虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
第一回コラボイベント後篇 その20
モンパズコラボ、その最終ステージでもやりたい放題して勝ちまくった。
周回を重ね、雇われた休人たちも満足するレベルでポイントやアイテムを獲得する。
「──皆さん、お疲れさまでした! ……これで良しっと。それじゃあ、最後にアレの確認をしに来ますか」
すでにイベントそのものの時間が、後僅かになっていた。
俺が最後に向かうのは、夜明けと共に花火が打ち上がるイセ村コラボ。
ゲーム内で行われた、さまざまなランキングに関する結果が発表されている。
その中には、俺が力を入れたハウジングに関するものも存在しており……。
「…………Oh」
《旦那様……》
「言うな、何も。いや、分かり切っていたんだよ。高評価なアイテムを並べるだけで入賞できるなら、それこそそういうアイテムだけ揃えたゴミ部屋だって勝てるんだから」
見事、俺の家は入賞を果たした。
評価も書かれていたのだが、審査員的にかなりの好評らしい……ある一部屋を除いて。
曰く、趣味全開の一部屋を除いて大変工夫が凝らされた部屋とのこと。
そこがどこなのか、お分かりだろう──俺の部屋だけが物凄くマイナスだった。
本来であれば優勝だったものが、そのマイナス評価もあって格下げ。
結果的に、『とくべつ賞』を俺は受賞することに……ひらがなに悪意を感じるよな。
「『なお、受賞者へのアイテム、ポイント配布はイベント終了後に行われる』か……これは後が楽しみだな。うん、くよくよしても仕方がない。これまでの清算でもしようか」
モンパズ、アイラブ、イセ村、バトラー、そしてロードの五大タイトルとコラボして行われたこのイベント。
多くのポイントやアイテムを集めてきたのだが、今回はその後が重要だ。
アイラブコラボでこの先に売られるPVに映り込む権利が出たが、それと同じこと。
他のゲームタイトルでも、同様にコラボ先に関する景品が存在する……と思われる。
ポイントが超高額、かつ詳細非公開の品が残されているからだ。
「まあ、実際にいいアイテムが出てこなかったら、それはそれでいつもの『箱』を開けるだけだからいいんだけど」
毎度お馴染み、『賽祈箱』も景品の中に含まれていたので最悪、そちらに全部注ぎ込めば俺の満足するようなアイテムが手に入るだろう。
「……というか、『箱』の方からコラボアイテムが出てくる可能性ってあるのか?」
《──いえ、おそらくありません。あくまでも、『箱』には存在はしたが表に出せないでいたアイテムが出ております。であれば、ポイントで交換できる景品を旦那様が望む品として出すことは無いでしょう》
なんて会話をしながら、花火を拝み時がたつのを待つ。
そして、時刻は零時を回り──イベントは終了するのだった。
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