右目を無くした少年の恋のお話

Akisan

失踪

──ドンッ!
と、何かがぶつかる音がした

「悪いな、黙って貰えるか?
咲宮トモダチの悪口は嫌いなんだ」
京極が今までに見たこと無い顔で睨み付け
胸ぐらを掴み壁へと押し当てている

「良いのか?お前に黙ってたんだぞ?」
焦りの色が目立つ顔でそう言うが

「話したくないなら話さなくて良い
誰にだって隠したい過去はあるもんだ」
京極は気にした様子もなくそう言い放った

「チッ!つまんねぇな」
乱暴に京極の腕を振り払ってどこかへ歩いていった

「平気か?咲宮──ッ!」
「お待たせ~」
「トイレ混んでてさ~ってあれ、咲宮君は?」
女子二人が持ってくるとそこには
血相を変えた京極がいた

「咲宮がいなくなった!」
「え?トイレじゃなくて?」
「違っ…あぁ!もう!とりあえず探せ!」

三人で別れてゲームセンター内を探す
「クソっ、アイツどこに行きやがった!」
UFOキャッチャーの並びを歩き探す
(咲宮の中学ん時のヤツが何か言ったせいか)
頭の中にはあの時の咲宮の顔があった
(別に気にしねぇのに!)
そう思いながら探していると

───ピリリリリッ
と、持っていたスマホが鳴った

「名代か!どうだ!」
『こっちのフロアには居ないみたい』
「そうか、わかった、1回合流しよう」
『了解』



「どこ行ったんだ!咲宮のヤツ」
「そろそろ何があったか教えてくれないかな
何か隠してるのはわかってるんだけど」
名代に聞かれ京極は焦った
(多分、知られたくないよな隠してるくらいだし)

「すまん、訳あって話すことは出来ない」
「訳ありねぇ、だったら深くは聞かないけど
どっか行きそうな所はないの?
あんた咲宮の友達なんでしょ?」
「全く思いつかない」
「家は?」
「知らない」
「…何か、ごめんね」
「…謝るんじゃねぇよ」

「明日、学校来るの待つしかないね」
早坂のその提案にただ、うなずくしか出来なかった

「右目を無くした少年の恋のお話」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く