僕と彼女の物語
訪問
「ふうかちゃん今日も部活こないね、ゆずちゃん、ふうかちゃんどうしたの?」
ここみ先輩がゆずに尋ねる。
横では僕とはるかが気まずそうな感じで立っていた。
「えーと、ふうかちゃん今、失恋しちゃってて、とても部活って感じじゃないんですよ」
「そうなんだ、残念だね。それにしてもふうかちゃんを振るなんて信じられないな、相手の顔が見てみたい」
すみません、僕です。僕の横ではるかが必死に笑いを堪えていた。
部活が終わり僕はゆずに話しかける。
「ねえ、ふうかの調子はどうなの?」
「それが、ふうかちゃん私にもあまり話してくれなくて」
「そっか…」
僕の思いはふうかへの申し訳なさで一杯だった。
「今からふうかちゃんの家に行くんだけどしゅう君もくる?」
ゆずが僕に言う。僕は流石に女子の家に突然押しかけるのはどうかと思ったが、今のままではいけないと思ったので行くことにした。
「一緒に行かせてください」
「わかった。じゃあ着替えて校門の前に集合ね」
そういいゆずは着替えるために部室に入っていった。
僕も部室で着替える。
着替えを終え、僕は校門に向かった。
「あっ、やっときた」
「あれ?はるかも一緒に行くの?」
「うん。ふうかちゃんのこと気になるし」
「じゃあ行きましょうか」
ゆずがそう言い歩き出す。僕とはるかもゆずについて行く。
「でかっ」
僕の前に聳え立つ屋敷を見てつい呟いてしまった。
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