虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
ジェム加工 前篇
アイスプル ジェム収集区画
風兎がアイドルにドハマりしていたので、一時的に落ち着かせるためグッズを没収することに……残酷ではあるが、これも民を想う普段の風兎のためだ。
「ふむ……それなりに集まっているな」
《旦那様の【大富豪】の影響もあり、通常よりも再生速度が速いですね。ですが、その分だけ星脈のエネルギーを消費している模様。微々たるものではありますが、そういったデメリットもあるとお伝えします》
「そうか……あんまりやり過ぎると、普通は持たないわけだな」
アイスプルはある意味、個人が所有する惑星という大規模なプライベートエリア。
休人たちも、『専用空間』という機能をイベント報酬などで得ることはできる。
だがそれも、拡張を何度か重ねないと充分な広さを得られない。
──目の前で広がるような、色とりどりの大量のジェムなど夢のまた夢だ。
「そういえば、休人の専用空間内に構築するのが普通だよな。その場合、ジェムってどれくらいの速度で採取可能になるんだ?」
《そちらは休人の非活動──[ログアウト]時におけるエネルギーを用いています。その仕組みも制限が設けられているため、一週間に一回分ほどでしょうか》
「…………じゃあ、一日に一回採取可能になるのはおかしいってことか」
毎日ドローンを使い、散らばっている採取スポットを巡って集めている。
お陰で……うん、正直使い切れないぐらいに余っていた。
ジェムの加工法がまだ明確に決まっていないため、使いづらいのだ。
ただ、放置しても意味無いので……とにかく集めまくっている。
「まあ、それはいいか。ジェムか……とりあえず、錬金術で一つに纏めておくか」
採取できるのはジェムは、極小サイズか小サイズ。
それ以上の大きさは、錬金術を使って合成する必要がある。
これは魔石も同じシステムだ。
大きくすればするほど、その難易度が高くなっていく……まあ、『錬金王』に頼ればほぼ確定で成功するよな。
「特大サイズはモンパズコラボの方で取っていたけど、あそこまでイケば結構いい物が造れるようになるからな」
住民の中には、モンパズコラボ関係のアイテムに興味を持った者が居る。
コラボで得たアイテムの中には、それらを再現するレシピも入っていた。
問題は、基本的にそれらがジェムの特大サイズを必要としている点。
純粋に数が足りていない、休人たちはそこで生産できていないらしい。
「まあ、そろそろ一セットぐらい作っておこうか……喜んでくれるかな?」
《ええ、間違いなく》
そう『SEBAS』に後押しされ、俺は生産に挑むことに。
──まあ、:DIY:があるからこちらもほぼ確実に成功するがな!
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