頼む!誰かこの不幸な俺を幸運にしてくれ!

イエ介

第1話 俺のもとにやって来た幸運の神

「え~と…どちら様?」
 起き上がった俺は目の前の美少女に問いかけた。
「私は幸運の女神、ラックです!翔太様を助けに参りました」
 彼女は満面の笑みで明るく答えてくる。
 いやいや、女神って何だよ?もしかして本当にヤバい子なのか?だとしたらとりあえず警察に連絡を…
 俺は警察に連絡しようとスマホを手に取った。
 それを見た彼女は慌てて言ってくる。
「待ってください まさか警察に連絡しようだとか思ってませんよね?」
「そのつもりだが?」
 俺の返答を聞いた瞬間、彼女は慌てて俺のスマホを奪い取った。
「おいおい何すんだよ」
 俺は取られたスマホを取り返そうと彼女に手をのばした。
「何すんだよじゃありませんよ!私はあなたを助けに来たんですよ 」
 泣き目になりながら必死に抵抗する彼女。
 俺は分かった分かったと彼女をなだめながらある一つの疑問を投げ掛けた。
「んで?女神がどうのこうのって言ってたけど、どういう事なの?」
 彼女はまだ泣き目のまま答えた。
「はい、一から話すと長くなるので簡単に説明します。私は天界からやって来た幸運の女神なんです」
 いや、いきなり分からないんだが。
「最近、運が悪いなーと思ったことはありませんか?」
 充分に心当たりある。
「あ、あぁ。確かに」
「何故かは分かりませんが、最近あなたは運が逃げていってるんです。丁度一ヶ月前位からですね」
 心当たりありすぎる。
「そこで、あなたの逃げていってしまった幸運を取り戻すために私はあなたのもとにやって参りました」
 ほうほう。なるほど。全然分からないな。
 だが、一つ分かった事がある。
「つまり、不法侵入の言い訳が思い付かないから、そんなつまらない作り話で俺を騙すつもりなんだな」
「違いますからー!」
 彼女は泣き目で答える。
 いや、信じられるわけねーっつの!俺もそこまで馬鹿じゃない。
「では、神である証拠を見せますから!これで信じてください!」
 彼女はそう言うと、右手を俺の方に向けてきた。
「スペースタイムオペレーション!」
 彼女がそう叫んだとたん、窓から差し込む太陽が俺を照らしてきた。
「うお!?」
 驚きのあまり声が出てしまった。
 慌てて外に出る。
 信じられなかった。目の前の光景に釘付けになっていた。
 朝になっていたのだ。
「こ、これどういう事だよ!?」
「時を操りました。ここは次の日の朝です。」
 彼女は自慢気に答えた。
 いや、え!?いやいやいや!嘘だろ!?
 いきなりの出来事に俺は混乱していた。
 そして、彼女が神であることを確信したとき、俺は恐怖で怯えていた。
 目の前にいるのは紛れもない神だ。あり得ない現象を受け入れられずにまだ頭は混乱している。
 そんな俺を見て彼女は言った。
「恐がらないでください。大丈夫です。私はあなたに危害は加えません。私はあなたを助けに来たのですから。」
 そう言って俺の方に歩み寄ってくる。
「うわあああ!!来るなああああ!!」
 あまりの恐怖に、俺はその場で気絶した。

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