頼む!誰かこの不幸な俺を幸運にしてくれ!

イエ介

第10話 逃れろ!最悪の結末を!

「くそ!離れろー!」
俺は今、ベッドに押し倒されていた。幸運の女神、ラックに。
「さ、キスしましょ?翔太様?」
ラックは頬を赤く染めながら、恥ずかしそうに言ってくる。
「嫌だっつってんだろっ!」
俺の言うことを聞かないラックは、さらに顔をこちらに近づけてきた。もうあと数センチという距離だ。
「痛くないですよ?」
「そういうこと言ってんじゃねえ!」
何も分かってないなこいつ!くそっ!とにかく離れなければ!本当にキスされる!
 俺は必死の抵抗を試みた。だが、ビクともしない。なんつー馬鹿力だ。
「私は嫌じゃないですよ?」
「俺は嫌なんだよー!」
ここまで言ってもラックはやめようとしない。
 というか、なんかもうキス顔し始めてるんだけど!?
 くそっ!万事休すか…!
 俺が抵抗を諦めようとした、その時。
『ピンポーン!』
「「!?」」
急なインターホンの音に、ラックは驚き、一瞬力を緩めた。
「どりゃあああああああ!!」
俺は咆哮とともにラックを全力で突き飛ばした。
「キャッ!」
ラックが短く悲鳴をあげてベッドから落下した。
「よっしゃあああ!ナイスタイミング!」
押さえきれない気持ちを叫び、俺は玄関に走っていった。
 とにかく、インターホンを押してくれた人に全力のお礼をしよう!
 俺はそう心に決め、玄関を凄い勢いで開けた。
「何のご用ですか?」
俺は満面の笑みで勢いそのままにインターホンを押した人に問いかけた。
「どうしたの?翔ちゃん」
「……!」
そこに立っていたのは、クラスメイトの完璧美少女、川井小田名だった。
 ってか!何でうちに来たんだ!?
 俺には心当たりがなかった。だが、なんらかの用事があるから来たのだろう。だから、俺は用件を聞くことにした。
「えと…何で来たの?」
「ええ!?忘れたの!?今日翔ちゃんの家で勉強会しようって誘ってきたの翔ちゃんなのに!?」
 !?あ、ありゃ!?その予定今日だったっけか?完全に忘れてた!
 ……思い返してみると、確かに今日だったかもしれない。
「わ、悪い!忘れてた!」
「酷いよ翔ちゃん!」
「本当にごめん!」
俺は精一杯の誠意を見せた。すると、小田名は笑顔で言ってきた。
「もう大丈夫だよ。それより、友達も連れてきちゃったから、準備するなら早めにお願いね?」
さすが小田名!優しいなあ。よし!さっさと準備を……って、え?友達も連れてきた?
「もうちょっと待っててだって、琴子ちゃん・・・・・
え?ちょっ!ええ!?
 小田名が連れてきた友達は、よりにもよって琴子だった。

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