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One’s day off-Sakura-

嘉禄(かろく)

Twins calm day-to-day

今日は久しぶりのオフ、何も任務が入っていない日。
本当は本を読んだり鎌の手入れをしたり、終わってないパズルを解こうとスケジュールを立てていたんだけど…何故か俺は双子の弟に手を引かれてゲームセンターにいた。

遡ること、一時間前…チャーチの俺たちの部屋で本棚を前に何を読もうか選んでいた時のことだった。

「璃斗、また本読むの?外行こうよーねーつまんないー。」
「また、って…今日はまだ一冊も読んでないよ。
それに今日は趣味に費やそうと…」
「つーまーんーなーいー!どっか行こう、息が詰まる!」
「…仕方ないな、分かったよ。どこ行きたいの?」
「やったね、ゲーセン行こう!」
「…は?」

この会話ののち、無理矢理準備をさせられて外に連れ出され今に至る。
ゲームセンターか、こんなに騒がしいところ来るの久しぶりすぎて…外に出るにしても、静かなところが良かったなぁと思っているけれど瑠衣の目がこれ以上ないくらいに輝いているから聞き入れてくれないだろう。
というか、別のところに行こうって言い出そうものなら…

『え、なんで?璃斗がいいよって言ったからここ来たのに?やだ、璃斗と遊ぶのー!!!!!』

…と、勝手に俺がゲームセンターでいいよと言ったという脳内変換をして駄々をこね始めるので黙っておくに越したことはない。
瑠衣のお守りは慣れてるどこの話じゃないけど、不要な労力は消費しないに限る。

「…それで、どれで遊ぶの?」
「えっと、璃斗も一緒に出来るやつがいいから…
まずはあれ!」

瑠衣は太鼓のゲームを指差して俺の手を引いて駆け出す。走らなくても逃げないのに…。

それが終わったと思ったら次はUFOキャッチャー。
欲しかったぬいぐるみを見つけて取ろうと躍起になって、自分じゃ上手くいかなくて結局俺が取ってあげた。
まぁそれは瑠衣が嬉しそうだからいいんだけど…。
その次はエアホッケー対決。
けど、俺たちはお互いの手を読みあっちゃうからいつまで経っても終わらなくて店員に止められた。
勝敗が決まらなくてふくれっ面をする瑠衣を宥めるのは大変だった。
その後も瑠衣が満足するまでゲームセンターに居続け、気づくと夕方になっていた。

「あ、もうこんな時間。そろそろ帰ろっか、璃斗。」
「そうだね、瑠衣。」

夕日が街を照らす中、俺たちは手を繋いでチャーチまで歩き出す。
瑠衣が珍しく静かだなと思ったら、突然目の前にクマのぬいぐるみを差し出してきた。

「璃斗、これあげる!」
「…これ、俺があげたやつじゃ…あれ?」

よく見るとデザインが違う。もしかして…

「途中で俺がちょっと待っててって言った時あったでしょ?あの時に頑張って取ったんだ、すげーだろ!」
「…俺のため?」
「当たり前じゃん、今日は璃斗のスケジュールぶっちぎって付き合ってもらったからね。今日はありがとな。」

夕日に照らされた瑠衣の笑顔を見て、俺も微笑んだ。

「ううん、ありがとう瑠衣。嬉しいよ、大切にする。」

そこからは、右手には君の手を、左手にはもらったぬいぐるみを抱きしめて帰った。
確かに、偶にはこういうのも悪くない。
そう思って俺はこっそり微笑んだ。

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