記憶

「どう？どっか行く宛てある？」
名代が早坂に聞くと
「全く思いつかない」
「そっか～」
と、話ながらもキョロキョロと辺りを見回すが
見つからず結局時間になり再び合流した

「ダメだ、居なかった」
京極が言う
「こっち側も居なかったよ」
名代も言う

しばらく、全員が黙っていると
「やみくもに探しても見つからないし
そもそも、家に帰ってる可能性もあるから
明日、来ることを祈って帰るとするか」
「そうだね」
「わかった」

その場で解散となり
それぞれ家に帰った

「ねぇ結奈ちゃん、咲宮君何があったんだろうね」
「今日、会ったばっかりだから
何もわからないんだよね」
「そうだよね、ごめん
それじゃあ、また、明日」
「うん、明日」
二人で手を振って別れる

────あの場所だ

ふと、頭の中にいつか見た光景が頭の中に流れる

───あの人はあそこにいる