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僕と彼女の物語

りゅう

恋愛相談





時は少し遡り…

2月28日

卒業を間近にした中学生達はここぞとばかりに好きな人に告白するシーズンだ。

私には特に好きな人はいなかった。

「ねえねえ、りんちゃん、恋愛相談に乗ってくれない?」

クラスメイトの女の子が話しかけてくる。

「いいけど、私なんかでいいの?」

「うん。りんちゃん可愛いし、そういう経験豊富そうだから」

「そうかな?」

「そうだよ〜」

実を言うと私は今まで1度も誰かと付き合ったことがない。
何故かみんな私に恋愛相談をしてくるがよくわからない。

今日も相談されたがよくわからなかった。
もちろん精一杯相談には乗るがよくわからない。

「はあ〜なんか疲れるな〜」

私は家に帰り、ベッドに横になる。
毎日毎日、慣れない恋愛相談に乗ってかなり疲れる。
毎年、バレンタインやホワイトデーのシーズンになるとたまに相談されることがあったが私に恋愛相談した人はほとんど恋が実るらしい。それで何故か私の元に恋愛相談する人が増えてしまった。



翌日

私はいつも通り学校に行った。
卒業が近いため授業はなく、卒業式の練習を少しして終わりだ。

「やっと、終わった〜」

「校長、練習なのに話長すぎでしょ」

様々な声が周囲から聞こえてくる。

私はさっさと帰ろうと急いで帰りの用意をしていた。
またいつもみたいに恋愛相談させられるとめんどくさいし…

「りんちゃん、りく君が呼んでるよ」

「りく君が?」

りく君とは1・2年の時同じクラスだった。
何度か隣の席になってそこそこ仲が良かった。

「何か用?」

「あっ、うん…ちょっと相談したいことがあるんだけど…」

りく君が少し顔を赤くしながら言う。
またいつもの恋愛相談か…

そう思いながら私はりく君と教室を出て人気のない場所に移動する。










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