悪役令嬢がでれでれに溺愛されるまでの話

ててて

8 白いドアの部屋①


ドアに手をかけそっと開けて見る。ギィィと古びた音がした。

その部屋は壁が全て白く、床にはワイン色の絨毯が敷き詰めてある。そして部屋の真ん中に堂々とそれはある。

ピアノだ。真っ黒なピアノ。美しく光に照らされているが少しホコリかぶっている。

「こんな部屋あったのね…。」

思わず息をのんでしまう。

「この部屋は奥様の音楽部屋なんですよ。奥様はピアノがお上手でよく弾いていらしたとメイド長から聞きました。」

「お母様が…?」


私の知るお母様は、体が弱くていつも寝たっきりで、たまに会うと枯れそうなお花のような哀愁をただ寄せながらほころぶように笑ってくれる優しいひとだった。

(ピアノが得意だったのか…)

知らなかった。
お母様が弾いていたというピアノに思わず手を伸ばす。蓋を開けて鍵盤を押してみた。ポローン。
綺麗な音がする。よく響く。

「お嬢様はピアノは弾かれるのですか?」

「え、えぇ少しね。嗜む程度よ。」

私自身はピアノの経験は全くない。前世の私は3歳からピアノをやっていたベテランさんだ。いくつか賞をとっていたくらい。

「そうなんですか!私は両手同時に動かすことが苦手でまったく弾けないんです!是非、聴きたいです!!」

ちょーキラキラした目でコレットが見つめてきます。

(んーいいかなぁー。私自身は習ってもないんだよなあ。習ってもない子どもが急に弾けたらおかしいだろう。。。まぁ、少しならいっか!)

というか、私自身が弾きたい。そうして、私は椅子に座ると4歳の足をめいいっぱい伸ばし、指を広げだ。

(さて、4歳の女の子が弾いてもおかしくない曲あったかなー)





私が描きたかったシーンです。笑
私がピアノ経験があるので、どうしても作品にピアノを出したくなってしまいます。笑
遊びだと思って付き合って下さい。

長くなるんで、分けます。

いよいよ、あの人が出てきます!たぶん!

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コメント

  • みかん

    私ピアノ弾けないから
    羨ましい!

    3
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