右目を無くした少年の恋のお話

Akisan

望まぬ再開

「逃がすかぁ!待て咲宮!」
「それで待つやつは居ない!」
「そのやり取り良くやってるね」
「後ろにも注意だよ!京極くん!」

とあるレースゲームで白熱している

アイテムを使い妨害したり攻撃したりして
一位を目指すゲームである

「くっそー!結局最下位かよ!」
京極が騒いでいる

「いやー、咲宮強いね」
「ねー!手も足も出なかったよ!」
名代と早坂が誉めてくる

「別に、京極が全部的になったから」
「そう!つまり俺のお陰と言っても過言では─」
「「それは、違うね」」
 女子二人して否定され京極が上を向いている

「さて、次はどうしよっか」
早坂が次へ向かおうとすると

「あ、俺トイレいきたい」
京極がそう言った
「じゃあ、少し休憩しようか」
名代の提案で各々休憩を取ることになった



「そう言えば咲宮ってゲーム強いんだな」
「そんなことはない、お前が弱いだけだ」

女子達のトイレ休憩を待っている間
自販機で飲み物を買い、飲みながら話していると

「あれ~?咲宮じゃん!」
誰かに名前を呼ばれた
声の方を向くと制服を着崩し
髪を金色にした同い年ぐらいの男が立っていた
「──っ!」
残念ながら名前は覚えてないが
昔の記憶がフラッシュバックする

「この人誰だ?」
「俺は咲宮コイツの中学ん時の親友」
「そりゃどうも」
「そう言うあんたは?」
「今の友達」
「お、友達出来たんだ~、良かったな咲宮君?」
まとわりつくような話し方をしながら
こちらを見てくる 

「あ、知ってる?コイツ実は─」
「その話は─!」
隠したい過去を語られそうになり
止めようとしたが声は届かず

「右目が見えなくてさぁ
コイツ中学ん時に──ッ!」
知られてしまった、そう思い目をそらすと

───ドンッ!
と、何かがぶつかる音と共に言葉が途切れた

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