神の機雷で地球を脅して、WANTED扱いになってる重罪人を月に連れてこさせるだけで問題解決。」
「そんなことはさせない。」
「なら私を殺す事ね。」
マヤは剣を抜き、構えた。しかしアザムキに戦闘の意思は無い。
「嫌だ。俺は君を殺したくない。」
「君の意見は求めてない!」
マヤはアザムキの意思を無視して、剣で斬りかかってきた。
アザムキは咄嗟に白刃取りを敢行した。見事にマヤの凶刃を止めたが、マヤは剣にこめる力を一切緩めない。
「何故未来の女王である私に歯向かうのだ? 君は未来の神らしく大人しく黄金の矢で貫かれれば良いだろう? 私がこの世界を統治して、向こうの世界も統治する。
アギルの計画通り2つの世界が融合した後でも、私が女王である事に変わりはない! そうすればきっと、きっとあの人も認めてくれるハズなんだ!」
マヤは剣を引っ込め、剣先を地面に突き刺し、曲芸のようにそのまま剣を握ったまま逆立ちのようなことをした。
すると、いきなり地面に魔法陣が展開し、剣の刃から衝撃波が放たれ、アザムキは防御したものの、衝撃波のあまりの強さに転倒してしまった。
「そう言えばこの魔法、君もキーオート自然保護区で使っていたな。」
「俺が......使った魔法?」
「そうだ。君は無意識のうちにこの発動形態をとったようだけどね。」
アザムキは思い出した。カエデを初めて着て、トライアルモードで思いっきりジャンプした事を。
あの時はてっきり自分の落下速度が音速近くに達したから衝撃波が生まれたのだと勘違いしていたが、そんなことは無く実は魔法を使っていたのであった。
「だからどうだって言うんだよ......」
「何故私が今、君に衝撃波を与えたか分かるかね?」
「は?」
「君の痛みに対する苦悶の表情......更に私に対する拭いきれない嫌悪感......」
「何を言ってるんだ?」
「私は君のことを分かり始めてるんだよ。そして、そろそろ君は私の能力で自分の能力が使えなくなる頃だ。」
「馬鹿言え......」
アザムキはふっと集中し、能力を発動させようとした。しかし、何かが集中を途切らせ、能力発動まで至らないのだ。
「君がどれだけ私の想像の外を行く能力を持っていても、そもそも発動させなければ良いだけの事。君の自由な発想や集中力は私が制限をかけさせてもらった。」
「......なるほどね。俺の心理も既にアンタの『既知領域』ってワケだ。」
「そういう事。」
アザムキはだんだん頭が痛くなってきた。まるで頭蓋骨をまるっと開かれて、そこに手を突っ込まれてるような気持ち悪さである。
「......アンタがさっき言ってた『あの人』って誰なのさ......」
「......何故私がそんな事に答えなくちゃいけないの?」
「おいおい、質問してるのは俺の方だぜ? お前テストでいっつも疑問文に対して疑問文で答えてるのかよ? えぇ? 先ずは俺の質問に答えるのが筋じゃねぇのか?」
「......良いだろう。どうせ君はそのうち月になってしまうのだからな。私が認めてもらいたい『あの人』と言うのは、生徒会長クノリレイ様の事だ。」
「クノリ......レイねぇ......」
「なんの算段を立ててるか知らないけど、あの方こそ私の憧れ。あの方こそ私が目指すべき王の姿。私が愛する唯一の殿方よ。」
「はっ......小っ恥ずかしい事を、よくもまぁこんなベラベラと......」
「何が言いたいの? 私がクノリ様を恋い慕って何か悪いの?」
「その感じ......小学生みてぇだからやめとけよ。何かにつけて顔を真っ赤にして『悪いんですか!?』ってアホみたいにいきり立つの。見てて恥ずかしいぜ。」
「それが何!?」
マヤは顔を真っ赤にして、アザムキの襟元を掴んだ。
「ほら......顔を真っ赤にして、恥ずかしいぜお前。」
「アザムキ......貴方って人は......」
マヤは地面に突き刺した剣を取るために能力を使った。その瞬間、アザムキは自身にかかってる制限が緩んだのを感じた。
その一瞬をアザムキは逃さなかった。マヤの支配の外の力を行使し、完全な自由を取り戻した。
「カエデ......ピースベル発動。」
『了解しましたマスター。』
「させるか!」
カエデがピースベルを発動した瞬間、いきなりマヤは物凄いスピードで突っ込んで来て、アザムキの事を殴り飛ばした。
殴り飛ばされたアザムキは、結界にぶち当たり、地面に倒れ伏した。
『......ピース......ベル......発動中断......機能損傷......復旧作業......開始します......』
「......なんで......ピースベルが......破られた?」
「アンタの事はもう調べ尽くしてある。アンタが着てるその鎧......前見た時は軍人のコスプレか何かかと思ったけど、とんでもなくヤバいやつだと判明した。
The perfect battle assistance specialization model support OS that continues always evolving by oneself内蔵型コンバットスーツ......と言うのは建前。本来は敵を無力化させることに特化した装着型兵器だ。
そんなものこの時代のこの世界には存在するハズの無い物だ。これだけ魔法が発展したこの世界でも、そんなものは作れやしない。オーパーツなんだよそれは。」
「カエデが兵器だって......? ふざけんなよ......毒抜きだって、冷却だって、マッピングだって出来るんだぞ......あれ?」
その時、アザムキは変に思った。これは戦争に利用したら、恐ろしく強力な兵器に成りうる仮説が頭の中で完成した。
毒を食らっても手遅れでなければ直ぐに毒抜き出来る。精神攻撃を食らって自我が崩壊しかけても冷却によって立ち直る事が出来る。呼吸によるマッピングを使えばどこに隠れてても見つけることが出来る。
こんなのを兵士全員が付けて、一個小隊でやって来たら普通なら全滅だ。
それに、わざわざ戦闘なんかしなくたって、ピースベルを使えば無条件で降伏させることも可能である。
「カエデが......兵器? 嘘だ......」
「嘘じゃない。君が今着てるその鎧は、どこか遠くの場所で戦争目的に作られて、何があったかは分からないがこの世界のこの時代にやって来たものだ。」
その時、アザムキはカエデと出会った時の店員の言葉を思い出した。
「この装備の出処が分からない」や「入荷する時に紛れこんだ謎の商品」などと言っていた。
アザムキとマヤだって異世界からこの世界にやって来たのだ。カエデだって他のどこかの世界からやって来てたっておかしくは無い。
「カエデ......本当なのか?」
『申し訳ございません。マスターと出会う以前の記録は抹消されているか、若しくはそもそも無かったようなので、私からお答えする事は出来ません。』
「カエデ......確かお前の初期設定の言語は英語だったよな? 普通この世界では第二の月の力で言語の壁が無くなってるんだ。
でもお前は日本語じゃ無かった。英語だった。つまりお前は、俺らの世界の英語を使っているどこかからやって来たんじゃないか?」
「アザムキ......つまり君はこう言いたいのか? 英語を使っている言語圏のどこかが、アホみたいに技術力を使ってこんな物を作り出したと? それこそ無理があるだろう。科学じゃこんなの再現出来ない。」
「科学と魔法を両方使ったら?」
「え?」
「アギルなら向こうの世界にも転移出来るほどの魔法が使える......つまり、アギルは俺らの世界に来て木材調達だけじゃなく、カエデという装備を作ってたんじゃないのか?」
「一体なんの為に?」
「この戦争......本当に裏で糸を引いてるのはアギルなんじゃないか? カエデが市場の商品に紛れこんだってのは、考えにくいがアギルが転移に失敗した的な事じゃないのか?」
「裏で糸を引いてる?」
「なぁマヤ......俺たち良いように利用されてただけなんじゃないか?」
「何を根拠に!」
「じゃあお前は本当にアギルがお前を女王として擁立するとでも思っているのか? 途中までお前をその気にさせておいて、後で裏切るんじゃないのか?」
「アギルが裏切る訳が無いだろう!」
「アギルはギルドを切り捨てたんだ! バンデットだって捨て駒にされるかも知れないんだぞ! お前それで本当に良いのか?」
そんな問答を繰り広げていると、火山弾は月へと到着した。
マヤはアザムキに背中を向け、地面に刺さった剣を抜いた。
「黙れ......私は私のやりたいようにやる......」
地球から見えているのは荒涼とした白い砂の大地であり、実際に月面に降りてみれば鮮やかな緑色の大地が広がっている。
更に地球から大きなツタが伸びてきて、月に届き、まるで月が大きな植物の果実のようにも見える。
そんな月に、とある贈り物が届こうとしている。それはキセ火山という場所から、マグマという地球のエネルギーで発射された火山弾。
通常月まで届くなんてのはほぼ有り得ないのだが、マヤは火山の構造を調べ尽くし、能力を使ってマグマ溜りを普通では有り得ないパワーで刺激したのだ。
更に地球の外に出たあとは、結界を張った火山弾を宇宙船代わりにして、月まで最速で向かっている。
その宇宙船に搭乗しているのはアザムキとマヤ、そしてアザムキが身につけているカエデと、アザムキの中に憑依しているミラ。その4人(?)は第一の月に向かって一直線に進んでいる。
「まさか火山を使って月まで飛んでいくなんて......」
「こうでもしないと時間が無いもの......そして、これで戦争は私たちの勝ちね。」
「どうしてそう言いきれる?」
「私たちの誰か1人でも月に来れば良いもの。あとは貴方をネタにここにいる背徳者様達の仲間入りを果たすわ。神になりつつある貴方をね。」
「黄金の矢が無ければ俺が居たって無意味だろ?」
「そんなの時間の問題よ。今から神の機雷で地球を脅して、WANTED扱いになってる重罪人を月に連れてこさせるだけで問題解決。」
「そんなことはさせない。」
「なら私を殺す事ね。」
マヤは剣を抜き、構えた。しかしアザムキに戦闘の意思は無い。
「嫌だ。俺は君を殺したくない。」
「君の意見は求めてない!」
マヤはアザムキの意思を無視して、剣で斬りかかってきた。
アザムキは咄嗟に白刃取りを敢行した。見事にマヤの凶刃を止めたが、マヤは剣にこめる力を一切緩めない。
「何故未来の女王である私に歯向かうのだ? 君は未来の神らしく大人しく黄金の矢で貫かれれば良いだろう? 私がこの世界を統治して、向こうの世界も統治する。
アギルの計画通り2つの世界が融合した後でも、私が女王である事に変わりはない! そうすればきっと、きっとあの人も認めてくれるハズなんだ!」
マヤは剣を引っ込め、剣先を地面に突き刺し、曲芸のようにそのまま剣を握ったまま逆立ちのようなことをした。
すると、いきなり地面に魔法陣が展開し、剣の刃から衝撃波が放たれ、アザムキは防御したものの、衝撃波のあまりの強さに転倒してしまった。
「そう言えばこの魔法、君もキーオート自然保護区で使っていたな。」
「俺が......使った魔法?」
「そうだ。君は無意識のうちにこの発動形態をとったようだけどね。」
アザムキは思い出した。カエデを初めて着て、トライアルモードで思いっきりジャンプした事を。
あの時はてっきり自分の落下速度が音速近くに達したから衝撃波が生まれたのだと勘違いしていたが、そんなことは無く実は魔法を使っていたのであった。
「だからどうだって言うんだよ......」
「何故私が今、君に衝撃波を与えたか分かるかね?」
「は?」
「君の痛みに対する苦悶の表情......更に私に対する拭いきれない嫌悪感......」
「何を言ってるんだ?」
「私は君のことを分かり始めてるんだよ。そして、そろそろ君は私の能力で自分の能力が使えなくなる頃だ。」
「馬鹿言え......」
アザムキはふっと集中し、能力を発動させようとした。しかし、何かが集中を途切らせ、能力発動まで至らないのだ。
「君がどれだけ私の想像の外を行く能力を持っていても、そもそも発動させなければ良いだけの事。君の自由な発想や集中力は私が制限をかけさせてもらった。」
「......なるほどね。俺の心理も既にアンタの『既知領域』ってワケだ。」
「そういう事。」
アザムキはだんだん頭が痛くなってきた。まるで頭蓋骨をまるっと開かれて、そこに手を突っ込まれてるような気持ち悪さである。
「......アンタがさっき言ってた『あの人』って誰なのさ......」
「......何故私がそんな事に答えなくちゃいけないの?」
「おいおい、質問してるのは俺の方だぜ? お前テストでいっつも疑問文に対して疑問文で答えてるのかよ? えぇ? 先ずは俺の質問に答えるのが筋じゃねぇのか?」
「......良いだろう。どうせ君はそのうち月になってしまうのだからな。私が認めてもらいたい『あの人』と言うのは、生徒会長クノリレイ様の事だ。」
「クノリ......レイねぇ......」
「なんの算段を立ててるか知らないけど、あの方こそ私の憧れ。あの方こそ私が目指すべき王の姿。私が愛する唯一の殿方よ。」
「はっ......小っ恥ずかしい事を、よくもまぁこんなベラベラと......」
「何が言いたいの? 私がクノリ様を恋い慕って何か悪いの?」
「その感じ......小学生みてぇだからやめとけよ。何かにつけて顔を真っ赤にして『悪いんですか!?』ってアホみたいにいきり立つの。見てて恥ずかしいぜ。」
「それが何!?」
マヤは顔を真っ赤にして、アザムキの襟元を掴んだ。
「ほら......顔を真っ赤にして、恥ずかしいぜお前。」
「アザムキ......貴方って人は......」
マヤは地面に突き刺した剣を取るために能力を使った。その瞬間、アザムキは自身にかかってる制限が緩んだのを感じた。
その一瞬をアザムキは逃さなかった。マヤの支配の外の力を行使し、完全な自由を取り戻した。
「カエデ......ピースベル発動。」
『了解しましたマスター。』
「させるか!」
カエデがピースベルを発動した瞬間、いきなりマヤは物凄いスピードで突っ込んで来て、アザムキの事を殴り飛ばした。
殴り飛ばされたアザムキは、結界にぶち当たり、地面に倒れ伏した。
『......ピース......ベル......発動中断......機能損傷......復旧作業......開始します......』
「......なんで......ピースベルが......破られた?」
「アンタの事はもう調べ尽くしてある。アンタが着てるその鎧......前見た時は軍人のコスプレか何かかと思ったけど、とんでもなくヤバいやつだと判明した。
The perfect battle assistance specialization model support OS that continues always evolving by oneself内蔵型コンバットスーツ......と言うのは建前。本来は敵を無力化させることに特化した装着型兵器だ。
そんなものこの時代のこの世界には存在するハズの無い物だ。これだけ魔法が発展したこの世界でも、そんなものは作れやしない。オーパーツなんだよそれは。」
「カエデが兵器だって......? ふざけんなよ......毒抜きだって、冷却だって、マッピングだって出来るんだぞ......あれ?」
その時、アザムキは変に思った。これは戦争に利用したら、恐ろしく強力な兵器に成りうる仮説が頭の中で完成した。
毒を食らっても手遅れでなければ直ぐに毒抜き出来る。精神攻撃を食らって自我が崩壊しかけても冷却によって立ち直る事が出来る。呼吸によるマッピングを使えばどこに隠れてても見つけることが出来る。
こんなのを兵士全員が付けて、一個小隊でやって来たら普通なら全滅だ。
それに、わざわざ戦闘なんかしなくたって、ピースベルを使えば無条件で降伏させることも可能である。
「カエデが......兵器? 嘘だ......」
「嘘じゃない。君が今着てるその鎧は、どこか遠くの場所で戦争目的に作られて、何があったかは分からないがこの世界のこの時代にやって来たものだ。」
その時、アザムキはカエデと出会った時の店員の言葉を思い出した。
「この装備の出処が分からない」や「入荷する時に紛れこんだ謎の商品」などと言っていた。
アザムキとマヤだって異世界からこの世界にやって来たのだ。カエデだって他のどこかの世界からやって来てたっておかしくは無い。
「カエデ......本当なのか?」
『申し訳ございません。マスターと出会う以前の記録は抹消されているか、若しくはそもそも無かったようなので、私からお答えする事は出来ません。』
「カエデ......確かお前の初期設定の言語は英語だったよな? 普通この世界では第二の月の力で言語の壁が無くなってるんだ。
でもお前は日本語じゃ無かった。英語だった。つまりお前は、俺らの世界の英語を使っているどこかからやって来たんじゃないか?」
「アザムキ......つまり君はこう言いたいのか? 英語を使っている言語圏のどこかが、アホみたいに技術力を使ってこんな物を作り出したと? それこそ無理があるだろう。科学じゃこんなの再現出来ない。」
「科学と魔法を両方使ったら?」
「え?」
「アギルなら向こうの世界にも転移出来るほどの魔法が使える......つまり、アギルは俺らの世界に来て木材調達だけじゃなく、カエデという装備を作ってたんじゃないのか?」
「一体なんの為に?」
「この戦争......本当に裏で糸を引いてるのはアギルなんじゃないか? カエデが市場の商品に紛れこんだってのは、考えにくいがアギルが転移に失敗した的な事じゃないのか?」
「裏で糸を引いてる?」
「なぁマヤ......俺たち良いように利用されてただけなんじゃないか?」
「何を根拠に!」
「じゃあお前は本当にアギルがお前を女王として擁立するとでも思っているのか? 途中までお前をその気にさせておいて、後で裏切るんじゃないのか?」
「アギルが裏切る訳が無いだろう!」
「アギルはギルドを切り捨てたんだ! バンデットだって捨て駒にされるかも知れないんだぞ! お前それで本当に良いのか?」
そんな問答を繰り広げていると、火山弾は月へと到着した。
マヤはアザムキに背中を向け、地面に刺さった剣を抜いた。
「黙れ......私は私のやりたいようにやる......」
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