頼む!誰かこの不幸な俺を幸運にしてくれ!

イエ介

第8話 人生初の視線

「どはーーー」
帰りのあいさつが終わった瞬間、俺は椅子にもたれ掛かった。
 疲れた!めっちゃ疲れた!何!?何なのマジで!
 今もそうだ!授業中も、皆が俺を見てきた……いや、正確には睨んできた、か。
 全然授業に集中できないし!まあ、さらさら集中する気は無いわけだが…。
「さ、帰りましょう!翔太様!」
ラックが俺に話しかけた瞬間、皆の視線が異常な程強くなった。こんな目で見られるの人生初だよ!
「……?どうしました?」
どうしたもこうしたもねえ!と言ってやりたい。でも言えない。言った瞬間、俺の処刑が確定する。
 俺は、精一杯の返事をした。
「先帰ってろ」
「嫌です!」
空気読めアホ!お前この視線が集まってる状態で「うん一緒に帰ろうぜー(笑)」何て言えるわけないだろ!言った瞬間死ぬんだよ!俺が!
 ……くそ!こうなりゃ最終手段だ!
 俺は超スピードで席をあとにし、全速力でラックから逃げた。
「な!?ま、待ってください!翔太様~!」
ラックが叫びながら追いかけてくる。
 俺は振り返らず、全速力で廊下を駆け抜け、曲がり角のところでトイレに逃げ込んだ。
「翔太様~!」
ラックは俺がトイレに逃げ込んだことに気付かず、そのまま帰路へ走って行った。
 ラックがいなくなったのを確認し、俺はトイレの壁に寄りかかり、一息ついた。
「ふう~。これで一件落ちゃ……?」
あれ?この学校のトイレってこんな構造だっけ?工事もしてなかったよな…?
 ジャー!と水を流す音がなり、トイレの個室の扉が開いた。
「どおっ!?」
俺は出てきた生徒を見て目を疑った。
 出てきたのは女子生徒である。
「な……な…!」
出てきた女子生徒は、俺を見た瞬間、顔を真っ赤にして口をあわあわさせている。
 俺は急いでトイレを出て、標識を見た。
 ……あ~。こりゃあかんやつだな。
 そこには、女子トイレと書かれた標識があった。全力で走っていたため、気が付かなかったのだ。
 まあ、事情を話せば許してくれるだろ…う?
 気付くと、その女子生徒は俺の目の前に立っていた。それも、顔を鬼の形相にして。
「あ、あ~。え~とですね?これには深いわけが…」
「死ねぇ!!」
「ゴフゥ!」
俺の言い訳を聞こうともせず、女子生徒は俺を全力で蹴ってきた。
 くう…!言い訳ぐらい聞いてくれたって良いじゃないか…。
「二度と近づくな変態」
彼女はそう言い捨ててこの場をあとにした。
 彼女の名前は……。
 もう読むの疲れてきただろうから、彼女の紹介は次回にしよう。
 俺は、蹴られた腹をさすった。

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