Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜
打倒魔神軍ってスケール大きすぎやしませんか?
とにかくこいつに害はないというシルティスの言葉を信じて、キャンプ地の中へエルンを招き入れる。
中に入った途端、ジュワッと何かが燃えたような、消えたような不思議な音がしたけれど、特に何かあった訳では無いので何も突っ込まないことにしておいた。
それにしても、急激な気温変化にも対応できるようになってるって、転移者特典様々だな。腹壊しやすい俺にはちょっといい機能。
『ふう、やっと合流できたね、しるっち』
親し気にシルティスに話しかけてくるエルンに、シルティスは「ふつうに出てきなさいよ、全く……」と頭を抱えて応答する。てかなんなんだ、こいつの声、さっきからハウリングしてるみたいに聞こえるんだけど。
「シルティス、どういうことだ?」
状況が飲み込めずに、慌ててシルティスに確認を取る。
「ああ、ご主人には説明してなかったわね。ゴートの坊やにはもう不要でしょうけど」
「おう。こいつに害はない。ただ面倒くさいだけだ」
『ちょっときみ〜、ボクと会うのは初めてのはずだろ? あ、もしかして、もしかしなくても、例の面白おかしい超スキルの仕業かな?』
「この淫魔の直近の記憶を持っている、って言えばわかるか?」
『あ〜、なるほどだよぉ!』
全てを理解している前提で話をしだす3人に、俺とミツアキはさらに困惑が深まるばかりだ。
「とりあえずその武装を外したら? 人間の耳だと声がハウ……ぽわぽわしちょっと気に取りづらいただろうから」
俺の記憶を一度共有しているシルティスは、ある程度の現代地球、というか日本の知識は身につけているため時々このような現象が起きる。
基本横文字の単語は帝国の方のヤツらが使うからあちらでは通じるが、王国側ではなかなか通じない。
『んー、確かに王将に自分の正体を晒さないのは礼儀的にないねえ』
微笑んでそう呟くと、『じゃあそろそろ鎧を脱ぎますかね』と、エルンは何かの準備をし始めた。
わからない。全く理解できない。だって、どうみたって、傍目からだと何かを装備しているようには見えないのだけれど?
『氷装解除』
胸に手を当てて大きく息を吸い、太く短い息でそう言い切ると、エルンの皮膚だと思っていたところや、服の表面からボロボロと氷が崩れ落ちる。
「やー、王将さん。これがボクの本当の姿だよ」
崩れ落ちた氷の中から現れたのは、先程のエルンよおおよそ一回りは小さい少女だった。
中性的な見た目だった顔立ちはより年相応の女の子らしさが現れ、声のハウリングが消えたことではっきりと女声と判断できた。
妹名乗ってる男の娘とか普通にいそうだもんね、この世界。何度も確認することは重要だと思う。
「もー、そんなに熱心に見つめなくたって、ボクのお胸は減りはしないよ? まあ元からそんなものはないけどねっ!」
満開の笑顔で自虐ネタを叫ぶエルンに少し本気で引きかけたが、この程度で引いてしまっては先のナメクジさんたちの異常性と同義ということになってしまう。
一応はまだちゃんと人の見た目をしているのだ多少の礼儀は必要だと考える。とりあえずはこのままスルーして話の本題を進めていくことにしよう。
「んで、なんでお前はさっきから俺のことを『王将』ってしつこく呼んでくるんだ? 初めて合うやつにいきなりそんな呼び方されるようなことはしてないと思うんだが」
「うんにゃー、バルトラっちを一瞬でぶっ殺してる時点でボク達からしたらかなり有力な王将さんなんだけどねぇ?」
こいつは何を言ってるんだ? 自分たちの中の有力者が1人消えたっていうのに。こいつもシルティスと同じ立ち位置なのか? いや、過去を思い出した魔族はシルティスを入れて世界に2人と聞いた……
「お前は自分の味方殺したやつを王将って称えるのか……」
「だって敵だしねぇ」
バルトラが敵? 魔族からしたら、シルティスみたいに特殊な立ち位置じゃない限りみんな魔王のことをしたってるようなもんじゃないのか?
「イマイチ話が掴めないんだが……1から説明してもらえるか?」
「その1からってのがボク達にも難しいんだけど」
「あー、エルンに任せてたら埒が明かないわ……私が話すわ、ご主人」
「お、おう」
唐突に前へと出てきて話し出すシルティス。そのシルティスの話した内容は、俺が今まで聞いてきたり見てきたりした魔族、魔物という生き物達のイメージを根本から変えてしまうものだった。
中に入った途端、ジュワッと何かが燃えたような、消えたような不思議な音がしたけれど、特に何かあった訳では無いので何も突っ込まないことにしておいた。
それにしても、急激な気温変化にも対応できるようになってるって、転移者特典様々だな。腹壊しやすい俺にはちょっといい機能。
『ふう、やっと合流できたね、しるっち』
親し気にシルティスに話しかけてくるエルンに、シルティスは「ふつうに出てきなさいよ、全く……」と頭を抱えて応答する。てかなんなんだ、こいつの声、さっきからハウリングしてるみたいに聞こえるんだけど。
「シルティス、どういうことだ?」
状況が飲み込めずに、慌ててシルティスに確認を取る。
「ああ、ご主人には説明してなかったわね。ゴートの坊やにはもう不要でしょうけど」
「おう。こいつに害はない。ただ面倒くさいだけだ」
『ちょっときみ〜、ボクと会うのは初めてのはずだろ? あ、もしかして、もしかしなくても、例の面白おかしい超スキルの仕業かな?』
「この淫魔の直近の記憶を持っている、って言えばわかるか?」
『あ〜、なるほどだよぉ!』
全てを理解している前提で話をしだす3人に、俺とミツアキはさらに困惑が深まるばかりだ。
「とりあえずその武装を外したら? 人間の耳だと声がハウ……ぽわぽわしちょっと気に取りづらいただろうから」
俺の記憶を一度共有しているシルティスは、ある程度の現代地球、というか日本の知識は身につけているため時々このような現象が起きる。
基本横文字の単語は帝国の方のヤツらが使うからあちらでは通じるが、王国側ではなかなか通じない。
『んー、確かに王将に自分の正体を晒さないのは礼儀的にないねえ』
微笑んでそう呟くと、『じゃあそろそろ鎧を脱ぎますかね』と、エルンは何かの準備をし始めた。
わからない。全く理解できない。だって、どうみたって、傍目からだと何かを装備しているようには見えないのだけれど?
『氷装解除』
胸に手を当てて大きく息を吸い、太く短い息でそう言い切ると、エルンの皮膚だと思っていたところや、服の表面からボロボロと氷が崩れ落ちる。
「やー、王将さん。これがボクの本当の姿だよ」
崩れ落ちた氷の中から現れたのは、先程のエルンよおおよそ一回りは小さい少女だった。
中性的な見た目だった顔立ちはより年相応の女の子らしさが現れ、声のハウリングが消えたことではっきりと女声と判断できた。
妹名乗ってる男の娘とか普通にいそうだもんね、この世界。何度も確認することは重要だと思う。
「もー、そんなに熱心に見つめなくたって、ボクのお胸は減りはしないよ? まあ元からそんなものはないけどねっ!」
満開の笑顔で自虐ネタを叫ぶエルンに少し本気で引きかけたが、この程度で引いてしまっては先のナメクジさんたちの異常性と同義ということになってしまう。
一応はまだちゃんと人の見た目をしているのだ多少の礼儀は必要だと考える。とりあえずはこのままスルーして話の本題を進めていくことにしよう。
「んで、なんでお前はさっきから俺のことを『王将』ってしつこく呼んでくるんだ? 初めて合うやつにいきなりそんな呼び方されるようなことはしてないと思うんだが」
「うんにゃー、バルトラっちを一瞬でぶっ殺してる時点でボク達からしたらかなり有力な王将さんなんだけどねぇ?」
こいつは何を言ってるんだ? 自分たちの中の有力者が1人消えたっていうのに。こいつもシルティスと同じ立ち位置なのか? いや、過去を思い出した魔族はシルティスを入れて世界に2人と聞いた……
「お前は自分の味方殺したやつを王将って称えるのか……」
「だって敵だしねぇ」
バルトラが敵? 魔族からしたら、シルティスみたいに特殊な立ち位置じゃない限りみんな魔王のことをしたってるようなもんじゃないのか?
「イマイチ話が掴めないんだが……1から説明してもらえるか?」
「その1からってのがボク達にも難しいんだけど」
「あー、エルンに任せてたら埒が明かないわ……私が話すわ、ご主人」
「お、おう」
唐突に前へと出てきて話し出すシルティス。そのシルティスの話した内容は、俺が今まで聞いてきたり見てきたりした魔族、魔物という生き物達のイメージを根本から変えてしまうものだった。
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