Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜

ニムル

クソザコナメクジはお好きですか?

 降り注ぐ流星の雨を白黒の2本の剣で砕き、その破片をサイコキネシスで固めて星に天井を作る。

 もはや自分の能力なんでもありだなと思ったが、割と元からそんな気がしたので思考の端に全てを放置してなんとか解決策を考える。

『おい貴様、俺は希望の力だぜ? 人ひとりの希望だろうが大衆の希望だろうがなんでも叶える万能の存在だァ。そんな俺が貴様の中にいるというのだから、貴様も気づくといい。能力の制限などもうないだろ?』

 いや、さっぱり何を言ってるかわからないんですけど……

『とにかくこの現状をなんとかできる能力を使えって言ってるんだ! 俺が貴様の望むようにその能力を改変する』

 はぁ?

『いいからなにか使え! あるだろなにか便利なの。貴様の中に入った時に薄々は気づいてるから遠慮はするな!』

 あー、はいはい、ちょっとだけだぞ……

 まったく、本当に面倒くさいものを体内に飼い始めてしまったらしい。

「オーバーライト!」

 副作用さえなければ便利スキルのオーバーライトを使って、一時的に隕石が降っていないという事象を上書きする。

 維持出来る時間が短いので現状厳しいことに変わりはないだろうが、それでも何もしないよりはマシだったし、中のうるさいのを黙らせる意味もあるので時間のことは一旦試行の隅に放棄しておくことにした。

 全身にあった軽い疲労の感覚が徐々に遠のき、オーバーライト特有の興奮しているような状態が起こる。

 普段ならネガティブな方向に思考が加速するのだが、何故か今回はそのようなことは無く、冷静な思考を行うことが出来ている。

能力改編リオーガナイゼーション

 エルピスが何かを呟いたかと思うと、いつもならそろそろ来るはずの頭痛や過剰なまでのネガティブ思考が現れない。

『貴様が望むようにこの能力を改変した。本来の俺のあり方とはもう変わってしまっているが、まぁ、俺の本来の役割は実質遠い昔に終わっているからな。道楽としてこうやって貴様に力を貸してやるわけだ。感謝しろ?』

 一体なんなんだ、こいつ。いきなり偉そうにしやがって。

『んっ、あーあーあー、堅苦しい言葉では友好的とは言えないだろうからな。少し学びのために眠らせてもらうとしよう。では目が覚めた時に貴様が最初の望みを叶えていることに期待する』

 そう言って完全に意識が俺の中から消えたと。すかさずオーバーライトを使用してスキルの現状を確認する。

「副作用が、ない……?」

 慌てて久しぶりにステータスウィンドウを開いて中を除くと、オーバーライトの横に《能力向上》の文字が浮かび上がっていた。

「おいシルティス、能力向上ってなんのことがわかるか?」

「今確認したわ。オーバーライトのことでしょう?」

「ああ」

 理解が早くて助かるけれど、あまりの反応の速さに少し引きそうだわ。出来る子って怖いね。

「なんか今失礼なこと考えられてた気がするけど、この件のことがあるからその件は追求しないでおくわ」

「っし、エルピスないすぅ!」

 おっと……思わず声に出して叫んでしまったが、ロリ魔族に制裁を受けることはなくなったのだ。エルピスには感謝しないといけないな。それが這いよる混沌とかいう化け物だったとしても。

 ……あれ? 這いよる混沌? 俺のSAN値大丈夫??

 今になって急に心配になってきたわ……だって得体の知れないスライムが俺の体の中入ってんだよ? あ、吐く……

「ちょっと!?」

 いつものようにひとり妄想にひたっていたらやっぱりこうなる。オーバーライトがあろうとなかろうと、陰キャの思考がマイナスに寄るのは仕方なの無いことだったね、全国の陰キャ諸君はよく覚えておこう。マイナス思考はキャラのせい!

「と、とにかく、現時点で地球に落ちてきていた隕石はそもそもなかったことにした……」

 口から大量の汚物をはみ出させながら答える俺を見て、シルティスは少し引き気味なようだ……

「えーと……とにかくご主人は出すもの出し終えたら教えて……? ちょっと頼みたいことがあるのよ……」

 なんかすごい申し訳なさそうに言われたのだけれど、そんな風にされるとなんか俺が悪いみたいなんで辞めて貰えますかね? 悪いのはこのスライム野郎だよね? あれ? スライム? ナメクジ? まさかクソザコナメクジ3号?

「……なんかすごくくだらないことを考えているってことだけはわかるわ……」

 はァ、とため息をついて呆れ顔をするシルティスを見て、あ、これやっぱり俺が悪かったやつだわと少し反省。基本的にはふざけたい人だからね、俺。

「とりあえずイリアのところに行かないと話が進まないから、とっとと移動するわよ。テレポートとか言うやつでも転移魔法でもなんでもいいからあの神様のとこにすっと移動しちゃって」

 そう言うと、シルティスは先に転移魔法を発動させてどこかへと言ってしまった。

 ……え、俺置いてけぼりですか?

 悲しいなぁ……

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コメント

  • ノベルバユーザー601714

    ランキングから拝見しました。オタク度とチート具合が比例してる斬新な設定。

    0
  • 半田直人

    こんなところまで読んで、最終的な批判がそこってなんか可愛いw
    単語の使い所の事言ってるのかもしれないけど、これ話読んでたら「希望」ってキャラの名前なの一目瞭然だから文章おかしいって感じてる君の頭がおかしいねww

    3
  • 時龍クロノス

    希望(←実際にはギリシャ語で書かれてる)を目覚めさせろ。とか、文章がおかしい希ガスw

    0
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