Licht・Ritter:リッチ・リッター

∞云エンド∞

10話 <Mein Lieblingsgesicht:好きな顔>

練は姫虎の願望空間ヴンシュラオムをなんとか切り抜け元の世界へ戻った。
願望空間ヴンシュラオムを抜けた先には灯里がただただ立っていたそして、灯里は心配そうにただただ練を見つめながらこう言った。

「耀...くん?耀くん!!」
そう言って灯里は練に抱きついた...灯里はおそらく嬉しかったのだろう、期待を裏切られなかった、その思いが大きかったのであろう、灯里は嬉しさのあまり練を更に強く抱きついた。
そうされた練は痛そうにこう言った。

「痛っ!!おい!!やめろって!!」
「だって...だって!!!!」
灯里の目は潤っていた。
それに気づいた練はこう言った。

「お前...泣いて...」
「泣いてなんかないよ...」
そう言って灯里は笑顔を見せた。
だが、それは束の間の出来事だった、灯里は姫虎の言っていたある言葉を思い出した。
「そういえば...あの...咲妃...かしら...今は体育倉庫の中だわ...助けはもうこない...残念ね...ふふっ!!」
咲妃の事だった...灯里はそれに気づき、練にこう言う。

「耀くん!!」
「ど、どうした?」
「咲妃が...体育倉庫に!!!!」
(!?)
練は驚いた。

「どうしよう、私の相手をしたせいで...咲妃は...」
「大丈夫!!行ってやるよ!」
まだボロボロなのに、練はお構い無しにそう言う。
その様子を見て気を使ったのか灯里はこう言う。

「え!?そんな体で大丈夫なの!?」
「大丈夫だ!!問題ない!!じゃなくて...お前の友達なんだろ?そりゃあ助けるだろ...」
「耀くん...」
灯里は感動した...ただそうしている場合ではないと思い、練はこう言う。

「おい!!こんなとこでグズグズしてる場合じゃないだろ?急ぐぞ!」
「わ、分かった!」
そう言って、練達は生徒会室をでて廊下をかけ走った。
灯里の頭では咲妃との最近の思い出...中学時代の時の咲妃との思い出がスライドショーのように流れた、咲妃を失いたくない...ずっと一緒にいたい...その気持ちで灯里はいっぱいいっぱいだった...
その時...
2人の男が廊下の曲がり角からスっとでてくる、練達は立ち止まり、練は男達にこう言った。

「誰だ!!あぁあ...そろそろ気力が...」
男達がこう言った。

「俺達は!!あの方にお前達を排除しろと頼まれたものだ...ちなみに俺は!!森原 鬼壊もりはら きかい
「あの方って...王道だねぇ...」
「うるせぇ...怪奇 遊助かいき ゆうすけとりあえず潰すんだ...」
「なんでフルネームなんだよぉ...遊助でいいってぇ...」
練は相変わらず呆れた様子だが、灯里は違った、もう無理だと思ってしまった、次から次へと来る狂気...それに疲れて...途方に暮れていた...
その時...
 トンっと誰かが灯里の肩を叩いた...
練だった...
次の瞬間、練は灯里にこう行った。

「灯里...ここは俺が食い止める...お前は先に行け...」
「い、嫌だ!!」
灯里は練に対抗するようにそう言った、それに続けてまた灯里はこう言った。

「耀くんはいつもそう!!困ってる人を助けて...それが例え赤の他人であっても...しかも、自分は死んでもいいって...そんなの!!馬鹿げてる!!!!もっと自分を大切にしなよ!!耀くんにはいっぱい生きて欲しい!!!!生きてて欲しいんだよ!!!!」
「...」
練は黙り込む...まるで灯里の言ってることが当たり前だと受け入れるように。
人とは命を1番大切にする、それは当たり前のことで大変素晴らしいことだ...ただ、練は違った。

「うるせぇ...」
「え?」
いつの間にか灯里は練に抱かれていた...
敵の前にも関わらず...ぎゅっと...優しく...抱かれていた...そして次の瞬間、練は灯里にこう言った。

「俺はお前の笑顔を守りたい...お前を守りたい訳じゃない...」
「うん....」
灯里は少し頬が赤くなった、少し恥ずかしかったのだ。
しかし次の瞬間、練は灯里にこう言った。

「お前をずっと見てて...分かったんだ、お前には笑顔が1番似合っている...好きな奴には...好きな顔をして欲しい...俺はお前の笑顔が好きだ...」
「耀...くん?」
「か、勘違いすんな!2回目だけど、お前の笑顔が好きなだけだ!」
灯里は笑顔になる...その様子を見て練がほっとした瞬間。

「耀くん!!」
シュゥゥゥン!!!!!
練と灯里に凄い速さで気団が襲いかかる。
練はそれに気づくと灯里を安全へ「危ない!!」といい突き飛ばす。
ドガァァァァァァァン!!!!

「耀くぅぅぅん!!!!!!!!!」
灯里はそう叫ぶ...
その様子を見て鬼壊はこう言う。

「茶番劇は終わりだ...耀 練!!!!って...」
それに続けて遊助はこう言った。

「もう...死んだねぇ?」

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