そのお面の下は。

ノベルバユーザー168745

名無しの少女

ー鬼さんこちらっ
          手のなるほーへ!ー

ーこら!この場所で遊んじゃ行けないよ!ー

ーなんで?ー

ーここはね
               ーーーーーなんだ。ー

ー何それ?ー

ーそれはね...っ!説明してる暇はないよ!さぁ!早く帰って!ーーに見つかる前に!ー

ーねぇ。ーーってなぁに?ー

ーいいから帰るんだ!早く...早く!
ハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクー



「っっ!」

朝の光が少女の汗を照らした。
飛び起きた為、少女の首に掛けてある鈴笛(すずぶえ)が チリリン と高い音を奏でる。
息が荒く、寒気がする。最悪の目覚めだ。

少女の気持ちなど全然考えていないと伝えるように鶏が庭で騒ぎ立てる。

「ああ。もうっ!」

うるさいっ!と言う言葉は鶏の鳴き声でかき消された。

「...あ〜も〜!!
            はいはい!今ご飯持ってくからね〜!!」

そう大声で叫ぶと、鶏は分かったように コケっ と言って静かになった。

少女は舌打ちしたい気持ちをぐっとこらえながら服を着替えた。ーと言っても服は2枚しかない上に着心地が最悪だから着替えたくないのだがー

服を着替えた後は朝食...という所でまた鶏が騒ぎ立てる。

「...鶏って、透視能力でもあるのかしら。」

そうぼそりと呟き、鶏の餌を調達しに行く。
玄関の扉から家を出て、鶏がいる庭から反対側の畑へ行く。

畑は少女の家の10倍はあり、ー少女の家が小さいだけなのだがー食べ物には困らない。しかも、畑から緩やかな坂を登るとすぐ川があるから魚も、水を飲みにくる小動物も仕留められる。とても住みやすい場所だ。

だが、少女が住んでる家の付近には、あまり家が建っていない。

「何故だろう。
       ...なんて
             理由なんか分かってるのに」

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品