Licht・Ritter:リッチ・リッター

∞云エンド∞

27話<American magic:米式魔法>

練はそう質問するとその男は余裕をもった表情でこう言った。

「私の名前は金剛...金剛 雅視こんごう まさし...米式魔法べいしきまほうの使い手だ...」
練は質問はしたものの、その男の名前は頭にはいってこず、むしろその米式魔法っていうのはなんなのかが気になった。

「なぁ...米式魔法ってなんだ?」
練はそう質問する、それを聞いた雅視はその米式魔法が当たり前にあるかのようにこう言った。

「君はもしかして米式魔法を知らないのかい?まぁ...所詮、独式魔法どしきまほうを重点的に教えている高校の生徒なんてそんなものか...」
「だから...結局なんなの?」
「まぁざっといって...近接格闘から中距離格闘に長けた魔法だ...」
(え?魔法ってなんだったっけ?)
練は一瞬、魔法という概念の触れてはいけないところに触れた気がした。
続けて雅視はこう言った。

「まぁ...君たちが使っている独式魔法は近接、中距離、遠距離...全ての魔法において均等にバランスがとれている魔法...一言で言うとオールマイティ...しかし、所詮それはとても強い技とはいえない...」
練は何かを察し、必死にもがきヒビができたフロントガラスから離れようとしたがフロントガラスが見事に練の体に張り付いている。

(ん?なんだこのガラス...体に刺さってもないのに、なんで抜けねぇんだ!?)
雅視はニタァと笑みを浮かべこう言った。

「今...なんで逃げ出せないんだ的なことを思っただろう...まぁそうなってもおかしくはない...」
「くそっ!全然動かねぇ!!」
練は必死に抜け出そうと暴れる。

「おっと暴れたらいかんよぉ?今君は壁にくっついた吸盤のような状態だ、今君の背中とフロントガラスの間には空気がとおっていない、いわゆる真空状態だ...そして君の目の前には大気圧がかかっている...そんな状況でもし、暴れてフロントガラスが粉砕したらどうなると思う?...」
雅視は右手を握りその拳に魔力を溜めるそしてその拳を振りかざす構えをとりこう言った。

「君はハリセンボンになるのさぁ...」
そう言って雅視は拳をマッハの速度で振りかざす。

(これはヤバい!!!!)
バゴォォォォォォォン!!!!!!!!!!!
耳に響く爆発音が鳴り響き...凄い量の煙、吹雪のように舞う火花が練と雅視を包み込む...

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