Free Life Fantasy Online

リアフィス

07 始まりの街

秋菜に連絡する前に、とりあえずカタコンベから出てみようか。
このカタコンベがどこにあるのかも分からないし……。
そそくさカタコンベの出入り口へと向かいます。

太陽だー!
時間的に丁度明け方ですね。
ずっとカタコンベにいたのであれですが、現実世界とリンクさせると大体の社会人が夜しかプレイできません。
それでは悲しいという事で、リアル1日の間にゲーム内4日が過ぎます。6時間毎に1日経つということですね。
現在18時ちょっと過ぎなので明け方になります。社会人の方も24時過ぎればゲーム内で朝がやってくるという事になります。


カタコンベから出てミニマップを見ると……何やら一本線が引かれていますね。
エリアマップを見ると一番近くの街へナビゲートしてくれている模様。
これはありがたい。いきなり迷子になる事は無さそうです。
マップには始まりの街とか書かれているので、人類は皆あそこなのでしょう。
ソコソコ距離あるなー……。
まあ、行くしかないのだけれど。


日光に照らされ改めて服を見ると、実に微妙な色合いをしていますね……。
ベースは黒で白がアクセントとして使用されているのですが、装備名通りに色あせているのですよ。ほぼ全身灰色です。少々悲しいですね……。

闇の一族は露出が激しい。
まあそのイメージは分かりますけど、自分が着るとなると話は変わるのでは?
破廉恥ではなくセクシーと言える……と言う事にしよう。
……強いんですよね。

ゲームとは言え、こうしてドレスを着れるのはちょっと嬉しいかもしれない。
リアルじゃまず着ませんから。
問題は現状普通にしてるだけでも零れそうなのに、動いたら正直ポロリが不安。
ゲームだから大丈夫っぽいんだけど……不安には変わりない。運営と言うか、このドレスをデザインした人も、このサイズは想定してなかったのでは……?


とか思ってたら突然自分が倒れて、蘇生を待つか登録地点に帰るか選べってウィンドウが出ているのですが……。
理解に苦しむ。戦闘なんか一度もしていないのですが?
とりあえず拠点に戻る。

見慣れた天井だ……。
ただいま、カタコンベ。
くそう……どういうことだ。欠損は……してない。セーフですね。

ログを見てみると……《HP自動回復》のレベルが上がったと何個かあった。
はて?

…………あっ!

あらら、これは恥ずかしい。うっかりさん。
お日様の継続ダメージで昇天したのでしょう。常時ダメージ受けるから、常時自動回復してあのログの数……。
《HP自動回復》による回復量がお日様ダメージを上回らないと昼間は出歩けないのをすっかり忘れていました。
でも逆を言えば、日向ぼっこしてるだけで自動回復は上げられると。
リビルド前に上げて稼いでおくべきでしたかね?

まあ、今回の最大の理由は痛覚設定切ったままだった事でしょう。
アンデッドだから人間の『痛い』とはちょっと違うんだけど、無いと気づかない訳で、設定をデフォルトに戻しておきましょう。

あれ? オプションなんか増えてる……こんなのあるんですね。


動作アシスト:王家……オン、オフ。
※立ち居振る舞いが王子様や姫様の様な動作になります。立ち姿や歩き方などかなり広くアシストが入り、特定の【アーツ】動作も専用のモーションなど、かなり矯正されるのでご注意ください。


へー……面白そう。
種族がプリンセスだから追加されたとしか思えないですね。
……完全に悪乗り種族では? まあ、面白そうだからオンにしてみよう。

オプションをオンにしてみると立ち方が微妙に変わる。主に足の位置ですね。右足を少し下げて、左足の後ろへ。
後はピシッと背筋を伸ばし、胸を張り、堂々と立つようですが、元々姿勢は気を使っていますので大差は感じません。。

確かに結構強力な動作アシストですね……。
オンにするなら最初から入れて慣れないとダメかな。気分で変えるようなオプションではないですね。
ロールプレイRP用のオプションだろうけど、入れておこうかな。憧れがないわけじゃないし、ドレス着るのだからこの方が合いそう。

それにしても、通知設定とか無いんでしょうかね?
スキルレベルの上がりとかが分かりづらいと言うか、スキル解放されてもログにこっそりあるだけで非常に分かりづらいのですが……。

んー…………ん? あるじゃないですか。
えっと……所持スキル別に設定でき、何レベ毎に通知するかも設定でき、サウンドの設定も可能……と。
アーツの取得が大体5レベ毎らしいので、アーツがない物は通知は無し、ある物は5レベ毎に。サウンドは被ってないやつを通知用に。
ついでなので全ての通知設定を確認してから閉じた。
進化やレベルアップは最初から入っているようでした。
これでよしと。

そう言えば、今回進化時にレベル1に初期化されてるのね。
少しゾンビ狩って、レベル上げておかないと秋菜とPT組めないかな? このゲームPT内のレベル差減衰どうなんだろ?
まあ、良いか。同じぐらいのレベルにしておきましょう。
レベル1は悲しいし、装備のチェックもしましょうか。


ゾンビ Lv8
  腐った死体。とにかく目の前の者に群がる。
  属性:闇 弱点:光 聖 火 耐性:闇 物理
  属:アンデッド 科:ゾンビ
  状態:正常


《識別》により情報がだいぶ増えていますね。
《看破》動いてるんですかね……? レベルが足りないとか? ゾンビちゃんそれらしい物が見えないのですが。不死者に弱点箇所はないとか……?

まあ、試し斬りですね。

そいっ!

……一撃ですか。
首を斬るように横に振ったら一撃で光の粒子に変わった。
戦闘に関しては動作アシストを感じない。それはそれでちょっと寂しい……。

まあ、2層目行ってみますか。
ハイゾンビは……流石に一撃じゃ死なないか。でも4発ですね……。

……3層目のリビングデッドに喧嘩売ってみよう。
まだ戦った事無いし。戦った事ありませんよ?
ワンパンされたので、戦闘ではありませんとも。
20で進化したから出番が無かったし。

一番レベルの低いリビングデッドの背後へ行き、思いっきり首を斬りつける。
すると一撃で2割ほど削れ、振り向く前に今度は右から斜め下に斬りつける。
振り向き様の腕を試しにガードしてみると、バランスを崩されそうになりました。しかも、流石にダメージが抜けてくるようです。
向かってくるリビングデッドにプスプスと突きを繰り返し討伐。
レイピアですからね。斬撃より刺突です。
大体1回1割微妙にない? ぐらいでしょうか。最初は不意打ち込みで2割ですね。

〈種族レベルが上がりました〉

リビングデッドはLv27~29。倒せるのは美味しいのでは?
【ガード】時に抜けてくるダメージが洒落になりませんが、自動回復があるのでどうにでもなりますね。ノンアクなので最悪休憩すれば良いですし。
筋力と敏捷が壊滅的なだけで、魔法攻撃力と防御力はあるんですよね私。これが高位不死者と装備の力……。
実に美味しいですが、前に比べると明らかに上がりが遅い。
これもまあ、仕方ないですかね。

それにしても【ガード】した時、光の防御膜のようなエフェクトが出るようで、かっこいいですね。光がすごい鈍い光でしたがこの際それは良いです。
仮にも武器に護りと付いているからのエフェクトでしょうか?


[食材] 毒肉 レア:N 品質:C
  一見肉だが、毒が含まれている肉。
  罠などに使用可能。


ゴミ……とは言い切れないけど、使わないからゴミですね。
さて、確か秋菜はレベル10ぐらいとか言ってたっけ。そこまで上げましょうか。

〈《刀剣》がレベル5になりました〉
〈《刀剣》のアーツ【スラッシュ】を取得しました〉
〈《防御》がレベル5になりました〉
〈《防御》のアーツ【アローガード】を取得しました〉
〈《受け流し》がレベル5になりました〉
〈《受け流し》のアーツ【アローパリィ】を取得しました〉

初期スキルというのと、敵のレベルが高いから上がりやすいんですかね?
多少の差はあれど、防御系スキルは一斉に来ましたね。剣で受けても《防具》が上がるのはありがたいところです。攻撃に当たること自体が条件なのでしょう。

そして、アーツが来たようです。
【スラッシュ】は……ただ力を込めて斬る技ですね。
【アローガード】は魔法以外の遠距離攻撃を防ぐ技ですね。被ダメも減る模様。
【アローパリィ】は魔法以外の遠距離攻撃を逸らす技のようです。

そう言えば、相手も《光魔法》に弱いんでしたね?
使うべきか。被光属性4倍でしょう?

魔法は使用する魔法を意識すると自動的に詠唱が始まり、視界にゲージが現れる。
そのゲージが最大で発動可能になり、魔法名を言うと発動する……でしたね。
通常、杖……魔法触媒を持っているとその先端に魔法が出現し、それを飛ばす。
このレイピアは魔法触媒になるって書いてあったから、この先端かな?

えっと……《光魔法》で使えるものは……【ライトボール】か。
ゲージが4秒ぐらいかかって溜まった。
まあそのうち早くなるでしょう。
魔法名を口に出すと光の玉がレイピアの先端に出現したので、リビングデッドの後頭部に向けて飛ばす。
後頭部に当たり光の玉が弾けるとゲージが8割ほど削れ、後は数回突き刺して終了。
うん、強いですね。と言うか4倍は頭おかしいですね……。私も気をつけましょう。これ、敵が光使ってきた場合の私の末路ですよ。

……狩りますか。


〈《光魔法》スキルが5になりました〉
〈《光魔法》の【ライトヒール】を取得しました〉
〈《魔法技能》スキルが5になりました〉
〈《魔法技能》の【加熱ヒート】【冷却クール】【そよ風ブリーズ】を取得しました〉


実に美味しい。
でもこれ、わざわざ飛ばす必要無いんじゃないかな?
レイピアの先端に出てくるんだから、そのまま突き刺せば良いのでは?

再び光の玉をレイピアの先端に出し、後頭部に突き刺すと……。
光の玉が弾けた直後にレイピアが突き刺さり、そのまま粒子となって消えました。魔法だけでなく突き刺しも不意打ち判定が入ったようですね。
実に順調に感じますが、むしろ漸く本格的にゲームが始まった感じがしますね。


〈《魔法技能》スキルが10になりました。スキルポイントを『1』入手〉
〈《魔法技能》の【洗浄クリーン】【応急手当ファーストエイド】を取得しました〉

洗浄クリーン】……汚れを取り除き綺麗にする魔法。
応急手当ファーストエイド】……かすり傷程度を治す魔法。

美味しい、美味しいですよ?
秋菜は微妙だと言ってましたが、普通に美味しいですね?
まあ、確かにスキルは満遍なく……とはいきませんが。

そう言えばスキルレベル10毎に1ポイント貰えるんでした。
リビルドしても没収されないみたいですね。
ただ、リビルドで上げた分は流石に貰えないようですが。

ドロップ品は……間違いなくゴミです。
さて、もう少し狩りましょう。



感覚的には……そろそろ上がるかな?

〈種族レベルが上がりました〉
〈《光魔法》スキルが10になりました。スキルポイントを『1』入手〉
〈《光魔法》の【ライトアロー】を取得しました〉

名前:アナスタシア
種族:不死者の王女イモータルプリンセス 女 Lv10
属性:闇
属:高位不死者
科:ロイヤルゾンビ
スキルポイント:33

スキル
《刀剣 Lv8》《防御 Lv5》《受け流し Lv5》《防具 Lv5》
《光魔法 Lv10》《魔法技能 Lv12》
《感知 Lv8》《看破 Lv7》《足捌き Lv4》
《鑑定 Lv20》《識別》
控え

種族モンスタースキル
《闇魔法 Lv1》《闇のオーラ Lv3》
《物理耐性 Lv6》《物理無効 Lv6》《魔法耐性 Lv5》《HP自動回復 Lv7》
《不死者の王族 Lv4》《王者の風格 Lv1》《高位不死者》


夕食やら挟んでレベル上げしてましたが、敵のレベル高いだけあって、スキルの伸びも十分美味しいかな? 比較対象がないのでなんとも言えませんが。
《物理耐性》に《物理無効》が地味に上がっていますね。この2つは物理攻撃に当たるのが条件なのでしょう。魔法は使ってこないので《魔法耐性》に変化は無しと。

そして指輪がオーブを生成しましたよ。

[素材] 魔力球オーブ レア:Ex 品質:―
  魔力が集められ球体状に固められた物。
  不純物が無いため高効率なエネルギー源となるが、扱いには注意が必要。
  トレード不可。

オーブになると取り外せるようになり、アイテム化するようですね。
取り外すと次のオーブの生成が始まるようなので、オーブになり次第さっさと外した方が良さそうです。

それと、こんな物も手に入りました。

[素材] 闇のパーツ レア:Ra 品質:C
  不死者の部位欠損を修復するのに使用されるパーツ。
  アイテム選択後、必要パーツを選択し待機で修復される。

レアアイテムのようで、そんな出ませんでしたけど。3個確保済みです。

では《HP自動回復》のスキルを上げて、街を目指すための準備をしたいけれど……もう寝ようかな? 明日火曜日だし、帰ってきたら日向ぼっこしようか。
ログアウトしていつもの行動。トイレ行ってストレッチして就寝。



翌日学校から帰って来てログイン。
今日中に街に行ければ良いけど、《HP自動回復》次第かな。多分無理。
多少回復が上回るぐらいになったら街に出発で。
それまではカタコンベの入り口でHPゲージを見ながらスキルを上げましょう。

早速出入り口へと向かい、片腕だけお天道様に当ててみる。
じわじわとHPゲージが減り、光に当たっている腕は見かけ上変化がないが、ジリジリと痛い。

今度は腕をもう1本追加してみると、ゲージの減りが早くなる。触れている部分が多いほどダメージは増えるようですね。
全身で出ると割りと結構なスピードで減っていく。すぐ死んだのも納得のスピードです。今より回復速度も遅かったでしょうし。
しかし《高位不死者》で自動回復に大補正あるのにこの速度。しかも服にも効果があるというのに目に見えて減りますね。制限かかっているらしいので、回復量も低くなっている可能性もありますが……。
太陽がヤバイのか、自動回復系がしょぼいのか……。感じる刺激的に太陽がヤバイのでしょう……。

HPゲージを見ながら中に入って回復を待ち、外に出てはギリギリまで待ち、再び中に入りと往復を繰り返す。


まさかこれだけで3日取られるとは。ベースレベルよりスキルレベルが重要……。
金曜日、学校から戻り往復を繰り返すと《HP自動回復 Lv15》になった。
一度カタコンベでログアウトして、夕食です。


「お姉ちゃん、サービス開始2週間経ちますが、進捗どうですか……」
「これ食べたら街に行く予定」
「おぉ! 遂に!」
「《腐乱体》自体は3日前に外れたんだけど、別の問題がおきてね……」
「あれ、そうだったの? 始まりの街は最初から位置分かるはずだけど」
「もっと根本的なところ」
「なんかあったかな……?」
「いやぁ……太陽は強いですね……」
「ああ! お日様の継続ダメージか!」
「火曜日から《HP自動回復》のスキルを上げてたの。十分回復が上回ったから、食べたら向かう予定」

一回うっかり召された事は黙っておこう。

「でも太陽強すぎて、自動回復が間に合わないってβで騒いでたけど、太陽弱体化されたのかな?」
「されてないと思うけれど……」
「もしかしてスキル進化まで行ったの?」
「んー……まあ、近いうちに会うだろうしネタバラシしよっか」

コネクトボードで、自分のキャラデータを表示させて秋菜に渡す。

「ん……!? え、なにこれ!」
「エクストラ種族にエクストラ装備。頑張ったでしょう?」
「高位不死者……だと……。お姉ちゃん完全に姫様だね……。種族もプリンセス。おっぱい零れそう……これ種族説明どんなだった? ステータスに触れてた?」
「知能と精神に優れ、器用も高い。不死者だから体力も高いが筋力と敏捷がとても低い……だったかな? SS撮ってあるはずだから……うん、そうだね」
「その言い方だと……知能と精神がかなり高くて、次に器用と体力が同じで高ステータス。ただ筋力と敏捷が下手したら人間種以下……ってことろかな?」
「言い方も多少関係あるんだ?」
「あるんじゃないかって言われてる。人類はともかく、人外系は特にステータスが偏ったの多いから」
「ああ、まあ……馬が人と同じなはず無いしね?」
「うん、馬の全力疾走ほんと早いからね。ちなみにプレイヤーの馬は雑食」
「そうなんだ……お肉食べるの?」
「食べる食べる。スープだって飲む」
「人外系は街に結構いるの?」
「数自体はそんな見ないけど、いるにはいるよ。アンデッドは……夜なら見る。人口は少ないけど人外系は目立つからね。いれば目につくよ」
「私はパット見人間だからねぇ……」
「いや、このドレスにこのおっぱいは目立つよ……」
「相変わらず下見えないし、減らすべきだったかなって思った」
「それはダメ。……あ、私これね」

見せられたコネクトボードには革の鎧を着た青銀の髪で青い目の秋菜がいた。
武器は長柄で先端の方に斧と槍が合体した……。

「これは……ハルバード?」
「うん。ハルバード」
「ハルバードも売ってるんだ」
「NPCには無いよ。βからお世話になってる人にまた作って貰ったの」
「ああ、生産品なのね」
「刀は勿論、クナイとかだって作れるんだよ」
「…………忍者いるでしょ」
「うん。忍者プレイしてるのはいるね」
「クナイって言うと《投石》かな?」
「だねー。《投擲》に派生するし、足音を隠す《忍び足》とかもあるしねー。服もプレイヤーメイドで忍び装束とかも作れるから」
「マキビシとか煙玉とか作れるのかな?」
「煙玉は作れるとしたら《錬金》とかかなぁ? マキビシは鍛冶でできそう」

おっと、忍者の話になってしまった。
色々な楽しみ方ができそうだけど、あれだと私は姫様するしか無いかな?

「お姉さん姫様ロールプレイRPしよう?」
「オプションに動作アシストの王家ってのが増えてたの。立ち居振る舞いが王子、姫の様なアシストが入るんだって」
「へー! 入れるしかないね!」
「ドレス着てるしせっかくだから入れてるよ。慣れるところから始めないとね」
「暇な時はお姉ちゃんの騎士でもしよっかなー? そのうち鎧も金属に変える予定だし」
「金属鎧は高いんじゃない?」
「そうなんだよねー。まあ今はそれ以前の問題で、まだ鉄すら取れてない状態だから、北のボス倒して鉱山がある街開放しないとね」
「まだどこも倒せてないの?」
「うん、でもそろそろ……だといいなぁ」

ベースレベルも10を超え始め、スキルも高くなって来たからそろそろ行けそうらしい。スキルにもよるが、初期スキルは言わばチュートリアルだ。1段進化してからが本番らしい。特に近接の武器周りのスキルは個別になってからが本番だと。
《刀剣》や《長柄》は広く浅く。1段進化して個別になると狭く深く。スキル効果のある武器種が決められるが、スキル補正は《刀剣》の非じゃないそう。
魔法に関しては最初から個別なので《刀剣》や《長柄》ほど上がりやすくはない。

種族によって、スキルレベルの上がりにボーナスがあるんじゃないかとも言われている。不死者である私の《HP自動回復》の上がりが早いのは恐らくこれ。
その辺りは全て隠されているデータなので、プレイヤー達が試行錯誤する。
検証好きが検証掲示板で頑張っているらしい。
私掲示板は気になるキーワード検索で引っかかった数個しか見ないからなー。

「さ、ゲームだ! お姉ちゃん狩り行くけど来る?」
「いや、結構街まで距離あったから今度ね」

食器を洗ってから自室に戻り、ログインする。



さて、結局2週間ほどお世話になってしまったカタコンベ実家
『行ってきます』と、外に出る。
……『ただいま』を言う日が来るかは知らないが。
正直もう、何もないので帰ってきたくはないですね……。

普通に痛かった日光も、今じゃチリチリするぐらいになっている。
《HP自動回復》がもっと上がれば、更にマシになるだろうけど……。不死者の時点でダメージ受けることには変わりないので、無くなる事はないのかな?
日光耐性じゃなく、受けた分回復してるだけだもんね。
デイウォーカーとか無いのかな? そう簡単には取れないか。不死者の弱点克服スキルなわけだし。
まあ、日向ぼっこだけでスキルレベルが上がるんだからよしとしましょう。

そんな事を思いつつも……街を目指して堂々と、優雅に森の中を歩く。
木々に遮られ少々薄暗いのかな? 暗視持ってるから私は全く影響がない。
問題は光ではなく、ドレスを引っ掛けないように歩くのが大変。スカートは広がっていないとは言え、後ろはロングスカートに変わりない。耐久自体が無いし破れたりはしないだろうけど、いちいち引っかかったら煩わしいのは確か。
流石にスカートで……しかもロングで森を歩く経験などしたことがない。でもこれからこのドレスにお世話になるから、これも慣れなきゃダメですか。
《足捌き》に期待ですね

綺麗な自然だ、感動的だな。
だが私は木洩れ日にすら肌をジリジリされている。

「ん……?」

ガサガサ……。
あ、野生の狼が飛び出してきた!

左側の草むらから飛びかかってきたウルフを、くるっと回りながら首を斬りつけ、鞘に戻す。
ウルフは着地と同時に粒子になって消えていった。

《感知》と反応速度強化のおかげで、問題ありませんでしたね。
敏捷を上げてるわけじゃないから、範囲攻撃だと逃げ始める速度は早くても、逃げ切れるとは限らないのがこの効果。足の速さは変わらん!
動体視力には何だかんだで自信があるから、《防御》と《受け流し》で頑張ろう。
範囲攻撃系は1発の威力は低いはずだから、《防御》と《HP自動回復》で耐えられる事を祈る予定。

んん? そうか、今の狼ちゃんが不死者以外の第一号だったのか。
……だからなんだと言う話だけれど。
おっと、《闇のオーラ》はオフにして……と。
再び街に向かって歩き始める。


せっせと歩くと壁が見えてきた。城郭都市ってやつですかね? 魔物がいるから壁は必須か。
何はともあれ、始まりの街に到着! 何だかんだで結構……いや、だいぶ遠かったですね? 既にゲーム内も夜です。
カタコンベがあったのは北東。結構距離があるので少なくとも始まりの街で使っていた場所では無いのでしょう。
少し探索して就寝?

明かりを持った人が沢山いるけど、頭上マーカーが青なのでプレイヤーですね。
NPCは緑で敵性が赤になる。主人のいるペットとかは黄色。
皆で兎や狼を追っかけまわしている。

プレイヤー達を見るとそれぞれ白っぽいモヤが見える。
色の濃さは人それぞれだけど、似たような物。色は共通?
ウルフやラビットも色はプレイヤー達と同じ。
無属性だけど魔力を持っている場合の色でしょうか。
魔法を使っている人を見るとモヤが杖に集まり、杖先に移動して……色が付いて魔法が出現しているのが見えます。
魔法を使っている人は他の人よりモヤが濃い気がします。
魔力視、便利ですね?


ラビット Lv2
  一般的な兎。様々な平原で穴を掘り生息している。
  食用として重宝されている可哀想なやつ。でも美味い。
  属性:― 弱点:― 耐性:―
  属:動物 科:ラビット
  状態:正常

ウルフ Lv4
  一般的な狼。戦う術を持たない者は近づかないのが吉。
  集団になると危険度が一気に増す。リーダーがいる場合特に注意が必要。
  食用としても重宝されている。癖はない一般的な肉。
  属性:― 弱点:― 耐性:―
  属:動物 科:ウルフ
  状態:正常


あ、両方食用なんですね……。と言うか、ゲームだし大半食べれそうですね。
森から街に行く間に襲ってくる狼と、兎を倒しながら進む。


[食材] ウルフの肉 レア:No 品質:C
  一般的に食べられるウルフの肉。
  ラビットに比べると少々硬いが、脂身が少なくさっぱりしている。
[素材] ウルフの皮 レア:No 品質:C
  ウルフの皮。
  防御力も耐久も低く、防具にするには心許無い。
[食材] ラビットの肉 レア:No 品質:C
  一般的に食べられるラビットの肉。
  程よく脂が乗り癖がなく柔らかい。


《料理》で使うお肉だけあれば良いかな。
皮は売れる場所見つけたら売ろう。

ドレスだからだろう集まる視線を無視しつつ、街へと入る。
胸に視線が集まるのはいつもの事です。今更気にしません。
強いこのドレスを脱ぐ気は毛頭ないですからね。
……着替えが無いし。

街に入ると何やらチュートリアルが発生した。

〈『チュートリアル ポータルを開放しよう』が発生しました〉

やらない理由もないので、言われた通りにしましょうか。
胸とスカートと長い髪を揺らしながらスタスタと中心の広場へと向かう。
東西南北の門に伸びる大通りに繋がっているようなので、行くのは楽だね。
と言うかミニマップがあるから迷うことはない。

中央広場は大体似たような格好をした人達……プレイヤー達が沢山いる。
初期装備だったり、少し良いのをNPCから買いました的な?
流石にそんな中でこのドレスは目立つのか視線が集まるけど、どんな格好してても胸に視線が集まるのがいつもの事だからねー。
むしろ今の服装の方がそう言うデザインですし、納得できるので放置。

まあそれはともかく、えっとポータルの開放は……噴水の水に触れましょうか。
早速広場の中央にある立像? の足物にある豪華な噴水の水に指を入れてみる。

〈始まりの街のポータルが開放されました〉
〈復活地点に設定できます〉

ああ、復活地点はもうこっちで良いかな。

〈復活地点に設定されました〉
〈『チュートリアル ポータルを開放しよう』が完了しました〉
〈報酬として初心者用HPポーション、初心者用MPポーションを入手しました〉
〈『チュートリアル 冒険者組合で冒険者登録しよう』が発生しました〉

ポーションは……5本ずつか。
おや、ヘルプが追加されたようです。


※ポータルについて
ポータルにはステルーラ様の立像が必ずあります。
その周囲は街によってそれぞれですが、街の中心に立像が必ずあるので、新しく立ち寄った街では解放しましょう。
他の街のポータルを解放すれば、ステルーラ様のシンボルである『門と鍵』のマークが出現します。
それに触れると各町のポータルへと転移が可能になります。
この機能は異人だけの機能になるため、住人は使用できません。


ステルーラという女神様の立像のようですね。
じゃあ次のチュートリアル……冒険者組合は……ここですか。

マップに従い広場から東の大通りへ向かい、少し進むと大きな建物が目に入る。
剣と盾の看板があり、マップでも冒険者組合と示しているので間違いないでしょう。出入りしている人達も剣や槍と武装した人達だ。
マーカーは二色。プレイヤーの青とNPCの緑が出入りしている。

早速私もそこへ向かい、建物へと入る。
中に入った際に集まる視線は無視し、正面に並ぶ受付を見渡して、開いている受付嬢さんの場所へ行く。

「ようこそ冒険者組合へ。ご依頼の登録でしょうか?」
「いえ、組合への登録がしたいのですが」
「組合への登録ですか……?」

受付嬢さんが困惑してるけど、格好のせいかな?

「はい、登録です」
「畏まりました。では登録を行いますので、そちらの水晶に触れて貰えますか?」

周囲に視線を動かした後、腰にある細剣を見て一応納得はしたのかな?
ドレスだと令嬢が想定されて従者を探した……?

まあ進んだんだから良いかな。指示に従い登録を済ませる。
そして、簡単に組合の説明を受けた。
ランクはFEDCBASの7段階で上がっていく。受ける依頼に制限は無いが、失敗で違約金が発生する。
組合員の証はカードタイプで、無くしたら再発行可能だけどそれなりのお金がかかるし、再発行の度に必要なお金も増えていく。
まあ、我々異人……プレイヤーからするとイベントアイテム。
所謂『大切なもの』な訳で、無くすことがそもそもできない。
依頼の受注は依頼板で可能。報告は受付まで行く必要がある。報酬はその場で受け取るかカードに振り込まれ、組合なら引き落としが可能。預けることもできる。

最後に重要なこととして、街の周囲で何かしらの異変を感じた場合、真っ先に冒険者組合へと報告する義務が冒険者にはある。
その後組合側で調査と対処を行い、内容によっては報告だけでも報酬がある。
調査や対処は組合側が冒険者達への依頼とする場合もあるが、この場合は組合のランクに制限がかかっている場合が高いので、参加を考えるならランクを積極的に上げておくことをお勧めする……とのこと。


「説明は以上になります。何か質問はありますか?」
「いえ、大丈夫です」
「ではこちらが組合員のカードになります。これからのご活躍を我々組合職員一同、期待しております」

〈『チュートリアル 冒険者組合で冒険者登録しよう』が完了しました〉
〈報酬として初心者用HPポーション、初心者用MPポーションを入手しました〉

使えもしないポーションは放置するとして……。
軽く頭を下げ受付嬢さんの場所を後にし、早速依頼板を確認。
張り出されている依頼は中々カラフルだった。色によって種類分けされているみたいです。

赤:討伐
緑:護衛
青:採取・納品
黄:調査

討伐と採取が一般的でしょう。
護衛と調査はそれ系のスキルが無いと厳しそうですね?
討伐系はそれなりにある。この街周辺に出る魔物が対象だろうから一通り受けても良いけれど……まずは街を軽く見て回ろうかな?

ああ、そう言えば組合で教えて貰えるスキルがあったはずですね?
依頼板の前から離れ、公式掲示板を見ましょう。
全プレイヤー共通お勧めスキルを再確認。
先人の知恵は大人しく聞くべきです。妹もこれは確かと言っていましたし。

評価:ほぼ必須
  《鑑定》《識別》
  初期スキルで取らないと条件が超面倒。《鑑定》だけでも取っとけ。
評価:できれば欲しい
  《目利き》《解体》
  ドロップ品がよくなる。
評価:あって損はない
  《採取》《採掘》《伐採》
  移動時に拾いながら行くだけで、小銭が稼げる。
  素材持ち込みで値引きしてくれる生産者もいる。

《鑑定》と《識別》は取った。
《目利き》はドロップ品の品質とレア度の高い物が出る可能性が上がる。
《解体》は有効時死体が残るようになり、解体ナイフを突き刺すとアイテムになる。この場合通常よりドロップが増えたりするが、その分手間がかかる。
一応他の生産スキルのように、手動解体もできるが……地獄を見る。《魔法技能》レベル10アーツの【洗浄クリーン】必須。血的な意味で。
《目利き》も《解体》もできれば両方欲しい。手動解体は流石に興味ないけど。
《採取》《採掘》《伐採》は……《採取》と《採掘》は欲しいかな?
《採掘》は鉱石系。《伐採》は木。《採取》がその他。

えっと……これらの取り方は……。

《目利き》と《解体》は組合の解体施設で教えて貰える。
《採取》は適当に拾ったりしてれば取れるようになる。
《採掘》と《伐採》はそれぞれの道具(ツルハシと伐採斧)を持てば覚えられる。

という事は……組合で《目利き》《解体》の2つを教わりましょうか。
早速教えて貰おうかと思ったけど、アラームが寝る時間と言っていますね……。思ったよりカタコンベ実家は遠かったですね。移動に時間かかった。
足遅いのもあるだろうけど。

金曜日だから急いで寝る必要も無いけれど……。
どうせなら明日の朝からやろうかな。
冒険者組合から広場へ戻り、ログアウト。

ログインしたらスキルを教えて貰いましょう。

「Free Life Fantasy Online」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

  • ヒナキ

    所謂って言葉好きですね

    1
コメントを書く