Licht・Ritter:リッチ・リッター

∞云エンド∞

2話 <Dunkel:闇>

灯里が帰り始めてからそこまで遠くない距離だったのですぐに高校には着くことが出来た。

しかし、さっきから周りの目線が気になる。
そこで、灯里は思った。

(さっきから気が動転していて気付かなかったけど、この練っていう人...結構イケメンだぁ...そりゃあ見られるよぉ、こんな私服着たイケメンがこの私の隣に居るんだもん...絶対他校の彼氏って思われてるよォ...)
次第に灯里の顔が赤くなり練はそれに問いかける。

「なんでそんなに顔が赤いんだ?でもまぁさっきから目線がぁ...」
そう言いかけたところで4人の女子達が一斉に練の元に集まってきた。

その瞬間灯里は顔色が悪くなり黙り込んだ。

そんな事に気付かずに練に夢中になっている女子達の1人が元気そうにこう言った。

「私、白鳥 姫虎しらとり ひめこ!!!あなた名前は?どこの高校!?」

「あぁ...今日はこの高校の校長に話をしに来たんだけど...で、なんでそんなに俺らに目線が集まってるの?」

「かっこいいからよ!ここの高校の男子ってあまり花が無くて、確かにこの高校にもかっこいい人居るんだけど人数が少ないの...」

「うーん...その言い方はあまり良くないけど...まぁとりあえず職員室ってどこか分かるかな?」

「分かったわ!!!私が直接連れて行ってあげる!!!」
ここで練は灯里の様子が変な事に気付く。

「ん?灯里?どうした?」
周りの女子達は気を遣いこう言う。

「どうしたの?灯里ちゃん?保健室連れて行こうか?」
灯里が返答する前に練がこう言った。

「そんな事より早く連れて行ってくれないか?頼む!!」
そう言われて姫虎以外の3人の女子は慌てて灯里を連れて行った。
心配した様子で姫虎はこう言った。

「あぁ...どうしたんだろ灯里ちゃん、と、とりあえず...職員室行こっか!!」
心配と動揺が混ざった感じで練はおうと言い灯里が保健室に行っている間に練は姫虎と一緒に職員室に行く事になった。

校舎の廊下の窓からはオレンジ色の日光を放っている、こうしてる間にもう夕方かと実感する練であった。
そう思っている間に職員室の扉の前に着いた。
練は職員室に入ってしばらく校長との面談を終わらせて職員室を出た、気付いたら空はもう薄暗く、中庭の街灯は優しい光を放っていた。

待っていると言っていた姫虎も、もう周りに居なくなっていた。

練はそんな事よりも灯里の様子が心配だった。

校舎内を探し回っているとに四階の廊下の窓から外を眺めている灯里が居た。
その顔は少し暗く、さっきの様な元気がなかった。
練は余計に心配して灯里に駆け寄ってこう言った。

「灯里!!!急にどうした?心配したぞ?」
灯里は更に表情を暗くし、こう言った。

「もう高校の場所は分かったでしょ?もう私に関わらないで!」
声が震えていたと同時に少し足が震えているのにも思えた。
それはまるで、産まれたての子馬みたいだった。
練は更に心配してこう問いかけた。

「お前どうした?何があっ...」
練が問いかけようとした瞬間、灯里は逃げる様に走ってどこかへ行ってしまった...

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