クズスキルでも、努力次第で世界最強!?
6話 決闘③
俺は遮二無二に王族剣技の攻略にあたった。
とりあえずダメで元々、正攻法で挑む。
まず、大上段振り下ろしから下段払い、中段払いの連撃を繰り出す。
アリサは冷静に大上段を横に避け、下段払いを黒剣を沿わせて軌道をずらし避け、中段払いをしゃがんで避け、懐に潜り込んで峰打ちを狙ってくる。
全部防いだ上反撃してくるとは。
溝内への一撃は横っ跳びでなんとか回避した。
アリサは追い討ちはせず、あくまで王族剣技の受けを崩さないつもりのようだ。
堅実にこっちの体力を削って、1つのミスも逃すまいとしているのがわかる。
まぁ、わかっていたが、ここまで上手く対応されるとは。
自信なくすわー。自分で言うのもなんだけど、そこそこ強いと思ってたんだけどなー。
…嘘です。そんなに強くないです。
俺が出来ることは精々、誰にでもできることを最も上手く再現することくらいだ。
本物の才能って言うのは、それを超える力を持っているやつのことだ。
基本と応用だけじゃ敵わないやつのことだ。
俺にそれはない。
だが、目の前にいる少女、アリサは持っているだろう。
いかんな。また思考に埋もれてしまった。
今はアリサの王族剣技をどう切り抜けるかを考えよう。
横っ跳びをした後で、体制が崩れていたのを立て直して、構え直す。
正面からはまず無理だということは、さっきの1合で十二分にわかった。
今度は、死角をついた攻撃を仕掛けよう。
と、思ったんだが…。
「移動速度が速けりゃ、反応速度も速いとか、バケモンかよ…」
「褒め言葉として受け取っておきましょう。」
とにかく速いこの御方に死角なんぞありはしなかった。
もうね、才能の差っていうのを見せつけられて、俺の身もココロもボロボロですよ。あっはっは。
いよいよ、不味いな。
アリサがまた攻勢に入れば、俺の勝ち目はない。
なんとか防御に集中させるために、攻撃し続けてはいるが、流石にこのまま続けてはいつか体力切れを起こすか、集中力が切れてミスが出る。
ミスが出たら最後、一瞬で倒される。
それは確実だ。
だからこそ、俺は何故か違和感を感じていた
俺自身、ミスをしないという一点に至っては自信があるが、自分が取るべき選択を間違えることは多々ある。
アリサなら俺の選択違いくらい見抜けているはずだ。
それなのに、殊更に堅実に、深追いせず俺の体力切れを待つ。
「(…なんか変だな。雰囲気というか、なんというか。)」
アリサが王族剣技を使い始めたあたりから、さっきまでとは何かが違うような気がした。
明らからに初めとは違いすぎる戦い方で、感覚がつかみきれていないとはいえ、何かが俺の思考の渦に引っかかっているようなきがした。
アリサから感じられる圧力というか、気迫が落ち着いたような、霧散してしまったような。
幾つか理由を考えた。
攻撃の高速戦闘と防御の王族剣技では動きに差がありすぎて、俺自身の感覚がおかしくなっている可能性。
アリサ自身が攻撃と防御で戦い方を切り替える際に、気配事切り替わる癖がある可能性。
このあたりが妥当だろうが、多分違う。
俺にもアリサにも動きに固さはない。
ということは、それが自然であり最高のパフォーマンスを出せている証拠だ。
俺の感覚が狂っている、アリサが切り替わる癖をもっている、この2つが当てはまるのなら、知らず知らずに固さが出て、上手くいくものもそうはいかないはずなのだ。
それ以外の理由付けもやはり、俺かアリサに目に見える形で変化がわかるはずなのだ。
だが、今それは見当たらない。
「(別の理由があるのか?それともわざとか?そんな器用なことができるようには見えないし、王族剣技を使うなら本気ってことじゃ……!?)」
思考を加速させながら、手を休めず牽制し続けた俺はようやく、考えもしないような答えにたどり着いた。
そういうことなら、やることは1つ。
ひたすら煽ってやろうじゃないか!
「なぁ、貴族サマ。本当にそれ王族剣技なのか?俺の知ってるのと違う気がするんだが?」
「何が言いたいのかしら?」
「アンタのは偽物だって言いたいのがわかんないのか?おいおい、今どきの貴族は人の話をしっかり聞いて理解するっていう、大事な事も教えてないのか?甘やかされすぎじゃないか?」
盛大に挑発してやると、少し眉を潜めているのか、俺を見る視線に怒りが含まれたのがわかる。
よし、効いてる効いてる。
やっぱり、こういうちょっと偉そうというか上から目線のやつは、プライドを逆なでするに限るな。
「…貴方が私を、貴族を嫌っているのはわかりました。ですが私の王族剣技が偽物とはどう言うことですか?」
「そのまんまの意味だが?アンタのは王族剣技じゃない。嘘じゃないぜ。俺の知り合いに本物がいるからな。」
追加で挑発してみた。
この人わかりやすくて単純で面白いな。
ほら、見てわかるくらいどんどん目が鋭くなって、怒気が吹き上がってるわ。
なんで急にこんなことしてるのかって?
武術家(見習い)から初心者への指導かな?
さっきまで俺が言っていた、アリサの王族剣技が偽物だって話は、本当の話だ。嘘はない。
独学にしては、かなり近づいていた方だとは思う。
だが、それは本物じゃない。
そんなのは、『いつか必ず世界最強の武術家になる』という馬鹿げた夢を掲げてるこの俺が許すと思うなよ!
とことんやってやろうじゃないか。
この青二才の化けの皮剥がしてやる!!
とりあえずダメで元々、正攻法で挑む。
まず、大上段振り下ろしから下段払い、中段払いの連撃を繰り出す。
アリサは冷静に大上段を横に避け、下段払いを黒剣を沿わせて軌道をずらし避け、中段払いをしゃがんで避け、懐に潜り込んで峰打ちを狙ってくる。
全部防いだ上反撃してくるとは。
溝内への一撃は横っ跳びでなんとか回避した。
アリサは追い討ちはせず、あくまで王族剣技の受けを崩さないつもりのようだ。
堅実にこっちの体力を削って、1つのミスも逃すまいとしているのがわかる。
まぁ、わかっていたが、ここまで上手く対応されるとは。
自信なくすわー。自分で言うのもなんだけど、そこそこ強いと思ってたんだけどなー。
…嘘です。そんなに強くないです。
俺が出来ることは精々、誰にでもできることを最も上手く再現することくらいだ。
本物の才能って言うのは、それを超える力を持っているやつのことだ。
基本と応用だけじゃ敵わないやつのことだ。
俺にそれはない。
だが、目の前にいる少女、アリサは持っているだろう。
いかんな。また思考に埋もれてしまった。
今はアリサの王族剣技をどう切り抜けるかを考えよう。
横っ跳びをした後で、体制が崩れていたのを立て直して、構え直す。
正面からはまず無理だということは、さっきの1合で十二分にわかった。
今度は、死角をついた攻撃を仕掛けよう。
と、思ったんだが…。
「移動速度が速けりゃ、反応速度も速いとか、バケモンかよ…」
「褒め言葉として受け取っておきましょう。」
とにかく速いこの御方に死角なんぞありはしなかった。
もうね、才能の差っていうのを見せつけられて、俺の身もココロもボロボロですよ。あっはっは。
いよいよ、不味いな。
アリサがまた攻勢に入れば、俺の勝ち目はない。
なんとか防御に集中させるために、攻撃し続けてはいるが、流石にこのまま続けてはいつか体力切れを起こすか、集中力が切れてミスが出る。
ミスが出たら最後、一瞬で倒される。
それは確実だ。
だからこそ、俺は何故か違和感を感じていた
俺自身、ミスをしないという一点に至っては自信があるが、自分が取るべき選択を間違えることは多々ある。
アリサなら俺の選択違いくらい見抜けているはずだ。
それなのに、殊更に堅実に、深追いせず俺の体力切れを待つ。
「(…なんか変だな。雰囲気というか、なんというか。)」
アリサが王族剣技を使い始めたあたりから、さっきまでとは何かが違うような気がした。
明らからに初めとは違いすぎる戦い方で、感覚がつかみきれていないとはいえ、何かが俺の思考の渦に引っかかっているようなきがした。
アリサから感じられる圧力というか、気迫が落ち着いたような、霧散してしまったような。
幾つか理由を考えた。
攻撃の高速戦闘と防御の王族剣技では動きに差がありすぎて、俺自身の感覚がおかしくなっている可能性。
アリサ自身が攻撃と防御で戦い方を切り替える際に、気配事切り替わる癖がある可能性。
このあたりが妥当だろうが、多分違う。
俺にもアリサにも動きに固さはない。
ということは、それが自然であり最高のパフォーマンスを出せている証拠だ。
俺の感覚が狂っている、アリサが切り替わる癖をもっている、この2つが当てはまるのなら、知らず知らずに固さが出て、上手くいくものもそうはいかないはずなのだ。
それ以外の理由付けもやはり、俺かアリサに目に見える形で変化がわかるはずなのだ。
だが、今それは見当たらない。
「(別の理由があるのか?それともわざとか?そんな器用なことができるようには見えないし、王族剣技を使うなら本気ってことじゃ……!?)」
思考を加速させながら、手を休めず牽制し続けた俺はようやく、考えもしないような答えにたどり着いた。
そういうことなら、やることは1つ。
ひたすら煽ってやろうじゃないか!
「なぁ、貴族サマ。本当にそれ王族剣技なのか?俺の知ってるのと違う気がするんだが?」
「何が言いたいのかしら?」
「アンタのは偽物だって言いたいのがわかんないのか?おいおい、今どきの貴族は人の話をしっかり聞いて理解するっていう、大事な事も教えてないのか?甘やかされすぎじゃないか?」
盛大に挑発してやると、少し眉を潜めているのか、俺を見る視線に怒りが含まれたのがわかる。
よし、効いてる効いてる。
やっぱり、こういうちょっと偉そうというか上から目線のやつは、プライドを逆なでするに限るな。
「…貴方が私を、貴族を嫌っているのはわかりました。ですが私の王族剣技が偽物とはどう言うことですか?」
「そのまんまの意味だが?アンタのは王族剣技じゃない。嘘じゃないぜ。俺の知り合いに本物がいるからな。」
追加で挑発してみた。
この人わかりやすくて単純で面白いな。
ほら、見てわかるくらいどんどん目が鋭くなって、怒気が吹き上がってるわ。
なんで急にこんなことしてるのかって?
武術家(見習い)から初心者への指導かな?
さっきまで俺が言っていた、アリサの王族剣技が偽物だって話は、本当の話だ。嘘はない。
独学にしては、かなり近づいていた方だとは思う。
だが、それは本物じゃない。
そんなのは、『いつか必ず世界最強の武術家になる』という馬鹿げた夢を掲げてるこの俺が許すと思うなよ!
とことんやってやろうじゃないか。
この青二才の化けの皮剥がしてやる!!
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