Licht・Ritter:リッチ・リッター

∞云エンド∞

4話 <Eine Wichtige Person:大切な人>

練にとっての高校生活初日が終わり、放課後の皆は部活に励んだり、学校が終わってはしゃぎながら帰る人がいた。

その中でもやはり灯里は1人だった。

誰も灯里に話しかけたりはしない。
まるで公園に孤立して生えている木みたいだった。
灯里はいつもより暗く、まるで1人を望んでいるように歩いている。

まだ夕方ちかい時刻なのに、周りが暗く感じる。
絶望、不快、暗い...この世のあらゆる悪い思いが...圧力をかけてくるように感じた。

そこに...

肩にトンッ...と優しく叩かれた様なきがした…

その瞬間、灯里の周りの闇が消え去っていくような気がした。

「だ、誰?」
灯里は後ろを振り返りそういった。

そこには、灯里の親友が居た。

咲妃さき!?」
灯里は驚いてそう言うと咲妃はこう言った。

「おっす!灯里!!」

そして、2人は河川敷の階段に並んで座った。
そして、真っ先に咲紀は質問した。

「最近、どう?」
咲紀は心配そうにこちらを見ている。
灯里は咲紀を安心させようとこう言った。

「だ、大丈夫だよ!別に前とあまり変わらないし、エスカレートしたりはいないでしょ!」
「私以外の誰かに話さないの?エスカレートしないって事もないんだぜ?なんせ、相手は有名な財団の生徒なんだから。」
灯里はいつものように下を向く、咲紀はその様子を見て心配する。
光の眼差しが徐々に闇に消えてゆく…
灯里は一瞬にして希望が葬り去られた気がした。
その時...

「なぁ...灯里...大丈夫だぜ?」
その咲紀の言葉に灯里は心を優しく包み込まれたかのように感じた。

「俺は、お前の事、友達...いや...親友として好きだ。」
「え?」
灯里は少し戸惑いをみせる...しかし、灯里は少し嬉しかった…

「もしなにかあったら俺のところ来いよな?もう、ムシャクシャするのもめんどくさい!灯里!!今までやられた事を全部話せよ!全部受け止めてやる!」
その言葉に灯里は感激した...いつの日だろうか、こんなにも嬉しい気持ちになったのは...灯里はそういう気持ちだった。

そこから灯里は思う存分咲紀に話した。

楽しかった。

嬉しかった。

いつもと違う...明るい雰囲気...
そんな中に灯里はやっと溶け込めた…
灯里は嬉しかった…とにかく嬉しかった…
必死だった、嬉しさのあまり長話になってしまった。
気づけば夜だった。

「あぁ...思う存分話せたから嬉しかったぁ...」
「俺もお前の事をだいたい知れて良かったぜぇ...」
2人とも疲れていた…そして2人で笑った…

灯里はこの時、大切な存在を知れた…
これが...

〜大切な人〜

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