頼む!誰かこの不幸な俺を幸運にしてくれ!

イエ介

第9話 アホな女神

「うう…痛ぇ…」
俺は、まだズキズキと痛む腹をおさえていた。
 俺の腹を蹴った女子生徒。名前は小野琴子おのことこという。身長が低く小柄で、顔は校内で1位2位を争うほど可愛い。茶髪のロングヘアーを背中まで垂らしている。
 ここまで聞く分にはすげえ美少女だ。だがしかし、彼女にはある欠点がある。
 性格が男っぽいのだ。
 いや、別にそれは良いんだ。話しやすいし、男子からの人気もすごい。ただ、暴力が多いのだ。
 しかも俺にだけ。理不尽じゃね?
 まあ多分、あいつは俺のことが嫌いなんだろう。すぐ蹴ってくるし、今回のトイレの件でもっと好感度下がったな。
「翔太様、お腹どうしたんですか?」
今俺は自分の部屋のベッドに座っている。そして、俺の隣にラックが座っているという状況だ。
「話したくもねえ」
俺の発言を聞いたラックは少し考え込んで、ハッ!とこちらを見た。
「もしかして翔太様……生理ですか?」
「男だよ!?」
マジかこいつ!正気の沙汰じゃねえぞ!?
「それならそうと言ってくださいよ~。先輩である私が何でも教えてあげますよ?」
「いやだから違えって!」
何だその先輩面は?すげえ殴りたいんだが。
「違うんですか?」
「当たり前だろっ!」
ラックはキョトンとした顔を俺に向けてくる。
「まあまあ、恥ずかしがらずに!じゃあ手順を教えますね?まず…」
「だから違えっつってんだろっ!」
俺はラックを部屋から追い出し、ドアを全力で押さえた。
「翔太様~、入れてくださいよ~」
おそらく泣き目なのだろう。グスッと鼻をならしている。
「お前が悪いんだよこのアホ!自分の部屋で指でもしゃぶってろ!」
「翔太様の指ならしゃぶれます!」
なに自信満々に問題発言してくれてんの!?
「ですから入れてくださいよ~」
「余計入れたくなくなったわ!」
ラックがしきりにドアノブをガチャガチャしている。
 と、急に静かになった。気配すら感じない。
 ……ようやく諦めたか?
 俺は押さえていたドアから離れ、ベッドに腰かけた。
「隙あり!」
勢いよくドアをあけ、ラックが部屋に入ってきた。
 くそ!こいついなくなったフリしてやがったな!
 ラックはその勢いをおとすことなく、俺に抱きついてきた。
「おわっ!!」
勢いに押され、俺はベッドに押し倒された。なお、ラックはまだ抱きついたままだ。
「おい!離れろ!」
「嫌です!」
ラックをどかそうとするが、思った以上に力が強く、どかすことができない。
 ラックは、抱きついたまま顔をこちらに向けてきた。
「翔太様…キスして良いですか…?」
「駄目に決まってるだろうがーーーー!」
俺は全力で叫んだ。

「頼む!誰かこの不幸な俺を幸運にしてくれ!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「学園」の人気作品

コメント

コメントを書く