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One’s day off-Sakura-

嘉禄(かろく)

Three persons worldly-wise man

とある夏の日の夜、俺と鯰尾は璃斗に指定された静かな街の一角に来た。

「いやー、夜になっても蒸し暑いなぁ…。」
「ほんと、うだる暑さだよね。
それにしても、璃斗から飲みに誘われるなんて珍しいな。」

そう、俺たちがここに来たのは飲みに誘われたからだ。
いつもは俺や鯰尾が誘ってばかりで、璃斗には付き合ってもらってたし大体瑠衣も付いて来るからそれぞれに相方がいない状態での飲み自体珍しかった。

「けど、こんな静かな街の一角に飲み屋あるなんて知らなかったよ。ていうかビルしか見えないんだけど…?」
「そうだね…あ、来たみたい。」

待ち合わせの時間ちょうどに璃斗が現れた。

「すみません、お待たせしました。
瑠衣は長谷部と有賀さんと飲みに行ってるんですけど、ギリギリになってやっぱこっちに来るって言い出して…説得に時間がかかりました。」
「またわがまま言われたんだね、お疲れ様。
今日は付き合うから愚痴でも惚気でもなんでも聞くよ。」
「ありがとうございます、お店はこっちです。」

俺たちは璃斗について近くのビルに入った。
少し狭いエレベーターに乗り、10階で降りるとそこは既に隠れ家的で静かな居酒屋だった。
適当に窓際のテーブル席に着き、注文を済ませて乾杯する。

「こういう隠れ家的なお店初めて来たよ、すごく静かで璃斗が好きなのが分かる。」
「ほんとそれ、いつもは1人で来てるんですか?」
「気に入ってもらえてよかった、いつもは1人で来てます。1人になりたい時が偶にあって。
任務で疲れた時とか、瑠衣が他の人と飲みに行った時とかはいつもここで。」
「そうなんだ…。」

例え大好きな双子の弟でも、やっぱり息抜きしたくなる時はあるんだなぁ。
お守り大変そうだもんね…璃斗の努力あって瑠衣はああしていられるからね。

飲み始めて少し経つと鯰尾がいつも通りダウンしちゃったから休ませつつ2人で飲んでたら、窓の外で花火が上がった。

「あ、花火だ。」
「そういえば今日は花火大会でしたね、ここは開けてるからよく見えます。」
「鯰尾見て、花火上がってるよ。」
「んー…?ほんとだ、花火だ!綺麗だね、いつにい!」

鯰尾を起こすと、花火を見て一気に覚醒して目を輝かせた。
そのまま花火が終わるまで俺たちは何を話すでもなく静かに飲んで静かに解散した。

特別何かを語らなくても伝わることはある。
寄り添うだけでも楽にしてあげられる時もある。
今日は楽しかった、今度は俺だけの行きつけに誘ってみようと決めて鯰尾を支えて帰った。

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